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まっすぐな曲線の終点へ

『まっすぐな曲線の終点へ』

登場人物
　桜（サクラ）　　「夢を見る」　生きる人。
　由紀（ユキ）　　「夢を追う」　物知りさん。
　月香（ツキカ）　「夢に酔う」　好奇心七歳。

　　　[音]モールス信号「SOS」
　　　[照]明転
駅。質素なホーム。合計してギリ三人が乗れるくらいの足場（ベンチとか、ドア閉める合図する人の台的なやつとか）は最低限あってほしい。
　　　桜、電車を待っている風。由紀、入ってくる。

由紀　　「電車、待ってても来ないよ。」

　　　桜、自分が話しかけられていると気づかない。

由紀　　「おーい。」

由紀　　「おねえさーん。」

　　　由紀、桜の視界に入る。

由紀　　「ねえねえお姉さん？」
桜　　　「わぁ。」
由紀　　「電車、待ってても来ないよ。」
桜　　　「え？」
由紀　　「だから、電車、待ってても来ないんだって。」
桜　　　「……なに、どういうこと？」
由紀　　「もう何年も前に廃線になったから。」
桜　　　「そんなわけないじゃん。半年くらい前までここから電車に乗って毎日学校に通ってたのよ。」
由紀　　「夢でも見たんじゃない。」
桜　　　「そんなわけない。」
由紀　　「どうして？」
桜　　　「だって……」
由紀　　「だって？」
桜　　　「あれ……」
由紀　　「いるいる、そうやって夢に取りつかれてる人。」
桜　　　「え？」

　　　[音]小さく波の音
　　　月香、線路をゆっくりと歩いてくる。
　　　桜、不思議そうに月香を見る。由紀、気にも留めていない様子。
　　　月香、二人に気づく。

月香　　「あ、由紀、今日もいたんだ。」
由紀　　「ここくらいしか来るとこないから。」
月香　　「そっちは？新入り？」
由紀　　「新入りとかないでしょ。何かの集まりじゃないんだから。」
月香　　「そっか。」

　　　月香、ホームに上がる。

月香　　「で、君は誰？」
桜　　　「あなたたち、何なの？」
月香　　「あれ、まだ聞いてなかったんだ。」
由紀　　「別にいいでしょ、話さなくて。」

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