YOU
YOU 中島清志 作
〔キャスト〕♀4人 ♂1人
♀ アオヤママイ(中学1年生)
♂ アオヤマユウ(マイの義兄)
♀ クロキヨウコ(マイの実母)
♀ シライサチ(ヨウコの助手)
♀ サイオンジレイカ(女子アナ)
開幕 クロキ生化学研究所の研究室である クロキヨウコ、ファイルをながめながら
ヨウコ「被験体ナンバ−93は、Aが62、Bが25、Cが13・・・ナンバ−94は、Aが56、Bが37、Cが70?・・・おかしいわねえ。」
サチ、紙を持って入って来ると、紙をヨウコに渡して
サチ「ナンバ−95のデ−タが取れました。」
ヨウコ「ご苦労さま。ねえ、ここの数字、間違いない?」
サチ「あっ!・・・これ70じゃなくて7です。」
ヨウコ「そうじゃないかと思ったわ。」
サチ「申し訳ありません。」
ヨウコ「ナンバ−95は?」
サチ「もう死んでいました。」
ヨウコ「やっぱり・・・後でまとめて実験動物のお墓に入れてあげてね。」
サチ「先生。お疲れのようですが・・・」
ヨウコ「大丈夫よ。それより、これでデ−タは揃ったから急いで打ち込んでちょうだい。アオヤギ製薬のプレゼン、あさってだから。」
サチ「はい。」
サチ、パソコンに何か打ち込み始めるが、すぐに困った様子
サチ「すみません。ちょっとここの操作が・・・」
ヨウコ「いいわよ。替わって。」
サチ、席をヨウコに譲る ヨウコ慣れた手付きでパソコンを操作している
サチ「うわあ、すごい!マウスが動いてる・・・あ、死んじゃった。」
ヨウコ「最近のプレゼンは、CG画面でやるのが常識だから、面倒なのよね・・・」
サチ「ごめんなさい。役に立たなくて・・・」
ヨウコ「いいわよ・・・はい、後は大丈夫ね。」
ヨウコ、席をサチに替わる
サチ「私、ホントに先生尊敬してます。」
ヨウコ「私だって駆け出しの頃は、先輩に迷惑かけてばかりだったわ。」
サチ「何でもお出来になるし、この若さで独立して自分の研究所を持ってるなんて・・・」
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