ノッカーアッパーが起こすまで
■タイトル:「ノッカーアッパーが起こすまで」 作:つむぎ日向
■あらすじ
夜の閑静な住宅街。横断歩道を挟んだ二つのバス停。
そこに一人の少女が横たわっている。彼女はその場所で「死にたい」と願った。
しかし彼女が出会ったのは、変わったヒッチハイカーの男。彼は行先の無い旅の途中だった。
横断歩道を挟んで会話をする二人。死のうとする少女と、行先のない男の出会いは何を変えるのか……。
■登場人物 (※役名は仮。本編中には出ませんが、是非名前を付けてあげて下さい。)
・わたし : 女・高校二年生・制服+コートなど
・サンタ : 男・28歳・ニット帽・冬服(厚着)・大きなリュック
(以下、兼ね役可)
・ジェーン: 女・16歳・ヨーロッパ風な格好にハンチング帽・長い棒
性別・名前変更可。
・街人1〜6:男女不問。同じキャストが複数回登場で可。
・男子 :高校生の男の子(性別変更可)
プロローグ
開幕。
暗闇の中。
中央は横断歩道の白い線が描かれている。
横断歩道を挟むように、上手にわたし・下手にサンタが立っている。
わたしは高校の制服、サンタは私服(冬着)。
語り。
正面(客席側)を向いて、サンタから順番に話し始める。
会話ではないが、独り言にもならないように。
わたし 「今の自分は、蝶が見ている夢なのかもしれない。そんな話をした人がいる。誰かは知らない」
サンタ 「きっと昔の偉い人だろう。だが、これが蝶の見ている夢の世界なら、本当にそんな人が存在するのかも分からない」
わたし 「まぁ、それはどうでも良い。でも、これが本当に想像力豊かな蝶の夢なら」
サンタ 「早く起きて、蝶に戻りたい」
二人は横断歩道に目線だけを落とす。
そして変わらずに続ける。
わたし 「この道を渡れば、またいつもの日々が始まる」
サンタ 「でも、この道を戻っても時間は戻らない」
わたし 「融通の利かない夢だな〜」
サンタ 「まあ、所詮は蝶の見ている夢」
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