それは嘘の香りかも
私の友達、嘘が匂いでわかるんです…(女3×男2 30分)
『それは嘘の香りかも』作・岩野秀夫

1 人物
・瀬ノ内もとね(高校3年生の女子)
リケジョ。少し怒りっぽい。

・かお(仮)(高校3年生の女子)
嘘が匂いでわかる体質を持っている。

・高倉(高校3年の男子)
口数が少ない。もとねの交際相手。

・みい子(高校3年の女子)
一途で嫉妬深く、疑り深い。

・火野(高校3年の男子)
浮気性。友達思いの面も。

2 時・場所
10月の夕刻。学校の敷地内。

3 あらすじ
「私の友達、嘘が匂いでわかるんです…」
瀬ノ内もとねは高校3年生。交際相手の高倉が、自分に相談なく進路を
決めようとしており、4月から離れ離れになりそうな状況。
もとねの友人のかおは、ひとのつく嘘が匂いでわかるという特異体質をもって
いる。そんなかおに、高倉がこれからの2人をどう考えているのか、その本心を
確かめるようお願いするのだが、逆にもとねの意外な本心を知ることとなり…。

4 本編
瀬ノ内もとねがスポットに照らされ現れる。
もとね、客席に向かい

もとね「どうも。今日(きょう)は、〇〇高校演劇部の△△公演にご来場
いただき、ありがとうございます。上演の前にちょっと聴いてもらっていいですか。
今日のお芝居の登場人物の一人、あたしの友達のこと話しておきたくて。
結構変わってるやつなんですよ。んふんふ(と笑う)。もう早速紹介しますね」

もとね、上手を見て、かおを手招く。
かお、スポットの中に現れる。
(かお登場後、ゆっくりスポットから舞台全体を照らす照明に変わる。)
かお、ぺこりと頭を下げる。

もとね「友達です。えっと、名前は※※※(←かぶせてかお「ピー!」と言う。)」

もとね、かおを見つめる。

かお「…」

もとね「彼女の名前は」

かお「ピー!」

もとね「名前言っちゃダメ?」

かお「ダメ」

もとね「え、でも、どうすんの?うその名前で呼んだら、その度に匂ってこない?」

かお「…」
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