発展途上人間
発展途上人間

昔々のあるところでのお話。
長い道のりを歩く男と少しおかしな神様のお話。




舞台上手よりに金森、下手よりに伊達が立っている。

明転。

二人「僕たち発展途上人間」
金森「ある日僕は、不思議なものを与えられた」

せっせと歩く動作をする金森。後ろを向く伊達。

金森「ふう、疲れた。あと100km!」
伊達「やあ」
金森「うわあ!誰だい?」
伊達「僕はダイムラーの祖先だよ」
金森「うわあ、ダイムラーがわかんないや」
伊達「君、何か疲れているようだね」
金森「うん。でも平気!いつものことだから」
伊達「頑張り屋さんだねえ。そんな君に便利なものをあげよう」
金森「え、なんですか?」
伊達「じゃじゃじゃ〜ん。く〜る〜ま〜」
金森「うわあ!車がわかんないや」
伊達「これさえあれば、100kmなんてひとっ飛びさ」
金森「ほんとに!?ありがとう!」

エンジンをかけ、走り出す金森。後ろを向く伊達。

金森「ふう、暑いなあ」
伊達「やあ」
金森「うわあ!誰だい?」
伊達「私はキャリアの祖先よ」
金森「うわあ、キャリアがわかんないや」
伊達「君、なんだか暑そうねえ」
金森「うん。でも平気!いつものことだから」
伊達「頑張り屋さんねえ。そんな君に便利なものをあげましょう」
金森「え、なんですか?」
伊達「じゃじゃじゃ〜ん。ク〜ラ〜」
金森「うわあ!クーラーがわかんないや」
伊達「これさえあれば、暑さなんてへっちゃらよ」
金森「ほんとに!?ありがとう!」

クーラーをかけ、走りだす金森。後ろを向く伊達。

金森「涼しい〜」

何かに気づき、車を停める金森。

金森「あ、あれどこに置いたっけ?(車の中を探す)暗くて何がなんだかわかんないや。ろうそく、ろうそく…」
伊達「やあ」

無視して探し続ける金森。

伊達「やあ」
金森「うわあ!誰だい?」
1/3

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム