悪魔のささやき、天使のぼやき

(あくまのささやき、てんしのぼやき)
初演日:0/0 作者:たかはし 凍湖
 

         悪魔のささやき、天使のぼやき

                            作・たかはし 凍湖


 登場人物

 **天使
  善行(ゼンコウ)・・・・・新米天使
  黒田(くろだ)・・・・・・天使の元締め
  宗像(むなかた)コーチ・・天使の教育係
  天1(てんいち)・・・・・天使仲間(男)
  天2(てんに)・・・・・・天使仲間(女)
  天3(てんさん)・・・・・天使仲間(男)

 **悪魔
  翼(つばさ)・・・・・・・悪魔スクールで善行の教育係
  聖子(せいこ)・・・・・・悪魔スクールの代表
  悪1(あくいち)・・・・・悪魔仲間(男)
  悪2(あくに)・・・・・・悪魔仲間(女)
  悪3(あくさん)・・・・・悪魔仲間(男)

 **
  バレリーナ
  黒服の女
  若者

 ********


     舞台中央、黒服にサングラスの男

 黒田  「どうも。天使の黒田です。え?天使には見えない?悪魔みたい?よく言われます。
      言われなれてて、そんな言葉へでもありません。悪魔みたいでも正真正銘、天使です。
      本人が言うんだから間違いありません。天使の黒田です。それよりも最近、悪魔には
      見えない悪魔ってもんが横行しています。中には天使みたいな悪魔だっていますから
      ねえ。人は見かけで判断しない事です。あなたのお隣にいるその親切そうな方も、本
      当は悪魔かもしれませんねえ」

     音楽とともに天使出てきて舞い踊る。
     中には天使には見えないような天使も。
     全体的に黒っぽい衣装。

 黒田  「やめやめやめ〜!」

     全員止まる。

 黒田  「なんだよなあ〜最近の天使は。お前ら絶対天使には見えねえよ」
 天1  「そういう元締めだって」
 黒田  「うるせえ。俺は元締めだからこれでいいんだよ」
 天3  「元締めって言葉が既に天使っぽくないですよ」
 黒田  「馬鹿め。それがいいんだよお。わかちゃいねえなあ」
 天2  「あ〜!元締め、そんな言葉遣うと宗像コーチに怒られますよ」
 黒田  「あははっ。宗像コーチは言葉遣いにうるせえからなあ」

 黒田  「おっ、新人君、元気かね。えっ〜と確か名前は・・・」
 善行  「善行です。善い行ないと書いてゼンコウです」
 黒田  「善い行ないかあ。なんだかすんげえ善人ぽいなあ〜」
 善行  「ダメですか?」
 黒田  「いや、いいよお。天使っぽいじゃん」

 黒田  「ええ〜君達、わかっているとは思うが、君達はまだ半人前の天使だ。んなわけで、
      自分が担当している人間については宗像コーチに随時報告する事。くれぐれも
      行き過ぎた行動はしないように。と言っても、遠慮せずにドンドン活動してくれた
      まえ」

     宗像(むなかた)コーチ登場。

 宗像  「元締め、お疲れ様です」
 黒田  「おっ。お疲れ。じゃあ、みんな宗像コーチの指導のもとしっかり励め〜」
 天使達 「はーい」
 宗像  「あれ、元締め帰っちゃうんですか?」
 黒田  「ああ、俺も忙しいからよお。んじゃ」

     黒田退場。

 宗像  「皆さん今日も元気そうですね。いい事です。顔色の悪い天使なんて最低ですからね。
      えっとお、皆さんの今日の予定は・・・」

     宗像、手に持ったファイルから資料を探す。

 天1  「私は世田谷区、田畑義弘方にて、目覚まし時計のチェックです」
 宗像  「ああ、そうでしたね」
 天3  「なんだ、それ?」
 宗像  「てんいち、みんなにも説明してあげて下さい」
 天1  「はい。田畑氏はただ今バツイチで6歳になる息子の広大君を男手一つで育てており
      ます」
 天2  「知ってる。前の奥さんひどかったもんねえ。パパが育てて正解って感じ」
 天3  「ええ〜そうなの?俺、前の奥さん知らないよ」
 天2  「知らない?あのちょっと綺麗な人」
 天3  「綺麗?うっそ、知らなかった。まじ?」

 宗像  「(咳払い)」
 天3  「すいません。どうぞお話の続きを」
 天1  「明日は広大君の小学校初めての運動会であります」
 天2  「へえ〜あの子そんなに大きくなったんだあ」
 天1  「で、パパは明日朝6時に起きてお弁当を作らないと間に合わない訳なんだけど、それ
      なのに、あのうちの目覚まし時計、たまに狂うんです」
 天3  「狂う?やばいじゃん」
 天1  「だけどそれにパパは気付いていない。だから今日は田畑家の目覚ましをチェックしに
      行かないと。また狂ってるようなら気付かせないといかんしなあ〜」
 天2  「いかんしなあ〜って、それより、明日の朝起こしに行ったほうが早いんじゃない?
      それか目覚まし時計買ってあげるとか?」
 天3  「あ、それいい。手っ取りばやいし。広大君も喜ぶっしょ。キャラクターかなんかつい
      た可愛いやつでさあ。おい、朝だじょ、広大起きろ!とか喋る奴。お前、それくらい
      してやれよ」
 天1  「うるせえなあ。それなんのキャラクターだよ。いいんだよ。これが俺流なんだよお」
 宗像  「言葉遣い!」
 天1  「すみません」

 宗像  「皆さん、いつも言いますが、言葉遣いは気をつけて下さい」
 天1,2,3 「はーい」
 宗像  「目覚ましチェックっていうのは、まあいいんじゃないですか?私はそれくらいがいい
      と思いますけどねえ」
 天1  「ほらあ〜」
 宗像  「次、てんにの予定は・・・」

 天2  「私今日は熊本の空に七色の虹をかけに。レインボウ〜インザスカイです」
 宗像  「ああ。今日はあの日ですか」
 天2  「はい、あの日です」
 天1  「何の日?」
 天3  「何の日?」
 天1、3  「何の日い〜?」
 宗像  「長かったですねえ」
 天2  「長かったです」
 天1  「何が?」
 天3  「何が?」
 天1,3  「なあにいがあ〜?」
 天2  「おめえら〜うるせえんだよお」
 宗像  「言葉遣い!」
 天2  「すみません。もーう、君達うるさいなあ」
 天1,3  「申し訳ございません」
 天1  「で、何の日でございますか?」
 天2  「熊本の振られ男、覚えてる?」
 天3  「ああ、あの酒屋の跡取り息子?」
 天1  「あの人いい人なんだよなあ。どうしてる?振られ続けて早何年って、あれ?いくつに
      なったの?」
 天2  「51」
 天1  「へえーそんなに。親孝行だし好青年って感じなのに、なんでお嫁さん見つからないの
      かなあ・・」
 天3  「やっぱあれかなあ。若い時から、ちょっと薄かったのが?」
 天1  「そんなの関係ないのになあ。人間って馬鹿だよなあ」
 天2  「お嫁さん、見つかったのよお」
 天1、3  「ええーーーーーー」
 天1  「うっそ。やったあ。相手いくつ?どんな人?」
 天3  「可愛い?」
 天2  「48。すっごくいい人。それでね」
 天1  「48かあ」
 天3  「可愛い?」
 天2  「でね」
 天3  「ねえ〜かわいい?」

     天2、困った顔でうなっている。

 天1  「わかった。もうわかった。お前も、もう聞くな。48で可愛くても微妙だろ」
 天3  「わかった。じゃあさ、じゃあさ・・・芸能人で言うと誰に似てる?」
 天1  「もう、聞くなって」

 宗像  「今日が結婚式なんですよね?」
 天2  「はい」
 天1、3  「めでたい!」
 天1  「それでお祝いに虹?」
 天2  「本日、熊本地方豪雨に見舞われておりまして、朝からザンザン降りの雨でござい
      ます。そして、なんと彼はガーデンウエディングを予定しておりましたので、今
      日は青い業務用テントの下での結婚式になりました」
 天1、3  「最悪〜」
 天2  「でしょ?だからね、式が終わる時間に合わせて、せめて虹でもかけてあげよっか
      なあ〜と」
 天1、3  「素晴らしい!」
 宗像  「発想が天使らしくて、とてもいいですね」
 天1  「うん、天使っぽい、天使っぽい」
 天3  「あの人の結婚式なら俺も祝いたいなあ。虹、もう一本かけちゃってよ」
 天1  「俺からも」
 天2  「え〜、じゃあ三本かけてくるねえ」
 宗像  「それは、ちょっとやり過ぎですね」
 天2  「はい。すみません」

 宗像  「で、てんさんは・・」
 天3  「はい。私は奄美のあの」
 天1  「老夫婦の所か?」
 天2  「おばあちゃん、どうかしたの?」
 天3  「あ、」
 天1  「倒れたか?あ・・・もしかして、じいちゃんか・・・」
 天2  「とうとうおじいちゃんまで?」
 天3  「いや、」
 天1  「じいちゃん介護疲れだろ?」
 天2  「がんばってるもんねえ。具合も悪くなるよお」
 天1  「でもなあ、じいちゃんまでとなると」
 天3  「だから」
 天2  「これからどうなるう?ええ〜」
 天3  「俺に喋らせろって」
 天2  「何よ、あんたが早く言わないからあたいらがドンドン喋ってあげてるんじゃない
      よお」
 天1  「早く言えよお」
 天3  「うるせえよ。お前らがすげえスピードでまくしたてっからよお」

     天1 ,2,3もめ始める。
     豹変する 宗像。

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