サボテンとボク
サボテンとボク
少年
サボテン
雨が降る音
舞台明るい
（サボテンの前に少年が座っている）
少年：今日も雨だね〜・・。
サボテン：・・・・・。
少年：天気予報だと明日も雨だってさ。
サボテン：・・・・・。
少年：ボクは嫌いじゃないけどね、雨。
サボテン：・・・・・。
少年：え？サボテンくんは嫌い？どうして？
サボテン：・・・・・。
少年：ジメジメしててイヤ？そっか、きっとボクよりキミのほうが敏感なのかもね。
サボテン：・・・・・。
少年：それにしても、よく降るね。
サボテン：・・・・・。
少年：うん。もうずっと前から降ってる。
サボテン：・・・・・。
少年：え？なんで雨が降るかって？
それは、あれでしょ？地上に溜まった水分がって・・・・。
サボテン： ・・・・・。
少年：え？違う？じゃあ何なのさ。
サボテン：・・・・・。
少年：知らない？なんだ、キミも分かんないんじゃないか。
サボテン：・・・・・。
少年：なんだろうね。・・・考えてみよっか。
サボテン：・・・・・。
少年：・・・・・。
サボテン：・・・・・。
少年：・・・雨、止まないね。
サボテン：・・・・・。
少年：ん？なに？悲しくなってきた？ふふ・・・ボクもね〜・・なんとなく。
サボテン：・・・・・。
少年：もしかしたら、泣いてるのかも知れないな〜・・。
サボテン：・・・・・。
少年：ん？さあ・・・誰だろーね。
サボテン：・・・・・。
少年：うん。でも、きっと、誰かが泣いてるから雨が降るんだよ。
サボテン：・・・・・。
少年：世界の中で、誰かが泣いてるから雨が降るんじゃないのかなぁ。
サボテン：・・・・・。
少年：そうだね。きっと、雨は涙なんだ。
サボテン：・・・・・。
少年：世界中で、毎日、毎時間、誰かが代わる代わる涙を零して泣いてて・・・。きっと、それが雨になるんだ。
サボテン：・・・・・。
少年：だから、いつも雨なんだね。
サボテン：・・・・・。
少年：ボクの涙も雨になるのかなぁ・・・。
サボテン：・・・・・。
少年：きっと、キミのもなってるよ。
サボテン：・・・・・。
少年：・・・ちょっぴり、悲しいね。
サボテン：・・・・・。
少年：ボク、虹が見てみたいなぁ。
サボテン：・・・・・。
少年：うん、分かってる。その時は、一緒に見に行こうね。
サボテン：・・・・・。
少年：・・・晴れないかなぁ・・・明日。
雨の音大きくなりF.O
照明も溶暗
− 幕 −
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