幸せの飴ちゃん
幸せの飴ちゃん
 キャスト
 ・語り
 ・がま口の魔人
 ・田中 一郎
 ・ひかり
 ・母
 ・山下部長・父
 ・部下1
 ・部下2


一郎   ふぁぁ〜〜〜。(あくび)
部長   おい!田中!
一郎   はいっ!
部長   頼んだ資料さっさと提出しろ!
一郎   あっ、すみません!まだ、終わってなくて・・・。
部長   なんだと?提出期限はとっくに過ぎてるんだぞ!いい加減にしろ!
一郎   ・・・すみません。
部長   あくびしている暇があったら手を動かせ!
一郎   ・・・はい、すみませんでした。
語り   彼の名前は『田中一郎』。どこにでもいるごく普通の全く仕事ができないサラリーマン。
一郎   ったく、山下部長、なにもほかの社員の前で怒ることないじゃないか。
部下1  また田中君、怒られてたね。
部下2  あれは誰がみたって田中君が悪いでしょ。
一郎   おかげで俺のイメージがどんどん落ちてくよ。あーあ、なんか面白いことないかな〜。
語り   仕事に対して真面目になれない彼は会社での評判も最悪でした。
一郎   うるさいな!
語り   こんな性格ですからもちろん彼女もいませんでした。
一郎   うるさいって!余計な事言わないでくれ!
語り   そんな彼がある日を境に人生がガラッと変わってしまいました。
     いつもの帰り道。
一郎   あっ!そういえば資料まだやってなかったな・・・。まぁいいか。明日朝早く
     起きてやればいいや。
語り   家に着きドアのカギを開けようとしたそのとき、下になにか落ちていることに気付きました。
一郎   なんだこれ?財布か?
語り   一郎が見つけたのは花柄のがま口の財布でした。
一郎   誰がこんなところに落としたんだ?まぁいいや、いくらか入ってないかな〜。
語り   中身を確認しようと財布を開けたそのとき、中から白い煙がもくもく出てきました。
一郎   なんだー!?
魔人   あぁ〜久しぶりに外に出れたわ〜。あら、あなたが私を呼んだのね。
     どうも〜こんにちは〜
一郎   ・・・。
語り   中から出てきたのはどこからどう見ても普通のおばさんでした。
魔人   それじゃあさっさと始めましょうかねぇ。最初の願いことはなにかしら?
一郎   ちょっと待ってくれ!あんた一体何者なんだ?
魔人   私?私は『がま口の魔人』よ。よろしくねぇ。
一郎   『魔人』?『魔人』ってあの、ランプとかから出てくるあの『魔人』?
魔人   そうよ〜。よかったら、飴ちゃんどうぞ〜。
一郎   いらないですよ!
魔人   あらせっかく用意してあげたのに。
一郎   それでその『魔人』さんがなんの用ですか?
魔人   だーかーら、あなたの願い事を叶えてあげるのよ。
一郎   願い事?
魔人   そうよ。あなたの願い事を三つ叶えたら、私はまた『がま口』に戻るの。
     そういう契約になってるのよ。
一郎   雇われてるんですか?
魔人   そんなことどうでもいいから早くしくれないかしら?
一郎   いきなり言われてもな。
魔人   なんでもいいのよ〜。あなた彼女はいないの?あなたのこともっと
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