ふたりとひとり、雨宿りの猫

(ふたりとひとり、あまやどりのねこ)
初演日:0/0 作者:本間稜
『ふたりとひとり、雨宿りの猫』

登場人物

・蛍 (ホタル):雨宿りに居合わせた女子高校生
・辰巳(タツミ):雨宿りに居合わせた男子高校生
・葵 (アオイ):女子高校生、辰巳の幼馴染

・ナレーション :テレビのニュース音声があります。役者の人数にはカウントしていません。


 二人、雨宿りをしている。が、お互いに面識などはない様子。
 しかし二人とも、ちらちらと辺りを気にしているようだ。

ホタル「……最近、来ませんね」
タツミ「え?」
ホタル「猫ちゃん。最近来ないねー、って」
タツミ「あ、あぁ……」
ホタル「あの、あなたもあの猫ちゃん、待ってるんですよね?」
タツミ「あ、あぁ」
ホタル「やっぱり。雨の日、いっつもここで雨宿りしてますもんね」
タツミ「……君も?」
ホタル「えぇ。あの子も、雨が降るといつもここで雨宿りしてるじゃないですか」
タツミ「そう、だね」
ホタル「だから私も、いつも雨が降るとここに来ちゃうんです」

 間。

ホタル「……雨、やみませんね」
タツミ「今年の梅雨は長そうだよね」
ホタル「本当に」
タツミ「でも、いないよな、猫」
ホタル「来てませんね……」
タツミ「どっか、他の場所でも見つけたのかもね」
ホタル「え?」
タツミ「ほら、例えば……空き地の土管の中、とか?」
ホタル「ふふ、何ですかそれ。今時、土管が転がってる空き地なんかありませんよ」
タツミ「それもそっか」
ホタル「でも、本当にそうだったらいいんですけど」
タツミ「心配?」
ホタル「それは勿論」
タツミ「でもあの猫、首輪してたからなぁ」
ホタル「いっつもこの辺にいるのに、どこの家の子か分からないんですよねー」
タツミ「君も知らないの?」
ホタル「えぇ。って事は、えっと、あなたも」
タツミ「辰巳」
ホタル「え?」
タツミ「俺の名前。龍とヘビで、辰巳」
ホタル「辰巳さん……辰巳さん、ですか。あ、じゃあ。私、蛍って言います」
タツミ「蛍……さん?」
ホタル「ふふ、呼び捨てでいいですよ、辰巳さん」
タツミ「いや君もさん付けして……」

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