彼女は雪の降る日に
   「彼女は雪の降る日に・・・」


CAST 
 今川 幸
 有島 春











バスの中、寝ている幸。着信音が響く。
幸「・・・はい、もしもし。いまバスの中なんです・・・は?何?死んだ!?誰?春が!?」
 幸 立ち上がる、証明off
幸「うたた寝していた私に突然かかってきた電話。それは友人有島春の死亡通知。私は驚き思わずバスの中で立ち上がり、周りのおば様方から白い目で見られ、運転手さんに怒られ・・・・それは置いといて、とにかく驚くことしか出来なかった。悲しむことなんて出来なかった」
 幸 座る、春 登場
幸「春に初めて出逢ったのは、中学の入学式。出席番号で座るため、私、今川幸と有島春はあといで隣同士だった。」
 証明 on
春「話――長いね。」
幸「だね――。何で校長の話ってこんなに長いのかな。新入生歓迎を思うなら黙ってろって感じよね―――」
春「ははは、確かに」
幸「しかも、お約束のビール腹で前方後退型のハゲ」
春「あ、ホントだ」
幸「・・・イイ男なら喜んで聞くけどって、イイ男はつまんない話なんて長々しないのよね―――」
春「鋭いわね」
幸「あ――、早く終わらないかなァ」
春「うん―――」
幸「ねえ、一緒の小学校じゃなかったよね?私東浄小だったんだけど・・」
春「うん、私引っ越してきたんだ」
幸「へ――。何処から?」
春「島根」
幸「あっ、おばあちゃんが島根に住んでるんだ」
春「えー島根の何処?」
幸「浜田よ」
春「同じ同じ、私も浜田から来たのよ」
幸「そうなんだ――。なんか運命だね」
春「ははは、えーと・・・私、有島春。よろしく、運命なお友達」
幸「私は今川幸。よろしくね」
 証明 off
幸「・・・それが出会いだった。良くある話、入学式中ずっと浜田の話で盛り上がり、春と仲良くなった。・・・私は元々友達が多い方じゃなくて、別にいじめに合ってたわけじゃない。人見知りで勝気な性格が幸いして、どうも接しにくいらしい。あと、外見。第一印象って、結構大事だと身を持って実感できる。・・・あれは何時だっただろう、私が反りの合わなかったクラスの子と大喧嘩をして、平手打ちが飛びまくった。ま、私は家が空手の道場だったから全てかわしたけどね・・・そんな中、いつもは大人しい春が急に怒鳴りだした」
 証明 on 
幸「ちょっと春・・・!」
春「もう止めなよ!あんたねェはじめっから幸の事気に入ってなかったんだから、何やられても気にくわないんでしょう?そんな目で幸を見てて、勝手に切れるなんてみともないよ。幸もよ!攻撃全部かわすからちょっとカッコイーなんて思ったけど」
幸「思ったの?」
春「かわせるなら止めなさいよ。幸もこの子が気に食わないからって、恥かかせようとしたんでしょう!」
幸「そんなこと・・・」
春「そんなこと?」
幸「ありました・・・。」
春「もう・・・あんた!なにニヤニヤしてるのよ!あんたが暴力振ろうとしたことには変わりないのよ!幸に謝りなよ」
幸「春・・」
春「は?あたし悪くないですって?根性いれてやろうか小娘!」
幸「は、春落ち着いて!」
春「幸も謝る!ほら!!」
 照明 off
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