二十年後への贈り物

大嫌いな貴女へ

(にじゅうねんごへのおくりもの)
初演日:2010/5 作者:上野 小夜
野村…25歳くらい。中学生の頃いじめられていた。いじめられていて復讐をするため、タイムカプセルに作った爆弾を入れる。それから10年が経過し、結婚を控えて昔の清算をしに母校へやってくる
林田…20代前半。頭が悪い。頭が悪すぎて派遣でバイトをしてもすぐ首にされる。金がないため銀行強盗をするが、札束と間違えて伝票みたいなものを掴んで逃げてくる。
小林…中学校の用務員昔からこの学校で働いている。学校に住んでいるのではないかという噂もあった。
白石…25歳くらい。野村の元同級生で野村をいじめていた。元元家が金持ちで自分に自信もあったが今は落ちぶれている
北村…30歳くらい。まじめだが、女に入れこみ、金に困っている。金にがめつい。横領をして
いる。

シーン0 オープニング
がやがやとしたM。銀行の中。舞台前方に照明。北村がいる。そこへ林田やってくる。

林田 強盗だ手を挙げろ!
北村 後藤さんですか?
林田 あ、僕は林田・・・強盗だ!手を挙げろ!
北村 あ、そういう訓練なんですね。ご苦労様です。
林田 強盗なんだ。お願いだから手挙げて!(フォークを突きつける)
北村 えっ?ちょっと!?警察、警察!
林田 呼ぶな!逃げるな!
北村 すいません。
林田 謝るな!頼むから金を出してくれよー。
北村 は、はい。(ポケットを漁り)とりあえすこれで!
林田 (思わずといった感じで)ありがとう!
北村 (思わず)どういたしまして。またお越し下さい。
林田 うん、また来る!

 鳴り響くサイレンの音。林田、去る。

北村 (改めて伝票を渡したことに気付き)あ、ちょっと待って!それ違います!お金じゃないです!待ってくださーい!

 大きくなるサイレン。音楽入る。音合わせで簡単なダンス。キャスト紹介的なイメージ。音が終わるとラジオの音。

ラジオ(声のみ) ニュースの時間です。今日午前10ごろ、南地区で銀行強盗が発生しましたが、何も取らずに逃げて行きました。強盗の行方はわかりませんが、ほっかむりをしており、すぐに発見される見込みです。続いて、四天製薬による抗がん剤の発見に関するニュースです。四点製薬では、先日新たな抗がん剤を発見しました。これにより、今まで不治の病と言われていた癌がほぼ100%治るうようになりました。…(フェードアウト)

シーン1 学校の中
閑散とした教室。そこに駆け込んでくる強盗。教室の中を見回し、誰もいないことを確かめて安心して座りこむ。ほっかむりを外す。

林田 助かった…。(持ってきた紙の束を見て)これだけか…はぁー。

 落ち込む強盗。そこにやってくる野村。

野村 あの。すみません。
林田 (びくっとして明らかに怪しい感じで伝票を落とす)何でしょうか?
野村 (男の様子には気付かず)こちらの学校の先生ですか?
林田 (きょとんとして)えっ?
野村 あ、すみません。教室にいるからてっきり…
林田 いや、違わないです!違わないです!先生です!。
野村 お仕事お疲れ様です。私、99年卒の野村由香と申します。
林田 あ、すみません。どうも。
野村 初めまして(名前は?という視線)
林田 (視線の意味に気付いて)あ、すみません。僕は林田と言います。
野村 林田先生ですね。今日は片づけか何かですか?
林田 (よく事情が飲み込めない感じで)はぁ、まぁそんなところです。まったく、ほらうちの生徒は片づけをしないから。
野村 でも、寂しいですよね。
林田 はぁ…
野村 今日でこの校舎ともお別れですね。
林田 は?
野村 (驚いて)違うんですか?今日から立ち入り禁止になるって聞いたんですけど。
林田 えっ?(今、思い出したという感じで)あ、そういえばこの学校つぶれるんでしたっけ??
野村 えっ?忘れてたんですか??この学校の先生、なんですよね…
林田 あ、いや。こうして毎日学校の整理とかしてるとねほら。つい生徒が来る様な気がしちゃって。あはははは。
野村 整理をしているのに、ですか?
林田 ま、まぁ僕の生活リズムは変わってないですし。そんなことより、あなたは卒業生なんですよね?何をしにいらしたんですか?
野村 (ちょっと慌てて)あ、その私はそのタイムカプセルを探しに…
林田 タイムカプセル?この部屋に?
野村 はい。確か資料室に入れたと思うんです。すみません、勝手に入ってしまって。(言い訳のように)受付に誰もいなかったので。
林田 あぁそうなんですか。そういうことなら思う存分探してください。私は、ちょっと他の部屋に行きますので…
野村 すみません。ありがとうございます。
林田 いえいえごゆっくり。

