人面〜ヒトヅラ〜

(ひとづら)
初演日:0/0 作者:純真
主要人物紹介
(リーダー)
宗像 (24)グループのリーダー。両親はおらず、児童養護施設で幼少期を過ごす。少年の頃から万引きや飲酒、喫煙を繰り返していた。中学卒業後、松鳳会系の暴力団が経営しているスクラップ工場で働き始める。現在は工場長であり、スクラップ工場はグループの活動拠点になっている。性格は暴力的で冷酷無慈悲。

(副リーダー)
新宮(24)ナンバー2。メンバーに直接的な指示を与える役割。両親は離婚しており、児童養護施設に預けられる。この時、リーダーの宗像と知り合う。その後は祖父母に育てられるが、19歳の時に家出。ネットカフェやファストフード店でその日暮らしの生活をしていた。九州に戻ってきた際、宗像と再会し、現在同居している。性格は宗像同様、暴力的だが、冷酷と言うよりすぐに熱くなるタイプ。宗像に対して厚い信頼を寄せている。

(実働部)
吉川(26)タトゥーショップを経営している。裏ではハーブ取引人の顔を持つ。新宮の高校の先輩。最年長ではあるが、宗像と新宮の力を認め、下についている。性格は明るく能天気。しかし、喧嘩の強さは折り紙つきで、学生時代は喧嘩でほとんど負けたことがない。

田口(24) 元キックボクシング選手、度重なる違反行為によりボクシング界を追放になり、夜の街をふらついていた時、新宮に直接声をかけられ仲間に入った。常人ではとても追いつけないスピードでの攻撃が可能。細身ながら強靭に鍛え上げられた肉体の持ち主。性格は好戦的。キレたら手がつけられない。一度戦いが始まると、相手が意識を失うまで徹底的に痛めつける。

堀内(24) 柔道、合気道経験者、地下格闘技の選手。新宮が関東に行った際、地下格闘技の試合会場で出会う。九州出身であったために意気投合し仲間入りする。主に田口と共に組むことが多い。非常に恵まれた体格をしている。性格は好戦的でプライドが高い。「自分以外全員カス」が信条。

古畑(24)元会社員。飲酒運転とひき逃げでリストラされ、現在はボクシングジムを経営している。大学社会人でラグビーをしており、強靭な肉体と俊足が武器。筋肉バカであり、筋トレに誰よりも熱心に取り組んでいる。性格は快活で明るいが、体を動かすことが至上の喜びであり、卑劣な性格も相まって、人に対して暴力を振るうこともスポーツ感覚で楽しんでいる。

平山(23)祖父母が居酒屋を経営。祖父母と言っても両親はおらず、呑み屋街の住民に育てられた。新宮の地元の後輩であり、店の二階はメンバーの活動拠点の一つにもなっている。性格は陰湿。弱いことが悪いことだと思っており、強いものに対しては媚びるが、弱者に対しては容赦なく手を出す卑劣さを持つ。したがって、弱い者に対する犯罪行為に心の痛みは皆無。

佐田(22)大学生。大学に入学して1ヶ月しかまともに通っておらず、進級も出来ずにいるが、親にはそのことを報告しておらず、仕送りももらい続けている。夜の街で遊びに明け暮れていたところ平山と知り合い、店の常連になる。学生時代にはいじめっ子で、何人かの生徒を不登校に追い込んだ。性格は井上同様陰湿。

(車両部)
松山(22)白のV36スカイラインを所有。年少だが、チーム内での影響力は強い。祖父は暴力団組織松鳳会の会長であり、宗像、新宮とは少年時代からの知り合い。性格は他のメンバーと同様に暴力的。勉強は比較的得意で、大学も卒業している。御坊ちゃま気質で、祖父の組織の後ろ盾もあるため、公然と悪行を行う。

