ラジオドラマ『思わせぶりカルタ』第4話
『思わせぶりカルタ』 第4話

【登場人物】

♀ 加茂北 希(かもきた のぞみ) :29歳・独身。エビス出版の編集員。酒豪。
♀ 田村 菜月(たむら なつき)  :24歳・独身。エビス出版の事務員。常に鼻にかかった甘えた声で話す。腹黒。
♀ 浅野 万理(あさの まり)   :年齢不詳・独身。エビス出版の経理。お局様
♀ 高橋 柚木(たかはし ゆずき) :24歳・独身・彼氏あり。エビス出版の編集員で社長の一人娘。完璧人間。

♂ 相澤 啓太(あいざわ けいた) :26歳・独身。エビス出版の営業員。気が弱くリアクションが薄い。
♂ 加藤 賢治(かとう けんじ)   :48歳・既婚。エビス出版の営業部部長。世話好きだがスキャンダル好き。解説担当
 ※部長=ナレーション
♂ 内藤 総一(ないとう そういち):34歳・既婚。エビス出版の総務。実況担当。

♂ 殿             :アギタ県の県知事。無類の猫好き。

※その他:キャスター


【思わせぶりワード】

○ふ『ファミコン買ったんだけど、うちに遊びに来ない?』(万理→加茂北)
○う『後ろから“あすなろ抱き”されるのが憧れなの。誰かしてくれないかなぁ〜。』(万理→加茂北)





ナレーション「前回までのあらすじ。
       20XX年、アギタ県の少子高齢化問題を解決するために、
       未婚女性同士で標的の男性を奪い合う“思わせぶりカルタバトル”が開催された。
       結婚を決めたカップルとその勤務先には、県からの多額の支援と助成金が与えられるという。
       29歳独身加茂北希は、事情も知らずに“最強の敵”扱いされた高橋柚木の女子力の前に戦意を失いかける。
       しかし、かつての宿敵、田村菜月、浅野万理が手を差し伸べ、3人は必殺の合体技を繰り出した。
       誰もがバトルの決着を予想した瞬間、標的である相澤啓太が突如として姿を消した。
       相澤を追う加茂北・菜月・万理の三人。はたして加茂北は、感動のフィナーレを迎えることができるのか?」


      12月。
      第1話から続く飲み会会場の居酒屋の外。
      加茂北・菜月・万理の3人は相澤を探して店を出る。
      夜の繁華街の喧騒が聞こえる。
      部長・内藤は離れた位置から見守る形で3人を追い、実況・解説を続ける。


菜月    「…いた!」
万理    「なんだ、別に帰ったわけじゃなかったんだ。」

内藤    「実況担当、総務の内藤です。」
部長    「解説の部長です。先ほど以上にコッソリついてきておりまして、引き続き撮影もしております。」
内藤    「相澤くん、ただ店の外に出ただけだったようです。何をするでもなく、佇んでおります。」

菜月    「相澤先輩〜、こんな所で何してるんですかぁ〜?」
相澤    「え?いや、ちょっと…。」
万理    「加茂北ちゃん、ほら!さっきのをもう一回!同じやつを!」
加茂北   「えぇっ!同じの二回はちょっと…。一旦落ち着いてからアレは恥ずかしいですって…。」
万理    「じゃあ何でも良いから畳み掛けて!」
加茂北   「え、え〜っと…。」
万理    「あぁ、もう!じゃあ、これ使って!」
加茂北   「あ、はい!えっと…“ふ”のカルタ!…『ファミコン買ったんだけど、うちに遊びに来ない?』」
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