エレベーター
「エレベーター」
□登場人物□
・木村 俊一（きむら しゅんいち）
・澤山 結菜（さわやま ゆな）
・大島 雄大（おおしま ゆうだい）
開幕。
舞台中央、エレベーターの中には、鞄を持った木村が立っている。
木村 （辺りを見回し）…よし。
木村はエレベーターのボタンを押す。
ゴウン、という音と共に、エレベーターの周りの舞台は暗転し、エレベーターの中の狭い光が射し込む。
やがて、エレベーターが止まったようで、チン、という音と共に、舞台全体が明転する。
エレベーターの傍に、澤山がいる。
木村 わっ…！
澤山は、俯いたままエレベーターに乗り込む。
木村 …びっくりした…。
澤山が乗り込むと、木村はボタンを押す。
ゴウン、という音と共に、エレベーターの周りの舞台は暗転し、エレベーターの中の狭い光が射し込む。
木村は上を向いて、現在地を示す電光掲示板を眺めているが、澤山はずっと俯いたまま。
そんな彼女が気になり、木村はちらちらと様子を伺う。
その時、エレベーターが大きな音を立てる。揺れるエレベーター内。
木村 うわっ！？
暗転。
エレベーターの照明F.I。
尻餅をついている２人。
木村 あっ…点いた。びっくりしたぁ…。
木村は立ち上がり、澤山に手を差し伸べる。
木村 大丈夫ですか？
澤山は黙って手を受け取り、立ち上がる。
彼女を立たせると、木村はボタンの方へ向かい、めちゃくちゃに押し出す。
木村 くそっ、どうしたんだよ？動けよ…。
そんな中、木村は緊急連絡用のボタンを見つける。
木村 …あっ、これか？（ボタンを押して、それに向かって叫ぶ）すみませーん、エレベーター止まっちゃったんですけどー。あのー？
返事はない。
木村 ……何だよ、ホントに聞こえてんのか、これ？
木村は澤山を振り返る。
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