高原(21)白のヴォクシーを所有。地理に詳しく、抜け道や駐車場の位置もほとんど把握している。佐田と同じく現役大学生であり、平日は学校に通い、土日だけ活動に参加している。以前はホストのアルバイトをしており、売り上げ上位に入ったこともあったが、金銭トラブルを起こし、すでに辞めている。性格は穏やか。しかし、二面性があり、家族や知り合いの前では良い人を演じている。心の中では、自分が気に入らない人物は死んでも良いと思っている。

平野(23)黒のシボレーアストロを所有。頭脳明晰でPCに詳しく、ハッキングも行える。ハッカーとしても収入を得ていたことがある。残酷な映像や恐怖映像を見るのが趣味。性格は猟奇的。サイコパスの気質があり、常人では考えつかないことを平気で言ったりする。

(諜報部)
藤島(19)メンバー最年少で唯一の未成年。現役会社員。会社ではロクな上司がおらず、今の生活に嫌気がさしている。スクラップ工場に偶然迷い込んだ際、宗像と知り合い、自ら仲間になりたいと志願する。冷静な性格ゆえ、主に情報収集や尾行などを行う役割を任される。実は父親が警察官である。しかし、自身は暴力行為に対する抵抗はなく、犯罪被害者に対する思いやりも一切ない。




(4月下旬。22:00頃。北九州)
(1人の男が夜の道を歩いている)

どんな生物にでも突然変異がいる様に
人間にもそう言う奴はいる
社会性と共感性の欠落した奴
俺はたまたまそう言う奴
そう言う奴はそういう生き方しか出来ないから
そう言う事をする――
ただそれだけだ。誰にも理解されようなんて、思っちゃいない。

【宗像むなかた:24歳、リーダー】

(しばらく会っていない児童養護施設時代からの友人、新宮に連絡する)

宗像:もしもし。新宮、久しぶり。
新宮:もしもし。突然なんだ。

【新宮しんぐう:24歳、ナンバー2】

宗像:…北九帰って来ねえか。

♯♯♯
(11月下旬。21:00頃。北九州)
(ビルの地下。新宮が風俗嬢である彼女ユキ、本名:咲のもとを後にし、階段を上っていく)
新宮:仕事頑張れよ。
ユキ:ありがとう。ねえ、また来てくれる。
新宮:ああ。じゃあ。
(新宮が地上に出てくる)
♯♯♯
(電車の構内アナウンス)
(駅に電車が停まる。女性が降車し、離れて1人の若者がついていく)
(改札を通過し、若者が新宮に電話をかける)
藤島:もしもし、藤島です。今八幡の改札出ました。タクシー乗り場も素通りしました。いつも通りです。

【藤島ふじしま:19歳、会社員、最年少幹部】

新宮:了解。バス通り沿いで良かったよな。
藤島:はい。ファミマのある通り沿いに来てください。
新宮:わかった、ご苦労。高原に連絡するわ。とりあえず尾行続けてくれ。
藤島:分かりました。失礼します。
(新宮がメンバーの高原に電話をかける)

(高原、その他のメンバー平山、佐田が乗った車がスーパーの駐車場に停まっている)
高原:はい、もしもし。高原っす。

【高原たかはら:21歳、現役大学生、車両担当】

新宮:あーもしもし、例のキャバクラの女子大生、予定通り来たらしい。駅前のコンビニがある大きい通り沿いだ。コンビニにでも停めて行ってくれるか。
高原:はい、でもコンビニだと防犯カメラあると思うんすよね。
新宮:あー。なんかいい場所あるか。路駐しかないか。
高原:空き地ならありますね。短時間であれば大丈夫だと思います。
新宮:そうか。今そっち誰がいる。
高原:平山さんと佐田さんが乗ってます。
新宮:よし、わかった。それで行ってくれ。
(スーパーの駐車場から車が出ていく)
♯♯♯
(ゲームセンターの前で男2人組がナンパしている)
男1:あの、すいません。お姉さん、今時間ありますか?
女性:あ、いや、ないです。
男2:ちょっとだけでも、無いですかね。
女性:いや…。
男1:今から食事っすか?飲み行くんっすか。
女性:友達と合流します。
男2:まじかー、じゃあそれ終わった後でいいんで、連絡先だけ交換してもらえません?
女性:ええ…、でも彼氏がいるんですよね。
男1 :まじっすか、じゃあまずは友達関係でいいんで、お願いします!
(タトゥーを入れた厳つい男が2人歩いてくる)

田口:大丈夫っすか?なんだお前ら、今から飯行くんか。一緒行こうか?

【田口たぐち:24歳、元キックボクシング選手、恐喝担当】

男2:い、いやぁ…。
堀内:どしたん?行こうぜ。ちょうど俺らも腹減っとるけ。

【堀内ほりうち:24歳、地下格闘技選手、恐喝担当】

田口:ノリ悪いやんかー食い行こうぜ。
男1:いやちょっとこれからちょっと予定があって…。
堀内:あ?じゃあなんで今女の子たち誘いよったん?おかしくね?
男1、2:…。
田口:答えろやコラ!(ボディに一発入れる)
男1…!
男2:すいません!(走って逃げる)
堀内:ちょい待てや!(追いかけ、捕まえる)
田口:変な奴もいますね。帰り歩きっすか?送りますよ。
女性:ありがとうございます、大丈夫です。ちょっと遠いんでタクシーで帰ります。
(女性がタクシー乗り場に走っていく)
堀内:っち。

♯♯♯
(高原たちが空き地に車を停める)
(高原が藤島にメッセージを入れる)
高原:(着いた)
(藤島が歩くペースを落とし、電話をかける)
藤島:もしもし、高原さん、どこいます?
高原:病院前の信号の先の空き地。
藤島:あーなるほどですね。分かりました。50メートルくらい手前ですね。もうすぐ姿見えると思います。
高原:どう行けばいい?
藤島:左側通ってるんで、左側に渡って来てもらって、二階建てのアパートあるんで、そのその辺の道で待っててもらえますか。
高原:分かった。(電話を切る。後ろに座っている2人に話しかける)藤島から連絡で、反対側の道らしいです。渡ったら、あの二階建てのアパートの裏くらいに入ってください。
平山:おう。おい、お前先攻後攻どっちがいい。

【平山ひらやま:23歳、居酒屋店員、恐喝担当】

佐田:そうっすね…、じゃあ俺最初行きますわ。

【佐田さだ:22歳、現役大学生、恐喝担当】

平山:俺は一本先の通りから顔出すから、早くやれよ。スピード勝負だぞ。
佐田:大丈夫っすよ。
(平山と佐田が車を降り、反対側の歩道に行く)
(佐田がアパートの手前に潜む)
(女子大生が通り過ぎる。佐田が大きく深呼吸をし、すぐ後ろからついていく)
(女子大生が気配に気づき、速足になる)
(佐田がナイフを出し、女子大生の前に回り込む)
佐田:ちょっとお姉さん、お金持ってるかな?
女子大生:は!
佐田:大声出すな。言うこと聞いたら手出さねえから。
(女子大生が走り出す)
佐田:おい!
(前の通りから平山が出てくる)
平山:どうしたんすか。
女子大生:(佐田を指差して)あの人が!
(佐田が逆方向に走って逃げる)
平山:もう大丈夫です。危なかったですね。こんな夜道、1人じゃ危ないですよ。今は変な奴が多いですからね。家はもうすぐですか?
女子大生:は、はい。
(女子大生のアパートの前まで来る)
女子大生:ありがとうございました。もうここで大丈夫です。
平山:いいですよ、最後まで送りますよ。
(家のドアの前まで来る)
女子大生:え。
(平山が女子大生に銃を向ける)

