本物
『本物』
登場人物
・先生[諸星翼]
・担当[今井]
・元担当[元木]
・大ファン[扇ゆかり]
先生の部屋。パソコンや紙の資料が置かれた机、飲み物やお菓子、原稿用紙などが置かれたテーブルにそれぞれ椅子が置いてある。
部屋の背景にシルエットで、先生が包丁を持って元担当に馬乗りになっている。
先生 私は、本物にならなければいけないの！！！
包丁を突き刺すと同時に暗転。テーブルの椅子に座り、悩んでいる先生。
先生 ん〜・・・。
さらに悩む先生。
先生 ・・・、ん〜・・・・。
頭を抱える先生。
先生 んん〜〜〜〜・・・・。
突然、立ち上がり、一人芝居を始める。
先生 『これは悪夢よ！そう悪夢！私たちは悪い夢を見てるだけだわ！』
違和感を感じ再び悩む。
先生 『あなたが全部悪いのよ！全部全部全部！！！だからこんなことになったのよ！』
違和感を感じ再び悩む。
先生 『これよ！これが私の求めていたものよ！！最高の気分だわ！！』
突然、テーブルに置いてある原稿用紙に夢中でなにかを書き始める。
少しして、インターホンが鳴る。気付かず書き続ける先生。
徐々に連打されるインターホン。急に止まり仕事用の荷物を持った担当が部屋に入ってくる。
担当 先生？
書いていた紙を破り違う紙に書き始める。担当には気付かない。
同じテーブルの椅子に座り書いてる姿を見ている。気付かず書き続ける先生。
担当 なにか思いついたんですか？
先生 少しだけね。言わせたい言葉みたいなのを。あー、でもダメだわ！
紙を破り捨てる先生。担当と目が合い。
先生 あら、やだ、いつの間に来てたの？
担当 さっきです。
先生 家に入るときはインターホンくらい鳴らしてよ。
担当 ずっと鳴らしてました！それでも出てこないから入ってきたんです。
鍵開いたままでしたよ？ちょっと物騒じゃないですか？
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