宇摩鹿高校生徒会議事録〜SM事件交錯編〜
舞台は数個の机と椅子が置かれている教室。他四人が座って作業する。
 明転。中央だけ照らす。そこにスタスタと佑太が入ってくる。
 
 佑太「春……それは始まりの季節。年度は変わり、周りの環境も変わり。沈む者もいれば弾む者もいて、千差万別様々な反応を見ることか出来る。しかし今の俺の気分は果てしなく沈んでいた。何故なら!そう!」
 京子「あのー、会長が急に一人で喋りだしましたけどどうしたんですか?」
 龍「ああ、いつもの発作だから放っておいて。コイツ定期的に芝居がかったような変なことしないと死ぬんだよ」
 京子「死ぬんですか!?」
 佑太「死なないよ!!ただ定期的に仰々しい独り言を呟かないと生きづらいだけだよ!!」
 京子「それはそれで面倒臭いですね!」
 
 いきなり立ち上がるあかり。
 
 あかり「ああもう五月蝿い!作業の邪魔なんだけど!仕事もしないのに一人で騒がないでくれる!?それなら出ていって何処かで遊んでて!!」
 佑太「え、いいの?やったありがとうあかり!後は任せた!」
 あかり「いいわけないでしょ!大人しく座ってなさい!」
 佑太「どっちだよ!?」
 龍「まあまあ、二人とも落ち着いて落ち着いて。どうどうどうどう……」
 二人「まあお前(あんた)がそういうなら……」
 京子「あ、素直に座るんですね……」
 龍「喧嘩する割に息はピッタリだよなお前ら」
 凛「……で、結局会長はどうしたんですか?」
 佑太「ん?」
 凛「……いやほら、なんか気分が沈んでてどうとか言ってたじゃないですか」
 佑太「んー……?あ、そうだよ!気分が沈んでるんだよ!例えるならタイタニック並に沈んでる!」
 京子「沈んでるっていうか、沈没寸前じゃないですかソレ?」
 龍「で、何で佑太の気分はタイタニック並に沈んでるのよ?」
 佑太「よくぞ聞いてくれました龍くん。先刻、聡明なる僕はこの生徒会室で事件が起こったことに気づいたのですよ」
 あかり「は?事件?」
 凛「事件って言われても……会長以外は一時間くらい前からここで作業してますけど、その間で何か変わったようなことはなかったような……」
 佑太「甘いな凛ちゃん。事件が起きたのは君たちの来る前……そう、俺が最初にここに来た三時間前から、君たちの来る一時間前までの間なのだ!」
 あかり「それなら起きてても違和感はないけど、そもそも事件って何が起きたのよ?」
 龍「……あー、もしかしてアレか?MSか?」
 京子「え?MS?」
 あかり「あー、MSねMS」
 凛「あの……そのMSっていうのは一体……」
 龍・あかり「饅頭の消失」
 佑太「いや、SMだ。消失の饅頭だ」
 凛・京子「えー……」
 龍「つまり、佑太の饅頭が食べられたってことだよ。この中の誰かに」
 凛・京子「ええっ!?」
 あかり「よくあることなんだけどね、これ。新入生二人は初めてだろうけど」
 凛「よくあることなんですか……?」
 龍「去年は卒業した先輩達が大体犯人だったなあ。こいつ和菓子好きだからさ、だいたい週一くらいで饅頭を五個くらいまとめて持ってくるんだよ」
 あかり「でもこいつケチだからねー、いつもそんなに持ってくるのに少しも譲ってくれないの」
 佑太「そんなわけで、僕の饅頭が先輩によって度々食われてたってわけだ。コイツらも度々食べてたけどな!」
 龍「持ってくるほうが悪い」
 佑太「それは暴論だろ」
 あかり「何も持たず作業に没頭する私たちを見ながら、美味しそー……に食べるのが悪い」
 凛「正論ですね」
 佑太「……さあ、そんなわけで犯人は誰だ!!」
 京子「これ、いつもやってたんですか?(笑いを堪えながら)」
 あかり「いつもやってた(笑い)」
 佑太「だって当然だろう!? 法律上では窃盗に値するんだぜ!?」
 凛「お、お饅頭一個程度でちっちゃい……」
 佑太「ちっちゃくない! 僕の身長くらいちっちゃくないやい!」
 京子「あっ、でも、去年から起きてたってことは私たちは容疑者から外れますよね?」
 佑太「いいや甘いぞっ! 知ってようが知らなかろうが、饅頭を食べることは誰にでも出来る!!」
 凛「実は会長が一人で食べちゃっただけだったりしないんですか?」
 龍「実際、昔からそういうケースもあったなあ。そういう時は決まって榊原先輩に焼きをもらうんだ」
 凛「名前から既に怖そう……」
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