ジェノサイド・オン・ザ・スターリ-ナイト
 ジェノサイド・オン・ザ・スタ−リーナイト  中島清志 作  
    
〔キャスト〕♀4人 ♂1人

♀ アジ−タ (少女)                
                           
♀ ティンバ (少女)                
                         
♀ キルチェ (少女)                
                          
♀ サビ−クル(老女)                
                         
♂ 男    (不明)                

     音楽が流れる中開幕 。
     濃いブル−のホリゾント明かりだけ。 
     5人がシルエットに浮かぶ。 
     みんな別々の方向を向いて座っている。 
     しばらく流れていた音楽が途切れると1人ずつ立ち上がっては語り始める。                                     
                                                     
 ティンバ「19世紀は革命の世紀と呼ばれた。
      多くの人々の血が流され、そして新しい国が出来上がった。」                              

 キルチェ「20世紀は戦争の世紀。
      二度の世界大戦。
      核兵器が生まれ、ヒロシマとナガサキに投下された。」                              

サビ−クル「そして21世紀は、テロリズムと殺戮の世紀だった。
      アメリカ同時多発テロで幕を開け、テロリストたちは執拗に大国を攻撃し、大国はそれに報復攻撃をもって応えた。
      憎しみが憎しみを呼び、ついにテロリスト達を根絶するという名目で、1世紀ぶりに核兵器が投下された。」                      

 アジ−タ「しかし、テロリスト達は根絶されなかった。
      殺しても殺しても、それに倍する憎しみに燃えたテロリスト達が次々に生まれた。
      彼らは次第に勢力を強め、ついには核を手に入れた。」                            

    男「22世紀は破滅の世紀。
      第3次、そして最後の世界大戦が勃発した。」     
                                          
     大音響の爆発音と共に、ホリゾントが真っ赤に変わる、
     シルエットたちは皆死んで倒れる。
     1人よろよろと立ち上がって                               
                                                     
 ティンバ「大量の核兵器が投下され、人類は滅亡した。
      それから、気の遠くなるような長い長い年月が流れた。
      空には何事もなかったかのように美しく星が輝いていた。」 

     ティンバ倒れる。
     音楽が流れ ホリゾントは徐々に濃いブル−に変わり、満天に星が輝く。
     音楽が途切れるとかまどの火が輝き始め ホリゾントは朝に変わる。
     シルエットたちは皆起き上がり
                                                     
 キルチェ「遠い遠い未来。
      世界でただ1人の女が、かつて戦乱に明け暮れた国の山奥で暮らしていた。」                                

サビ−クル「彼女が旧人類の生き残りなのかどうか、誰にもわからない。
     そこへ世界でただ1人の男が遠い国から旅してやって来た。」                  
                                                    
     シルエットの男と女、出会って結ばれる。
                                         
 アジ−タ「世界でただ1人の女が、ただ1人の男と出会った。」            
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