オーディショントゥラ・マンチャ
開幕。
そこは、演劇部部室だ。
さまざまな小道具や装置が所狭しと置いてある。ストーリーには関係ないものなども、雰囲気作りとして置いていても良い。
演劇部員ナナとリサがそこにいる。
暫く、無言の芝居をしても良い。
BGMが掛かったりしても良い。
やがて、口を切るのはナナの方である。

ナナ ・・・うん、やっぱ。
リサ え
ナナ アルドンサは、リサが良い、と思う。
リサ なに。なんで。急に?
ナナ ずうっと思ってた。台本、手渡された時から、ずっと思ってたんだ。
リサ 駄目だよ、ナナ。
ナナ え
リサ ずるいよ。ナナ。そういうのは。
ナナ ・・・
リサ オーディションってのはそういうものじゃないよね。
ナナ ・・・
リサ 出るからには、やっぱり全力だよね。なんとしても、この役を勝ち取りたい、って気持ちで挑むんだよね。
ナナ でも、私は・・・
リサ なに。まさか、周りから出ろと言われたから、出たって?
ナナ(図星・黙る)
リサ でも、良いじゃない、そんな深刻にならなくたって
ナナ え
リサ 誰が選ばれてもさ、たとえ、他のキャストに回ったって、役者ができることには違いが無いし。それに、裏方も含めて、みんなで作るんだから。劇は。ナナ。
ナナ え
リサ こうやって、みんな来るの、待ってるとさ、どうしても、結果のことを考えてしまうよね、
ナナ うん、
リサ 読みあわせしない?
ナナ 台本の?
リサ うん。
ナナ ラ・マンチャの?
リサ うん。

ナナにはやや迷いがあるが。

ナナ じゃあ、オーディションでやらないとこ、なら。
リサ ・・・うん、良いよ、それで。

二人、鞄の中から台本をとり出す。それぞれ、台本は既にぼろぼろ、書きこみも多い。だが、やはりリサの方がそれは多いようだ。

リサ どの場面にする?
ナナ リサが決めて良いよ。
リサ じゃあ、調子に乗れるように、漫才から行こうか、
ナナ あの、
リサ ん?
ナナ 全部の役、読むの?
リサ うん。そうしようよ、だって、まだ、決まってないんだから。何の役が回ってくるか。
ナナ そうだね、うん。
リサ(声をひそめて)それにしても、サ、
ナナ え
リサ 先生には悪いけど、ちょっと、この台本。どうなのかな。
ナナ え
リサ なんかこう、ごちゃごちゃしてて、登場人物も無駄に多いしさ、
ナナ たぶん、ほら、それは先生、気を使って、役者希望の人、全員舞台にあげようとしたんだよね
リサ ・・・だね。それで、一生懸命、一人ひとりにそれっぽいセリフを言わせてみたら、こうなっちゃった、って感じだね。そうか、そういうことだな。
ナナ たぶん、この漫才もさ、必要性は全然ないけど、サトウたちがお笑い好きで、漫才みたいなのやりたい、って言ってたから、だから、わざわざ漫才のシーンを作ったんだよね、
リサ 気を遣いすぎなんだよ。ところで、ぼけとつっこみ、どっちが?
ナナ いやあ、どっちも難しそう、
1/7

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム