(キャスト)
コウ  小説家志望の無職。現在23歳。漢字で書くと光。
アカリ コウの幼馴染。同じく23歳。彼女自身は雑誌の編集の仕事をしている。
ライト コウの書く小説の主人公。16歳。ルミエール姫を救うための旅をしている。


(1)
    RPGのオープニングのような勇壮な音楽。
    中央、コウにスポット。
    原稿を読んでいる。

コウ  「彼はその黒い瞳に熱い炎を宿し、遥か道の先を見つめていた。
    真夏の、生命力にあふれた草原の草を思わせる新緑の衣に身を包み、
    しなやかに伸びた左腕の手首に、母の形見である青い布を巻きつけていた。
    そして彼のトレードマークは、その茶色い髪の毛の上に載せた、
    白い鳥の羽を飾りにつけた緑色の帽子だった」

    周囲の照明がつく。
    コウの部屋。
    アカリが座っている。

アカリ 「へぇ、新しい小説の主人公?」

コウ  「そうそう!名前はライト。
    悪の魔王にさらわれたルミエール姫を救うために旅をしてるんだ!
    ……って、アカリ!どっから入ってきたんだっ!」

アカリ 「失礼ね! ちゃんとドアから入ってきたわよ。
    何度呼んでも反応がないから、ドア開けてみたら、鍵かかってなかったのよ。
    一応、入るわよ、って言ったけど。
    コウってば自分の世界に入っちゃって全く聞いてないんだもん」

コウ  「う、確かに。今の今まで気づかなかったとは……。
    アカリが暗殺者だったらオレはとっくに死んでるな……」

アカリ 「まぁ、コウが自分の世界に入ったら周りのことが一切見えなくなるのは、
    今はじまった事じゃないけどね」

コウ  「うーむ、われながら問題だよな……。
    って、そんなことより、アカリ、何しにきたんだ?」

アカリ 「な、何しに、ってことはないでしょ?
    いつまでも夢ばっかり見てるプータローの幼馴染を心配してきてあげてるんじゃない」

コウ  「プータローはないだろ!
    オレはだな、いつか人々に夢を与える小説を書くために、だな」

アカリ 「はいはい、わかってるよ。
    で、新作はできそうなの?」

コウ  「あ……それが……」

    コウ、目をそらす。

アカリ 「うまくいってないの?」

コウ  「オレは、完璧だと思うんだけど……。
    編集の黒崎さんに見せたら、インパクトがない、って言われちゃって」
1/16

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム