浩重と三人の彼女
『浩重と3人の彼女』

浩重(ヒロシゲ)
理恵(リエ)
実(ミノリ)
紗希(サキ)

  〇渋谷駅の改札前。
  理恵が一人佇んでいる。
  遅れて浩重が登場。

浩重「理恵、お待たせ。」
理恵「ううん?今来たとこ」
浩重「それなら良かった。…行こうか」
理恵「ええ。」

二人腕を組んで歩き始める。

理恵「ねえ、考えてくれた?」

浩重、ピタッと止まる。

浩重「何をだい?」
理恵「やーね、誕生日プレゼントよ。私の。決まってるじゃない」
浩重「あ、あー…プレゼントね、うん。でも、やっぱり俺の給料じゃ理恵が欲しがってるカルティエの時計なんて無理だよ」
理恵「無理な事ない」
浩重「無理なんだよ理恵。大体、君が欲しがる物はいつだって高すぎるんだ」
理恵「でも、今までは買ってくれたじゃないの」
浩重「おかげで俺は貯金が0だ。理恵の誕生日とクリスマスの為に毎月貯金してボーナスを全額つぎ込んでいる。」
理恵「今年もそうしてよ」
浩重「簡単に言うけどお前な」

  カップルが言い争っている中、グラサンをかけてセレブ風な女の実が現れる。

実「あら?浩重じゃない」

  実、ツカツカと2人に歩み寄っていく。

実「どうしたの?浩重。こんな場所にいるなんて」
理恵「誰?」
浩重「いや、知らない」
実「やだ、私よ。私。実(ミノリ)よ。ほら(グラサンを外す)」
浩重「…すみません、どなたかサッパリ…」
実「何をとぼけているの?ねえ、それより、誰よこの女」
理恵「え?私ですか?」
実「そうよ」
理恵「私は鈴木理恵(スズキリエ)と申します…」
実「ふうん?で?」
理恵「え?」
実「で?あなた、一体浩重の何なの?」
理恵「え?私は…ヒロの恋人ですが…」
実「はぁ!?何を言っているの!?浩重は私の恋人よ!」
浩重・理恵「は!?」
理恵「ちょっと!あなた!どういう事よ!?」
浩重「いや、知らない知らない!こんな人知らない!」
実「ちょっと!浩重!何よこの女!?」
浩重「いや、俺の恋人だよ!俺からしたらお前が誰だよ!!」
理恵「浮気してたの!?」
浩重「してない!絶対にしてなーい!」

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