未観測事件(ver.β)
登場人物
通報者 (男)[通報者]:二十代の男性。一般的な人。苗字「中野」
警察先輩(男)[先輩] :三十代から四十代の男性。
警察後輩(女)[後輩] :二十代の女性。
隣人  (男)[隣人] :二十代の男性。


本編

Scene1

 とあるアパートの一室。時刻は夜の十時。彼はテレビを見てくつろいでいた。

通報者「……やっぱ面白いなぁ。ボーイミーツガールは王道だな」

 そこに、外から悲鳴が響く。

???「うわーー!!」
通報者「えっ!? な、なんだなんだ」

 窓を開けて、悲鳴がした方を見る。

通報者「と、隣の部屋か? あっ!」

 ちょうど、誰かが隣の部屋の窓から逃げるように飛び出し、走り去っていったところだった。

通報者「う、嘘だろ……。やばい、警察に通報しなきゃ」

 彼はケータイを取り出して通報する。

通報者「もしもし、警察ですか? あの、今、隣の部屋から叫び声がして、外を見たら……」



Scene2

 アパートの入り口の前。門に取り付けられた電灯により照らされたスポット。通報者は警察を待っている。そこへパトカーがやってくる。パトカーが停まり、男性と女性が一人、出てくる。雰囲気から、先輩と後輩であるようだ。

先輩「あなたが通報をくださった中野さんですか?」
通報者「はい。あれ、二人だけ、なんですか?」
後 輩「ええ、そうですが。何か」
通報者「あぁ、いや。こういう場合、もっといっぱい人が来るんじゃないのかなって」
後 輩「通常はもっと人は多いのですが。何分、最近は人手が足りなくて」
通報者「なんでまた」
先 輩「ほら、最近、ここいらで空巣が頻繁に起こってますでしょう」
通報者「あぁ、そうか。連日ニュースで報道されてましたね」
先 輩「ええ,、そっちに人手が割かれてしまいましてねぇ。まったく困ったものです……。っと、失礼。では、改めて。状況を詳しく話してもらえますか?」
通報者「はい。会社から帰ってきて、遅い晩御飯を食べつつテレビを見ながらくつろいでいたんです。そしたら、大きな声がして」
先 輩「声は、隣の部屋から?」
通報者「いえ。でも、この辺りはアパートが密集していますから。音が反響してしまって、何処からの声なのかは……」
先 輩「ふむ……。声の出所は分からないのですか」
通報者「はい。でも、声が聞こえてすぐに、窓から外を見たんです。それで隣の部屋を見たら、窓から人が飛び出して」
先 輩「なるほど。分かりました。ご協力感謝します」
通報者「それじゃぁ、行きましょう。二○二号室です」

 通報者は警察を案内すべくアパートの方へ。しかし警察の二人組はパトカーに戻ろうとする。

通報者「……え? ちょ、ちょっと。ちょっと! 警察の人!」

 二人は振り返る。
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