山田病院危機一髪!

 山田病院危機一髪!  中島清志 作   

〔キャスト〕 ♂1人 ♀5人             
                         
♂ イッペイ    (山田病院医師)         
                        
♀ タジマミエ   (山田病院看護婦)        
                       
♀ ヤスコ     (イッペイの母)         
                         
♀ ヨシダトメ   (山田病院患者)         
                         
♀ ムトウマスミ  (女子高生)           
                         
♀ エルザ     (女子高生?)          

     荘厳なクラシック音楽が大音量で流れる中、開幕。
     山田村唯一の病院である山田病院の診察室である。
     1本のサス明かりの中、白衣を着たイッペイとミエが座っている。
     イッペイは音楽に合わせて沈痛な面持ちを見せているが、ミエは何も考えてないような顔で、雑誌を読みながらボリボリ菓子を食べている。
     音楽ゆっくりFO。
     イッペイ、こぶしを握って力みながら重々しく口を開く。                                         
                                                    
イッペイ「21世紀。
     この新しい世紀に我々人類はいかに生きるべきか。
     見るが良い、この愚者たちの群れなす汚された地球を。
     開発の名のもとに母なる大地を切り刻み、己の利便のみを追求する事に汲々として恥じる事のない蛆虫どもよ!
     今こそ神々の鉄槌が下され地獄の業火にて焼き尽くされる時が来たのだ!
     ハッハッハッハッ(格調高く笑う)」
                                                     
     再び大音量で荘厳なクラシックが流れるが、ゆっくりとFO。               
                                      
イッペイ「こんな決めゼリフを聞きながら、ケツを掻くのではない!」          

  ミエ「いいじゃん。
     痒いんだもん。」                       

イッペイ「この芝居は・・・
     ただの病院ものではないのだぞ。」             

  ミエ「誰に言ってんの?」                            

イッペイ「『ナ−スのお仕事』のごとき通俗的芝居と思ったら大間違いだ。」       

  ミエ「ちょっと、『ナ−スのお仕事』の悪口言わないでよ。
     私、あのドラマにあこがれてナ−スになったんだから。」                         

イッペイ「テレビドラマなどにあこがれて看護婦になってどうする。
     私が外科医になったきっかけは、あの名作『ブラックジャック』だ。」                 

  ミエ「マンガじゃない。」                            

イッペイ「手塚治虫大先生の悪口とは聞き捨てならないな。
     ところで、先程から菓子ばかり食べているようだが、それ以上太ってどうしようというのだ。」               

  ミエ「観月ありさだって、いつも何か食べてるんだよ。
     ホラ、○○あげるから。」   

イッペイ「遠慮しよう。
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