童話・オール姫
男 童話「オール姫」
むかーし、むかし ある所に、オール国という全てを備えた国がありました。
女  オール国?
男 オールマイティー。オール国はとても平和な国でしたが、同時にとても不幸な国でもありました。
女  ・・どいう事?
男 オール国は良いことも悪いことも全てあわせ持つ国だったのです。だからオール。そしてその国のお城には「オール姫」というお姫様が暮らしていたのでした。
 「オール姫、オール姫」
 姫のもとに、おもり役のじいやが血相をかえてやってきました。
女  なに、じぃや?
男 「姫、良い知らせと悪い知らせがあります。一大事です、おめでとうございます。」
女  どっち。
男 オール国では朗報も悪い知らせも一切合切だ。
女  どっちから聞いたらいいの?!
男 「ではうまく交互に、実は森の白馬に乗った魔女の王子が姫に結婚の呪いかけておめでとうございます一大事。」
女  ごめん、わかんない!
男 実はー、森のー白馬にー
女  早いからじゃないの。混ぜるからわからないの
男 実は、白馬の王子から姫に結婚の申し出があったのです。おめでどうごさます。
女  やったぁ!
男 実は森の魔女が姫に呪いをかけたのです。一大事です!
女  やだぁ!
男 姫、どうないさますか?どう処理してまいりますか!?
女  と、と、とりあえず写真、写真!!!?
男 どっちの!?
女  魔女な訳ないでしょ!?白馬の!
男 白馬の?!馬のピクチャー?!
女  王子の!!あとどんな呪い、どんな呪がかけられたの!?
男 もうあらゆる呪いだそうです!
女  その人はどんな人、どんな人柄!?
男 いやー、性根の腐った魔女だそうですー
女  白馬の!!
男 馬の!?馬の人柄!?
女  王子の!!
男 良い噂ばかり聞きます。
女  例えば
男 毒リンゴを食べると12時の鐘が鳴った途端、体が親指サイズになり「ヒキガエル」に「かぼちゃの馬車」で誘拐され、金持ちのモグラと結婚させられてイバラの城で永遠の眠りについてしまう。
女  なにそれ!?
男 あ、今届いた魔女の呪いの情報でした。
女  最悪じゃない・・・。
男 呪いですからね。あ、人柄の話途中でしたね。とても大人しく、引っ込み思案な性格のようです
女  王子様なのに・・
男 あ、馬の話です。
女  馬はいいの!
   ・・・ああ、どうしよう、親指サイズで永遠の眠りだなんて・・
男 ここはオール国、姫への呪いも聞いたことがあるような呪いがすべてかけられてしまうのでした。
 するとそこに、この城の女王サマンサがやってくる。サマンサ「話はきいたわ、そんな呪いがかけられては結婚どころの話じゃない。今すぐ魔女を退治しなければ」
女  お母様。ではすぐに魔女討伐の兵を出発させましょう
男 サマンサ「いいえ、あなた自らが魔女を倒さねばその呪いは解けないわ」
女  えっ・・なにその設定
男 「文句があるなら脚本家に言って」
女  おい脚本家!
男 「そんなすぐ言わないの。いい、王子王女が旅にでるのは物語りではつきものよ、ドラクエだってそうじゃない。それとも何、あなた義理の母親だからって、私の意見に文句があるの?」
女  「お母様・・・。」
男 「いいわね」そう言って去っていくサマンサ。じぃやが言う「姫、どうなされますか?奥様はああいっておられますが、殿下に、殿下にご進言いたしましょうか?」
女  いいわ。姫が魔女を退治しなきゃいけないなんて無茶苦茶だけど、それが設定なら仕方がないわ。
男 姫、懐が深い
女  その代り、私「姫役」をおります。
男 えっ
女  さっきから「姫役が受身の展開」。私そういうのしんどいの
男 ええっ。しんどいっ!?
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