子の子子子の子
子の子子子の子(このこここのこ)

ソラ……主人公、男
女……OL
シロ……ソラの後輩にあたる
老婆……女が年を取った姿
孫……老婆の孫、ほとんど出ない(男女不問)



雨の中
ソラが壁にもたれかかって座っている。
女、通りかかる
女、ソラに気づくと前まで行ってしゃがみ傘を差しだす
ソラ、顔を上げる
女「うち、きます?」

暗転

ドアの開く音
女「ただいまー」
ソラ「おぅおかえり」
女「はぁーつかれたぁ」
ソラ「今日はまたえらくボロボロだな」

ソラに抱きつく女

女「ねぇー聞いてよーソラぁー今日も部長がねぇー部長がねぇー!」
ソラ「わかった、わかったから離れろ、鬱陶しい」
女「あぁーソラが冷たいー」
ソラ「ほらとっとと夕飯作らないといつものドラマ間にあわねぇぞ」

女ハッと気づいたように

女「あ、もうこんな時間か、急がなきゃ!」

離れてはける女
逆から入って来るシロ

シロ「クロさんも大変ですねぇ」
ソラ「ベランダから入って来るんじゃねぇ、あと今の俺はクロじゃなくてソラだ。」
シロ「よくやるもんですね、こんな生活。私なら不自由過ぎてやっていられないですよ。どうです?たまにはあの掃きだめのにおいも懐かしくなってはきませんか?」
ソラ「いいや?全然?もうあそこはこりごりだね。それにこの生活だって自由だぞ。朝から晩まで特段何もせずにゴロゴロしているだけで飯が食えるからな。」
シロ「プライドはないんですか?」
ソラ「プライドで飯は食えるんですか?」

沈黙

ソラ「それよりもう来るなって言ったはずだ。とっくの昔に組織は抜けたんだ。俺がどうしようとお前らにはもう関係ないはずだろう」
シロ「関係ないなんて言わないでくださいよ。寂しいなぁ、寂しいなぁ。だれかれ構わず噛みついていたあの頃のあなたはいったいどこに行ったんです?ねぇクロさん?」
ソラ「そんなに俺をたきつけてどこのどいつをつぶして来いっていうんだ?目の前の奴ってことなら考えてやってもいいけどな?」
シロ「そんな怖い顔をしないでくださいよ。牙を抜かれたのか、猫をかぶっているだけなのか、少し試しただけじゃないですか。ちょっとしたジョークですよ。今日はそうじゃありません。シマも平和でむしろ刺激が足りないくらいです。」
ソラ「じゃあなんだっていうんだ?いや、いい。なんにせよ聞く気はない。さっさと帰れ」
シロ「そろそろじゃないですか?」

沈黙

ソラ「何のことだ?」
シロ「とぼけないでください。そろそろその体も限界だろうって言っているんですよ。」

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