マッチ売りの乙女たち

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初演日:0/0 作者:元伝戯天
「マッチ売りの乙女たち」         作  元伝戯天

マッチ売りの少女     不幸(?)だけど勝気な少女
マッチ売りの熟女     マッチ売り25年のベテラン。マッチを売らせれば右に出るものはいない
通行のOL        男女問題でトラブル(?)を抱えた女性
ヤクザ風の男       意外に優しい(?)ヤクザふう
マッチ売りのゴッドマザー 伝説のマッチ売り

     寒い風の吹く中、マッチ売りの少女がいかにも不幸そうにマッチを売っている

少女 :マッチはいかがですか?マッチはいかがですか?…誰も買ってくれない。私はマッチ売りの少女。優しいおばあちゃんが死んでひとりぼっち。寒くて心も身体も凍ってしまいそう。(マッチを見つめながら)売り物だけど、一本くらいならわからないわ。少しだけ身体を温めようかしら…。

     熟女下手から登場。元気よくマッチを売っている

熟女 :ええーマッチはいかがですかー。マッチ、マッチはいかがですかー。そこのきれいなお姉さん、安くしとくよ〜。一箱いかが?はい。毎度あり〜。お、そこのジャニーズ系のお兄ちゃん、このマッチ持ってたらさらに女の子が寄ってくるよ〜。どう?え、二箱買う?さすがいい男は違うねえ!はい!毎度あり〜。
少女 :あの人は、マッチ売りの熟女!マッチ売り二十五年のベテラン!マッチを売らせたら右に出る者はいないと言われているプロ中のプロのマッチ売り!よりによってあの人の縄張りまで来ちゃった!私のバカ!
熟女 :あら、「マッチ売りの少女」じゃない。こんなところで何をしてるの?まさか私のしまでマッチを売ろうなんてしてないわよね?
少女 :これはこれはマッチ売りの熟女さん、こんにちは。まさかそんなわけありませんわ。ちょっと近くまでパンを買いにきたんですよ。
熟女 :ふ〜ん…。そのカゴ、ずいぶんマッチのにおいがするパンだこと。
少女 :ああ、そうですか?気付かなかった。(乾いた笑い)ははははは。
熟女 :まあいいでしょ。どうせあなたには一箱はおろか、一本さえ売れないでしょうからね。
少女 :それはどういう意味?
熟女 :あなたみたいな小娘がマッチを売るなんて十年早いってことよ。
少女 :はあ?そっちこそいつまでも熟女やってないで、さっさと引退したらどうですか?お・ば・さ・ん。
熟女 :あら、言ってくれるわね。さっきまで売り物に手をつけて温まろうとしていたあなたが。
少女 :!見てたの!?
熟女 :「マッチ売りの少女がマッチをすると、死んだおばあさんが見えました。おばあちゃん!私も連れてって!と言いながら翌朝凍死体でみつかったとさ。ああ、陰気くさい話!」
少女 :なに?その絵本を読みながらのような上から目線の言い方!
熟女 :所詮、不幸しか売り物がないあなたに、マッチが売れるわけがないのよ。あなたはマッチが何たるかをわかっていない!
少女 :マッチはマッチ、火をつける道具に決まっているじゃない。
熟女 :そこが小娘の限界。よくお聞き!マッチはね、人生そのものなのよ!(BGMイン)箱とマッチがすれ違うその一瞬で、燃え上がる情熱、怒り、憎しみ、嫉妬。それはやがて大きくふくれあがり、やがて自分自身も燃やしつくしてしまう…。
少女 :この人、いっちゃってる…。今のうちに逃げよう。
熟女 :わかる?
少女 :いいえ、わかりません。わかりたくもありません。
熟女 :いいわ。せっかくここまでたどり着いたのだから、私が直々に勝負してあげる。
少女 :なぜその展開?
熟女 :今から一時間以内にどちらが多くのマッチを売るか。もし万が一あなたが勝ったら、私のしまで自由にマッチを売っていいわ。ただし、負けたらそのカゴのマッチ、全部もらうわよ!

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