イストリゲーム-All man stage-

(いすとりげーむ)
初演日:2019/8 作者:中山ユカ

イストリゲーム-All man stage-

原案/海月-umitsuki-
脚本/中山ユカ

Cast(男7名)
和田月哉(わだつきや)(19)殺人罪。
和田朝陽(わだあさひ)(16)月哉の弟。殺人罪。
逆井勇利(さかいゆうり)(18)自殺示唆。
日野亜偉人(ひのあいと)(19)放火魔。
深川一(ふかがわかず)(17)連続通り魔。
須藤雅弘(すどうまさひろ)(19)ストーカー殺人
福田純(ふくだじゅん)(20)死刑執行人。

?上演規定?
・この台本は2019年8月8日高校演劇サマーフェスティバル(シアター1010)にて、宇都宮文星女子高等学校演劇部が上演した「イストリゲーム」の女性キャストを全て男性キャストに書き換えたものである。
・男性キャストのみでの上演を前提とする。
・セリフの改訂・改稿は不可。セリフのみ台本に忠実に上演すること。
・衣装、小道具、舞台セットは台本通りでなくても構わない。



■ オープニング ■
ロック調のBGM(F.I.)。
舞台には、パイプイスが五脚。
背中合わせに並べられたものが舞台上下に二組、中央にのみ一脚。
(このとき、イスの位置を明確化/象徴化するため、イスの下に大きな円形マットのようなものを敷いて、目立たせてもよい)
中央奥には、人を見下ろせるくらいの高さで組まれている、平台。
あちこちに箱足が積みあがっていたり、転がっていたりする。まるで賽の河原のようにも見える。
服装は、福田以外の者は統一されていて、色味のない、簡素で粗末な印象。
福田以外の六名の首には、小さな木材を組み合わせて作られた寄木のような、ごてごてした、首輪のようなものが取り付けられている。(もしくは、何か目立つ色味の布を包帯のようにぐるぐると巻き付けていても良い)
全員(七名)が四方にうつぶせのまま、倒れている。

須藤雅弘(19)、逆井勇利(18)が目を覚まし、起き上がる。
須藤、周囲を見回し、おかしくなって笑う。


逆井「ここ……どこだ?留置所じゃ、ない……?」
須藤「ふっ、ひひひひッ!」

逆井、耐え切れなくなって話しかける。

深川「何がそんなにおかしい!?」
須藤「(息切れ)ぼくたちは……選ばれたんだ!」
深川「選ばれた?」
須藤「この……ゲームにね!!」
深川「ゲーム?」
須藤「そうだよ!(自らの首輪とイスをみて)わかんないのか!? 噂は本当だったんだ!」
深川「ウワサ……?ま、まさか……!」
須藤「何にも知らないなら……最初に死ぬのはきみだ。(小声で)ぼくはママの力で助かるけど。ヒヒヒッ」
深川「……え」
須藤「すぐにわかるさ。いま、すぐにね」

BGM、大きくなり、全員が起き上がっていく。BGMのタイミングを聞いて以下、群読。

二名「時は二〇三七年」
四名「第三次世界対戦勃発ののち、」
全員「日本は名実ともに荒れ果てた国になった」
上手側「五分に一回、」
下手側「財布がスられ」
上手側「一日三件、」
下手側「誰かが騙され」
中央側「三日に七人殺される」
全 員「犯罪大国、日本!」

言い終わった後、一人は定められたスポットの位置へ。狂気の、始まりである。
一人にスポットライト。

一名「○○演劇部プレゼンツ、All man stage『イストリゲーム』!」
BGM、大きくなり、やがて突然切れると同時に暗転。


■ 1st Game. ■
明るくなる。全員、福田が喋り終わるまで静止。
福田純(20)、中央奥の高台の上に立っている。

福田「罪を、懺悔してください」

福田、去る。以下、福田が去った後のシーンとして続けられる。

朝陽「え? なにそれ。ねぇねぇ、どーいうこと?」
月哉「朝陽、話しかけるな……!」
日野「アホらしいなぁ!『ザンゲ』しろってことだよ」
朝陽「そういう意味じゃなくて、んーっと……」
月哉「なんのために、俺たちはここに集められたのかってこと?」
朝陽「そうそう!」
逆井「裁判なんてとっくの昔に終わっているのに、おかしいですよね」
須藤「裁判とはまた別の制度さ、これから始まるのは」
日野「お、知ってるやつがいるみたいでよかった。話が早え」
朝陽「早く教えてよ!」
須藤「この部屋にはイスがあるだろう?それを、この六人で取り合うんだ」
朝陽「え、それだけ?」
日野「なお、座れなかったやつは死ぬ」
逆井「えぇ!?」
深川「あぁ、主よ……!」
日野「パクられる(捕まる)前に、ウワサで聞いたんだ……この国で増えすぎちまった人殺しのための、最後のチャンスがあるってな」
朝陽「だけど、チャンスなんて、必要?」
日野「いらないなら、座らずに死ぬしかねぇな?だって、ここにいるやつら、みーんな人殺しなんだろォ!」
月哉「そんな言い方するな!!!」
逆井「そうですよ!あなたと一緒にしないでください!」
日野「ハハハ……事実を言ったまでだが?」


福田、話の合間に登場し、何らかの合図。
と同時に舞台上の時間、及び全員の動きが止まる。(このとき、照明S.S.などを用いてちょっと違う空間ですよ感を出しても)

福田「皆さん、こんにちは」

福田、観客席に向かい喋り続ける。

福田「当ゲーム……ではなく、当制度の観覧資格をお持ちになられている皆様で、お間違いないですよね?(客の一人に)今日の倍率、高かったでしょう?えぇ、それはもう、ご好評をいただいております。(他の客に)あなたは、もしかするとオークションからでしょうか?おいくらで……ってこりゃ失礼。……さて。えー、ゲームを始める前に、エントリーメンバーのご紹介、と行きましょうか。(手を叩く)囚人番号004! 前へ!」

深川、前に出てくる。

福田「彼は、あのS区通り魔事件の真犯人!連続で8人も刺し殺しました。というのに、まさかこんなに穏やかな顔の少年だったとは……」
深川「主の御心のままに!」
福田「なんでも某カルト宗教からきたテロリストだそうです。生きる価値なんて微塵もありませんねぇ。次!(手を叩く)囚人番号552! 前へ!」

深川、戻っていき、代わりに須藤、前に出てくる。

福田「この顔は見たことがある人も多いでしょう。交際相手を線路へ突き飛ばしたというあの……!」
須藤「うるさい!全員死ねばいい!!!」
福田「まあ、今回の顔ぶれでは、彼のやったことは、小さい方かもしれません。……罪に大きいも小さいもありはしませんが。次! (手を叩く) 囚人番号063! 前へ!」

須藤、戻っていき、代わりに日野、前に出てくる。

福田「巷を騒がせた連続放火魔です。動機は『火を見ると落ち着くから』」
日野「みんな燃えちまえ!! あっはははははは!」
福田「合計十六人の方が亡くなってるというのに、この態度。人間のクズです。次!(手を叩く) 囚人番号265! 前へ!」

日野、戻っていき、代わりに朝陽、前に出てくる。

福田「こちらも……女性を一人、めった刺しにしてます。……原型を留めないくらいに」
朝陽「気づいたら、刺しちゃってたんだ」
福田「あいまいで非効率的な『精神病』という逃げ道は、大昔に無くなって正解でしたね。さあ、あと二人!次!(手を叩く) 囚人番号781! 前へ!あぁ……こいつは……」


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