 林田、そそくさと退場。林田が去ったのを確認してから、辺りを窺い、捜索開始。伝票を拾い、
タイムカプセルの方に突っ込む。

シーン2 舞台前方
 中央では野村そのまま探している。上手から北村が慌ててやってくる。下手から急いでやってくる白石。

北村 あの、すみません。
白石 何ですか?私、急いでるんですけど。
北村 この辺で怪しい男を見ませんでしたか?
白石 さぁ?怪しい男と言われましても。怪しいといえばあなたも怪しいでしょ。
北村 そうじゃないんです!その、明らかに泥棒というようなほっかむりをかぶった男を見かけませんでしたか?
白石 そんな人いるわけないじゃないですか?
北村 いたんですよ!(キれて)
白石 何なんですか?あなた。急に話しかけてきてキレルなんて大人としてみっともないですよ。
北村 申し訳ございません。
白石 わかればいいんですけど、何、強盗に入られたわけ?
北村 はい、私が務めている銀行が強盗に入られまして…。
白石 まずいじゃない。預金とか取られたわけ?
北村 いえ、そういうわけでは…。取る暇もなくさっさと逃げたので。
白石 はっ?銀行に入って何も取らなかったの?じゃあ、いいじゃない。
北村 あぁ、はい。
白石 何、歯切れが悪いわね。
北村 いや、そのやっぱりうちも銀行なのでそういうことがあると信用にかかわるので、その強盗は逮捕しないとですね…
白石 私、関係ないみたいだし、もういいですか?。
北村 あぁっ!そんなこといわないでください。見つけてくれたら謝礼出します!
白石 ……いくらですか?
北村 えっ?
白石 そこ重要なとこでしょう?
北村 えーとですね
白石 決めてないの?ほんとは出す気ないんじゃないの?
北村 それは、その…じゃあ。5000円で
白石 安い!
北村 じゃあ2000円で!
白石 何で下がってるのよ!
北村 えーと、どうしようかなぁ
白石 じゃあいいわよ、もう5000円で
北村 ありがとうございます!
白石 で、どこに連絡すればいいの?
北村 あ、私は駅前のみずな銀行の北村といいます。
白石 わかったわ。見つけたらみずなに行くわよ。
北村 それじゃ駄目です!ちゃんと私、北村のところに来てください!
白石 どうして?
北村 それはその…
白石 手柄でも独り占めしたいのかもしれないけど、私には関係がないから。それじゃ。

 上手へはける白石。それを見送り、とぼとぼと去る北村。

シーン3 教室の中
タイムカプセルを見つけた野村。爆弾を客に見せる。物を確認しようとしているところににやっ
てくる小林。

小林 誰かおるんか?
野村 はい?(慌てて爆弾をタイムカプセルに戻す)
小林 お嬢さん、見ない顔だね。
野村 (テンパッて)あ、すみません。私ここの卒業生で、その。
小林 そうかい。言われてみれば見たことのある顔だな。卒業生がどうしたんだ急に?
野村 (気まずそうに)あ、すみません。勝手に入って。(話題を無理やり切り替えるように)あ、用務員の小林さんですよね?
小林 わしのことを覚えておったか。感心じゃのー。お、お嬢さんも、やっぱり見たことがあるぞ。えーと…そうだな。思い出した!10年前に卒業した野村さんか。
野村 えっ!?すごい。何でですか?

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