空間

(くうかん)
初演日:0/0 作者:小林 淳之介
登場人物


成瀬くん



開幕

私:大学ってのは本当に嫌なところだ。思い描いていた理想のキャンパスライフとは大きく懸け離れた地獄。みんな変に大人ぶっちゃってて、すかしてかっこつけてイキり散らかしてる。イキるな、生きろ。
女たち:イェ〜イ!卍ー!
私:死にたいなんて一度も思ったことも無さそうな明るい人たち。
男たち:オッ、オッ、オッ、オッ、オ〜、ウェ〜イ!
私:人生において絶望なんて一度も味わったこと無さそうな人たち。
男:あれ、君可愛いじゃん。一年生?てかラインやってる?
私:携帯持ってないです。
男:へ、へぇ。今時珍しいね。
私:性欲に溺れてる人たち。はぁ、この人たちに生きてる資格はあるのかな。

成瀬:生きるのに資格なんているんですか?
私:成瀬くん、いつからいたの?
成瀬:イキるな、生きろ。くらいから。
私:めちゃくちゃ前じゃん、話しかけてくれたらよかったのに。
成瀬:なんか気分良さそうに叫んでたんで、話しかけるのも無粋かなと思って。
私:そう。お気遣いありがとう。でも生きるのには資格も必要かなって思ってさ。本当に他人に迷惑かけるしかないロクデナシは生きてなくてもいいかもしれないじゃん。
成瀬:ロクデナシでもいいじゃないですか、僕たちは生きていさえすればいいんです。
私:良いこと言うじゃん。ねぇ何してるの、それ。箱馬?
成瀬:はい、今度の劇の大道具です。なんかわからないんですけど作れって言われたんで。後で楽がしたいんで、休日返上していま作っちゃってるんです。
私:すごいやる気だね、あと今日休日じゃないでしょ。
成瀬:役者はそうなんでしょう、大道具は本来休みのはずです。
私:なにそれ、わたし聞いてない。
成瀬:僕だってソチラのスケジュールは知りません。来いって言われた日に来て、作れって言われたモノを作って帰ります。
私:情報共有しっかりしろよ、私みたいな末端の末端の役者まで届いてないのはまだ仕方ないにしても、成瀬くんはサブチーフでしょ?先輩たち何考えてんだよ。
成瀬:恐らく何も考えてないのでしょう。チーフである自分たちだけが理解してればコト足りると思ってるんじゃないですか?
私:経験の少なさ故よね。成瀬くんって高校演劇やってたんでしょ?
成瀬:はい。
私:どこ、どこの県の人なの?
成瀬:東京です。
私:東京?すごいね、レベル高いんじゃない?
成瀬:そんなこともないです。僕の地区はレベルが低かったんで。僕自身も都大会すら行けてませんし。
私:へぇ、私のこと知りたい?

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