捨てるモノ、飾るモノ

(未上演短編)

(すてるもの、かざるもの)
初演日:0/0 作者:仲原時雨丸
捨てるモノと飾るモノ

    登場人物

    御曹司
    女子アナウンサー
    チーフカメラマン
    音声マン

    何もない空間。
    全ては無である。
    或いは、煌びやかな豪邸、或いは邸の一室。
    御曹司をインタビューする女子アナウンサー。
    チーフカメラマンは二人を撮影し、音声マンも二人の声を録音している。

女子アナウンサー(以下アナ) この度は、一代で名と財を成した、著名人、成金金持    氏のご子息であらせられる、成金一代氏にお話しを伺いたく、お邪魔させて頂い  ております。
御曹司   宜しくお願いします。
アナ   こちらこそ。そういえば先だって、お父上であらせられる、金持氏が亡くなられ、  事後処理が大変だったと伺っておりますが。
御曹司   そうですね、あれだけの財を成した人ですからね。預金、土地、美術品、会社な  どの後処理にてんてこ舞いでしたよ。
アナ   そうでしょうね。ついては、二代目として今後は金持氏の後を継がれると思いま  すが、今後の展望などおうかがいできればと。
御曹司   ありません。
アナ   そうですか、やはり金持氏の路線をそのまま引き継ぐ。
御曹司   いえ。それも。
アナ   では、今後は。
御曹司   出直しです。一から。
アナ   ご立派です。偉大な父の後を安易に追わず、自らのやり方を模索すると。
御曹司   はい。父は父、僕は僕ですから。
アナ   その謙虚さ、期待が持てますね。私、一代氏のその言葉に感銘を受けます。それ  どころか。もう、本当に。素晴らしい。

    チーフカメラマン、アナウンサーにテロップを見せる。

アナ   失礼、一代氏の余りの好漢ぶりに私、興奮してしまいまして。申し訳ございませ  ん。
御曹司   いえいえ。
アナ   では、今後はどのような部分からお始めに。
御曹司   はい。一から。
アナ   いえいえ、それは先程伺いました。どの事業から、取り組まれるご予定かと。
御曹司   無いですよ。予定。
アナ   ご冗談を。
御曹司   冗談じゃありません。私、すべて手放しましたので、いうなれば裸一貫からとい  う事です。
アナ   は?いえ、そういった気概で、事業を。
御曹司   いえ、何度もご説明していますけど、事業は父を支えてくれた側近達に、また財  産は使用人やお世話になった方、或いは寄付を。また美術品なんかは国内や世   界の美術家に寄贈しましたよ。
アナ   では、文字通り。

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