金色の青い鳥

(きんいろのあおいとり)
初演日:0/0 作者:海月
♪静かながらも少し荒々しいピアノ

雨美「立ち止まる脚(あし)を無視して地球は廻り」
ルイス「振り返る背中は未来(さき)を見ず」
雨美「途方に暮れたかと思えば」
ルイス「何もかも諦めたような眼差しを送る」
雨美「気付けばこの世に絶望していた」
ルイス「気付けば独りになっていた」
雨美「どれだけ世界が美しくても」
ルイス「どれだけ時を刻んでも」
雨美「私たちの前では何一つ無意味で」
ルイス「何一つ変わらなかった」
雨美「だから、私達は叫ぶんだ」
ルイス「叫ぶように歌うんだ」
2人「ピアノの旋律に乗せて」
雨美「矛盾だらけの2人は、出会った」

「出会った」のタイミングでルイスは雨美の方を見る

ルイス「………誰?」

「誰?」のタイミングで雨美はルイスの方を見る

雨美「え?」

照明切り替わる

雨美「もしかして私のこと?」
ルイス「いやアンタ以外いないんだけど」
雨美「会話が通じてる。これは偶然?」
ルイス「偶然なわけねーだろ」
雨美「じゃあ奇跡?」
ルイス「俺は“奇跡”なんてもんは信じねぇ」
雨美「わぁ通じてる、すごいすごい!」
ルイス「おちょくってんのかテメェ!?」
雨美「喜んでるの!」

雨美、ルイスの方に向き直る

雨美「改めましてこんにちは!」

ルイス、ぎこちなく会釈する

雨美「初めまして。私は野々山雨美、幽霊です☆!」
ルイス「………は?」
雨美「あっ間違えた。正確には、“この音楽室に取り憑いている幽霊”…です☆」
ルイス「いや変わんねぇだろ」
雨美「変わるわよ!ただの幽霊じゃなくて、この音楽室だけ。ちょっと特別な幽霊なんだから…って、あなた全然驚かないのね」
ルイス「あーまぁ…見慣れてるし」
雨美「霊感強いのね!」
ルイス「最近は無かったんだけど…そっか、この学校古いんだな」
雨美「…何で分かるの?」
ルイス「新しい学校にはあんまいねぇ。いるのは創立50年以上の学校くらいだな。前の学校は創立5年だったからか、いなかった」
雨美「前の学校?」
ルイス「今日転入してきたんだよ」
雨美「まだ朝の6時よ?」
ルイス「…早く着きすぎた」
雨美「早く着きすぎたって…HRは8時40分からでしょ?まだ2時間以上前よ?時間間違えたってことはないと思うんだけど…いくらなんでも早過ぎない?」
ルイス「う、うるせぇな…」
雨美「(笑って)あなた変な人ね。名前は何て言うの?」
ルイス「…木島」
雨美「木島?」
ルイス「木島だよ」
雨美「名前は?」
ルイス「……木島」
雨美「木島キジマって言うのね!素敵な名前」
ルイス「は!?」
雨美「どうしたの、キジマくん」
ルイス「お前それ本気で言ってんのか?」
雨美「それ?」
ルイス「“木島木島”が素敵な名前って」
雨美「本気だけど、それがどうかした?」
ルイス「なんで。変な名前だって思わなかったのか?」
雨美「どうしてそんなこと思うの?」
ルイス「どうしてって…」
雨美「どんな名前でも、ご両親が沢山考えてつけてくれた名前だわ。他人が笑う権利なんて無い」
ルイス「…変なやつ」
雨美「そんなことないわよ、他の人と違うのは“幽霊”ってことぐらいだもの」
ルイス「(笑って)それはそうだな」
雨美「…笑った」
ルイス「なんだよ…」
雨美「笑った顔の方が全然良い。私好きよ」
ルイス「…そーかよ」
雨美「私本当に嬉しいの。私のこと何となく見えた人はいるけど、ここまでハッキリと声が届く人はいなかったわ」
ルイス「ふーん」
雨美「あ、どうでもいいって思ったんでしょ」
ルイス「…バレた?」
雨美「ひどぉい!」
ルイス「冗談だよ」

雨美、堪えられなくなったように思い切り笑う

ルイス「な、なんだよ…」
雨美「あぁ楽しい。こんなに楽しい時間を過ごすの、久しぶりだわ」
ルイス「死んだから?」
雨美「…随分とストレートな物言いね」
ルイス「わ、悪ぃ」
雨美「別に、気にしてないわ」

無言
ルイス、沈黙に耐えかねて口を開く

ルイス「…お前は…どうしてこんなところにいるんだ…?」

雨美、ハッとしたようにルイスを見る
ルイス、少しビビる

雨美「…そう、そうなの、そこなのよ!」

ルイス、雨美の勢いにビビる

雨美「気になるでしょ?私もすっごく気になるもの!!」
ルイス「は…?」

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