星降る夜の彼方には

(ほしふるよるのかなたには)
初演日:0/0 作者:麦生
 『星降る夜の彼方には』
              作・吉良佳晃・武田佳花 
              編・麦生


☆登場人物
  
  ジョバンニ・・・・
カムパネルラ・・・
ザネリ・・・・・・
  車掌・・・・・・・
  大学士・・・・・・
  助手・・・・・・・
  少女・・・・・・・
  鳥捕り・・・・・・
  母の象徴・・・・・
  子の象徴・・・・・











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               うっすらと舞台が明るくなる。
               人々、思い思いのポーズ。一様に何かを考えている様子。
               3人、ゆっくりと立ち上がる。

ジョバンニ   人はどうして人を思うのだろう。
カムパネルラ  人はどうして人を必要とするのだろう。
ザネリ     人はどうして人を傷つけてしまうのだろう。
3人      たぶんそれは・・・。



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               瞬間、溶明。
               授業開始のチャイムが響く。席に着く子ども達(二役)。  
               先生が入ってくる。
               授業。
               授業、終わる。


ザネリ     お〜い、みんな。早く家に帰って親に金もらってこいよ。いつまでも、こんなやつと一緒にいたら、匂いが染みついちまうぜ。あ〜ぁ、くせえ、くせえ。
        なあ、ジョバンニ。お前もそう思うだろう?
ジョバンニ   え・・・?
ザネリ     そうか!やっぱりお前もそう思うか。だって本人だもんな。おい、行こうぜ!

               ザネリ、子ども達、走り去る。
               ジョバンニ、カムパネルラ、残る。間。

カムパネルラ  ジョバンニ。ザネリの言ったこと、気にしなくていいと思うよ。
ジョバンニ   ・・・いつものことだしね。どうして、いつも僕の嫌がることばかり言うんだろ?
カムパネルラ  さあ、なんでだろう。
ジョバンニ   あっ・・・。見てよ、カムパネルラ。きれいな夕日だよ。
カムパネルラ  本当だ。  
ジョバンニ   今日はきれいな星が見られそうだね。今日は、星祭りの日だもんね。

               間。

カムパネルラ  ねえ、ジョバンニ。夜、星空を見るのって好き?
ジョバンニ   え?
カムパネルラ  僕は好きだ。地面に寝転がって星を見ていると、空に吸い込まれそうな気がするんだ。
ジョバンニ   ・・・素敵だね。ねえ、カムパネルラは今日の星祭りには行くの?
カムパネルラ  どうかな。母さんに聞いてみないと分からないから。
ジョバンニ   そっか・・・。
カムパネルラ  でも、遅くならなければ大丈夫だと思う。
ジョバンニ   良かった!じゃあ、また後でね!

               ジョバンニ、走り去る。

カムパネルラ  また後でね・・・。
        本当に、星を見ているだけでいいんだ。なのに、母さんは違う。すぐに名前を知りたがる。あの星は、この星座の一部だとか・・・。そして、名前が分かっただけで満足して、それ以上は星のことを見ようともしないんだ。
        ・・・帰らないと。

               カムパネルラ、ゆっくりと帰る。


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               星祭りの夜。祭りの音。
               ザネリ、子どもたちがやってくる。
 
ザネリ     おい!今度はあっちに行ってみようぜ!
子どもたち   うん。

               向かい側から、カムパネルラがやってくる。

ザネリ     あれ?カムパネルラじゃねーか。
カムパネルラ  やあ、ザネリ。
ザネリ     一人で来たのか?
カムパネルラ  待ち合わせをしてるんだ。
ザネリ     ジョバンニとか?
カムパネルラ  ・・・そうだよ。
ザネリ     よくあんな奴と付き合えるよな。
カムパネルラ  友達だから・・・
ザネリ     友達ねえ・・・。
カムパネルラ  どうかした?
ザネリ     いや。・・・なあ、あっちに行ってみようぜ。
カムパネルラ  ・・・。
ザネリ     ・・・なあ。

               少し間があって、カムパネルラ、小さく頷く。

ザネリ     よーし、決まった。行くぞー!

               ザネリ、カムパネルラ、子どもたち、走り去る。
               ジョバンニが走りこんでくる。

ジョバンニ   ・・・あれ、カムパネルラ、まだ来てないのか。急いで来て損しちゃった。・・・うわあ!やっぱり星がきれいだなあ。

               ジョバンニ、星を見上げる。
               大学士、助手が乱入してくる。

大学士     よーし!今度はここで呼んでみよう!
助手      はい!

               怪しげな動きと意味の分からない呪文。

ジョバンニ   ・・・これは・・・?

               ジョバンニ、場所を離れようとする。
               動いているうちに、大学士のポケットから何かが落ちる。

ジョバンニ   ん、なんだこれ。・・・切符?
大学士     (怪しげな振りと呪文)
ジョバンニ   あの〜、落ちましたよ。
大学士     (怪しげな振りと呪文)
ジョバンニ   あの・・・。
大学士     (怪しげな振りと呪文)
ジョバンニ   あのっ!
大学士     ・・・ん?
ジョバンニ   落ちましたよ。
大学士     ん・・・おお、すまない。いやあ、危なかった。大変なことになるところだった。
助手      先生。やはりこの辺りでは交信ができないようです。
大学士     そうか・・・。
助手      そろそろ時間です。
大学士     急ごうか。
助手      はい。
大学士     ありがとう、少年。おかげで助かった。
ジョバンニ   いえ。
大学士     さあ行こう。
助手      はい。

               大学士、助手、嵐のように走り去る。嵐の後の静けさ。
               そこへ、すごい勢いで走りこんでくる鳥捕り。

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