(車の中。高原が運転席、藤島が助手席に、佐田が後部座席に乗っている)
高原:佐田さん、なんなんすかあれ。簡単に逃げられてるやないですか。女子大生っすよ相手。
佐田:うるせえわ。大変なんぞ、やる方は。
藤島:あ、帰って来ましたね。
佐田:出口潰した銃でも、それ自体は本物だからな。松山のじいちゃんのとこから手に入って良かったよな。
(3人が車の外を見る)
(井上が奪い取った金を持って戻ってくる)
(車が走り出す。信号が黄色に点滅している)

♯♯♯
(ゲームセンターの裏。田口と堀内が先程の男2人を甚振っている)
男1:もうなんなんすか、やめてください!
田口:あ?だから食事行こうぜって言ってるんだよ。腹減ってんだからよ。
男2:お願いします、許してください!
堀内:じゃあ飯代払えや!
男1:ええ…。
田口:え、じゃねえだろ!(さらに強く殴る)
男2:今お金持ってないんですよ!
堀内:うるせえなじゃあ下ろせや!
男1:分かりました、払います。
田口:なんだ、持ってんのかよ、最初から言ってくれよ。
(男1が財布からお金を出そうとする)
堀内:貸せ。(財布を奪い取り、札を全て抜き取る)ほい、返すわ。
田口:てめえも払え!
男2:すいません、俺、本当に持ってないんです。(財布の中身を見せる)
田口:しゃあねえな。謝ったら許してやるよ。
男2ありがとうございます、申し訳ありませんでした。(頭を下げる)
田口:なんだそれ。違うだろうが!(頭を掴んで無理やり座らせる)
男2:申し訳ありませんでした!(泣きながら土下座する)
(田口と堀内が路地から表通りへ出てくる)
(仲間の松山が車で迎えに来ている。2人が車に乗り込む。)

松山:お疲れっす。あら、女の子は連れてこれんやったすか。

【松山まつやま:22歳、暴力団組長の孫、車両担当】

堀内:馬鹿か。
(メンバーを乗せた2台の車が夜の街に消えていく)
(街は何事もなかったかのようにいつもの空気を取り戻す)

♯♯♯
(22:00頃)
(グループのリーダー、宗像のスクラップ工場の駐車場)
(この工場で宗像と新宮は2人で生活している)
(先に集まっているメンバー平野の車、黒のシボレーアストロが停まっている)
(事務所の中。平野と動いていた吉川と古畑がソファーに座っている。平野がカウンターの椅子に座りパソコンの画面を見ている)
(吉川がタバコに火をつける)
吉川:古畑、そこのコーヒーとっちゃらん?

【吉川よしかわ:26歳、タトゥーデザイナー、ハーブ売人、恐喝担当】

古畑:いいっすよ。あれ、右腕のタトゥー、増えてません?マリア様入ってんじゃないっすか。

【古畑ふるはた:23歳、ボクシングジム経営、恐喝担当】

吉川:おう、ちょっと物足りんやったけ、入れた。
(古畑が立ち上がり、カウンターにコーヒーを取りに行く)
古畑:うわ、お前また何見てんだ。
平野:面白動画です。

【平野ひらの:23歳、サディスト、車両担当】

吉川:ふ、面白動画げな。叫び声聞こえるやんか。
古畑:お前よく平気でそんな動画見れるな。あ、どうぞ。ブラックでいいっすか?
吉川:ああ。それなんの動画なん。一応聞くけど。
平野:海外の拷問の映像です。有名なやつっすよ。多分みんな知ってるやつです。
古畑:ん。(画面を覗き込む)あーそれ画像で見たことあるわ。

(リーダーの宗像が工場の駐車場を歩いている)
(宗像が事務所の引き戸を開け、中に入ってくる)
宗像:高原から連絡があった。他のやつらはうまくいったらしい。
古畑:おお、まじっすか!畜生、俺らだけか、しくじったのは。
宗像:吉川さん、言ってたやつ、ありますか。
吉川:あ、そやったね。あるよ。
(上着の内ポケットからハーブを取り出し、宗像に手渡す)
宗像:あざっす。

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