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蚕神

ver.1.5

『蚕神』改訂版ver.1.5　<人獣の契りpart.１>　作：白神貴士
【登場人物】

白寶寶(バイボーボー)…白い牡馬　４歳
馬老成…父親(バァバ ba ba)　42歳
馬仙花…娘(シャンファxianhua）　14歳

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■暗闇に映し出される映像…夏の草原で風に髪をなびかせる少女の姿、
　光溢れる川辺でこちらに向かって水を掛け笑いさざめく少女の姿…

♪(『合歓の花が揺れて』映像に重ねて)歌姫の着たドレスのメロディを緩用

合歓の花が揺れて
鳳仙花が揺れて
あなたの髪の毛も
涼風が揺らすよ

あなたが恋しすぎて
言葉にならぬ想い
狂おしく髪を撫で
夕空へ消えるよ
♪

その人の黒い髪に風が戯れる明るい夏の草原を
私はずっと夢見ていました
白い雪が降り積もる冬の間中
暗い馬小屋の中で
飼い葉桶を揺らしながら…

■浮かび上がるシルエットの若い馬
　娘が水を汲んだ桶とブラシを持って近づく。

娘「白寶寶、また飼い葉桶を揺らして遊んでるの？
　　もうすぐお昼ご飯だからもうちょっと待ってね」

■娘、馬の背中にブラシをかけてやる

娘「もう４年になるのね…お前が生まれたのは嵐の夜
　　難産でお前のお母さんはお前と引き換えに天国へ…
　　お父さんはお前が育つのは無理だろうと言ったけど
　　私は絶対に大丈夫と信じてた…山羊のお乳でもね」

■娘の手が止まる。ブラシを置き、馬の首に身を寄せる。

娘「だって…私がそうだったのだもの。
　　私もお母さんを知らない…お父さんがお乳をもらい
　　おしめを替えて一生懸命、育ててくれたの…
　　だから、私もお前を一生懸命育てたの。」

■馬が答えるようにいななく。娘、再びブラシを掛け始める。
　暗転。光が切り替わると幕のこちら側、父親が薬を調合している。
　娘出てくる…何か物言いたげな様子。父親、気が付いて。

父「仙花どうした？何でそんなところへ突っ立ってるんだ？」
娘「…バァバ。あのね…聞きたい事があるんだけど。」
父「何だい？言ってごらん。」
娘「このところ…白寶寶の様子がおかしいの。

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