かぐや姫と桃太郎
かぐや姫と桃太郎

かぐや姫(ナレーション兼務)
桃太郎




山の中に爺ひとり。

ナ「昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。」
ナ「ある日おじいさんは山へしば刈りにおばあさんは川へ洗濯に行きました。」
爺「よーし今日もせっせと働いておばあさんにおいしいものを食べさせてやるぞ!」

生えている木をじっと見て、鼻で嗅ぎ、頬ずりをして品質を確かめる爺。

爺「うーん・・・・この香り!そして手触り!この木もまさに良い木!今日のワシも絶好調!」

いったん斧を取りにはけてから舌なめずりをしつつ勢いよく戻ってくる。

爺「よっしゃあ!!!切るぜぇぇえ!!!!!」
ナ「ちょっとまってぇええええ!」
爺「うわ!?何だ今のは?」
ナ「なんかイメージと違うんですけど!!」
爺「え?いめーじ??いめーじってなんだ?」
ナ「なんかもっと落ち着いた感じで芝刈りをしてると思ったら・・・なんなんですか、あなたは!?」
爺「おまえこそ誰だ!?ワシに話しかけているのは!?」
ナ「おじいさん。あなたは芝刈りをしに来たんじゃないんですか?」
爺「???そうだぞ。ワシは柴刈りをしにきたんだ」
ナ「それなのにこんな自然豊かな森林を伐採しようなんて・・・月に変わっておしおきです!」
爺「おまえは馬鹿か!」
ナ「馬鹿とは失礼な!」
爺「木を切らなきゃ柴刈りできないだろうが!」
ナ「え?芝刈りですよね?」
爺「お前さては柴刈りしらねえな?」
ナ「知ってますよ!!ガーデニングのことですよね!?」
爺「がーでにんぐ?がーでにんぐってなんだ?」
ナ「手入れのことですよ!おじいさんはこの山の手入れをしていたんでしょ?」
爺「おまえ、そんなことしてワシはどうやっておばあさんを食わしていくんだよ?」
ナ「・・・・・たしかに」
爺「いいか?おまえがいったい何を勘違いしてるのかはしらねぇが、柴刈りってのは薪集めのことだぞ?」
ナ「え?薪集め?」
爺「そうだ。」
ナ「薪集めってのは燃料になる・・・あの?」
爺「そうだ」
ナ「へぇ〜〜!知らなかった!!」
爺「ほら!しらねぇんじゃねぇか!」
ナ「いやいやこの話における柴刈りって薪集めのことなんですね!昔からずっとなんでこの爺は芝なんか刈ってるんだろうなと思ってたけど・・・薪割りね!これは勉強になるわ!」
爺「この話における?おまえはいったいさっきから何を言ってるんだ?」
ナ「いやいや・・・あまりにも聞いていた話しとかけ離れていたので驚いて話しかけてしまっただけの話しですよ。もともとはクロスオーバーすることのない二つの話・ふたつの運命・・・。あなたは気にせず家に帰りおばあさんの桃を待ちなさい。」
爺「すげぇ気持ち悪いなこの森・・・こんなもののけがいるなら封鎖してもらうようにお侍さんに頼まないと」
ナ「ちょっと待ってちょっと待っておじいさん!」
爺「こんどはなんだ!」
ナ「いきなり封鎖とか訳分かりませーん」
爺「いきなり話しかけてきたのはそっちだろうが!」
ナ「封鎖なんてことになったら私見つけられなくなっちゃうじゃないですか!」
爺「見つけられなく?おまえが正体かくしてワシにこんな気持ちの悪いことを体験させているんじゃないか!」
ナ「それはいまがそのときじゃないから仕方なく!」
爺「ワシはなんかもう驚き過ぎて今は平気だけど、この怖さは後からじんわり来る怖さだからな!こんなこと、もう二度とおきてたまるものか!」
ナ「くそー!しくじったぁ!柴刈りの真実を知るにはあまりにも大きすぎる代償だったぁ!」
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