砂の城〜彼女が僕に勇気をくれた
砂の城〜彼女が僕に勇気をくれた
〔キャスト〕♂1人 ♀3人
♂ 谷口勇気・・・高校3年生
♀ 谷口勇気・・・小学生
♀ 母・・・・・・勇気♀の母
♀ 女・・・・・・魔女
海の音。
開幕。
基本的に何もないゴミの散乱した秋の海岸である。
上手と下手に1つずつ人1人腰掛けられる程度の小岩。
中央には大きなダンボ−ル箱のゴミがある。
上手から男子高校生がトボトボ歩いて来る。
谷口勇気である。
小岩に座って
勇気♂「あ−あ、とうとうこんな所に来ちまったか。」
海の音。
勇気♂時間を確かめて
勇気♂「そろそろ7時間目が始まる頃か。土曜が休みになっても7時間授業やられたんじゃ意味不明だよ。受験生は早退したくもなるよなあ。」
海の音。
勇気♂あたりを見回すと腰を上げ
勇気♂「うわ、濡れちゃったよ、くそう。」
勇気♂辺りのゴミを見ながら
勇気♂「それにしてもゴミだらけだ。
海水浴客のマナ−が悪いんだよな。
こんなダンボ−ルなんか海辺に捨てるか、普通・・・
うわ、何か鼻がムズムズして来た。」
勇気がクシャミをすると、箱の中から正体不明の恰好をした、年齢不詳の女が現れる。
勇気♂少し驚く。
女「呼ばれて、飛び出て、ジャジャジャジャ−ン!」
勇気♂「あ、あの・・・」
女「あ−らごめんなさい。
ビックリして腰を抜かさないでね。」
勇気♂「そんなにビックリしちゃいませんよ。
どこ見てるんですか。」
女「ハクション大魔王じゃないわよ。」
勇気♂「そんな事言ってません。」
女「アクビだったら良かったのに。」
勇気♂「アクビ?」
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