アリサとジントニック

(ありさとじんとにっく)
初演日:0/0 作者:滴り落ちるもの
アリサとジントニック

アリサ 30才
翔 23才
沢田 30才
伊藤 30才
マスター 50?才
リリー 17?才
プロローグ
テーブルに向かい合う沢田とリリー
リリーの前には水晶玉
怪しげな照明

りリー   おお、大いなる太陽よ!月よ!あまねく星々よ!
沢田   おお、大いなる太陽よ!月よ!あまねく星々よ!
リリー   大宇宙に座し黄道に佇む12宮よ!
沢田   大宇宙に座し黄道に佇む12宮よ!
リリー   迷えるこの羊に進むべき道を示せ!
沢田   迷えるあわれな我に進むべき道を示せ!
リリー   (なんかおおきな振り)…道は示された!
沢田   …いや、いつも思うんだが、この前ふりいるのか…
リリー   もう、雰囲気よ、雰囲気♡
    特別な事で人を説得するにはこういった、演出が大事なの。
    クリスマスも初詣も誕生日も付き合い始めた記念日も、特別な事には特別な演出が必要なのよ。
    ほんとにわかってないなあ。そんなんじゃ奥さんにすーぐ愛想つかされるわよ。
沢田   そうならないためにきてるんじゃないか。高い金払って…
リリー   あら、これでも友達割引でだいぶサービスしてるんだけど?
沢田   そうか…、ありがとう。
リリー   わかればよろしい。じゃ教えてあーげる。160日プラマイ8日ってとこ。
沢田   そうか…、噂は本当だったか
リリー   なに?なんか不味いの?
沢田   まあ、ちょっとな…
リリー   ふーん、手、貸してもいいわよ?報酬さえもらえれば。
沢田   いや、なんとかするよ。それじゃ
    沢田下手に出ようとする
リリー   星々はそなたを裏切らない。黄金を携えてまたくるがよいぞ。

    暗転

第一夜

バーのカウンター、カウンターにバーテン(翔)カウンター席に酔っぱらいのアリサ
曲「fly me to the moon」
照明入り 薄暗い感じ

アリサ   そりゃね、私も魔法はいつか解けるってきいてはいたわよ!
    でもそんなときに解けなくてもいいんじゃない?
翔    ええ、そうですね…
アリサ   シャワー浴びて、ベッドに入ったら、
    ごめんやっぱりあいつの事忘れられない。今日はわるかった。帰るよ。
    とか!、ほんっと忘れられない出来事になったわよ!
翔    それは残念でした。
アリサ   なーによ、あたしがわるいっての?
翔    いや、そこまでは…
アリサ   そりゃね、調子にのって無自覚に魔法の惚れ薬使いまくったのは認めるわよ?
    でもね、それが特技だったわけよ、なんの取り柄もない魔女のあたしが、唯一作れた一級品なわけよ。
    ちょっとくらい自惚れたっていいじゃない!減るもんじゃなし!
翔    いや、減ったんですよね?
アリサ   そーよ、全然効かなくなったのよ!何故か!突然!
    薬のレシピだって何回も穴が開くほど確認したわよ
    材料だって仕入れ先に直接出向いてなんか混ざりものないかー、とか古くなってないかー、とか?
    全部一個一個足使ってみてきたわよ!箒のれないからっ!
翔    はは、そう言ってましたね…
アリサ   なにが、そういってましたね。よ?ばかにしてんの?
    そりゃね、どっかの魔女みたいに、箒乗れるだけでもいいわよ?一応それだけでも魔女っぽいし?
    あたしなんか、怪しい惚れ薬売ってるだけよ?
    もう白雪姫に毒リンゴ配ってるババアみたいなのとあんまりイメージかわらなくない?
    だから私用に使って、男はべらせて、ふつーの女子っぽくしよーとしてたわけじゃない?
翔    いや、ふつー惚れ薬とか使えないじゃないですか…
アリサ   特技だからいいじゃない!かわいいーのだって、グラマラスボディだって、床上手だって、
    みーんな特技じゃない!
翔    そりゃ、そうですけど、ねぇ…
アリサ   あたしは、薬作るのがうまかっただけ。
翔    はいはい。
アリサ   そーよ、うまかった、のよ。
    で、今はただの未婚アラサー…もう飲むしかないじゃない?でしょ?しょーくん?
翔    飲み過ぎですよ…そもそもそんなに飲めないんですから。
アリサ   あーあ、しょーくん薬飲ませて家に拉致っとけばよかったなー
翔    もうその台詞何回目ですか…
アリサ   えーとね…(指折り数えるが…)わかんない、えへ、
翔    だいたいもう魔法使えなくなって何年たつんでしたっけ?
アリサ   へ?えっとぉ24のクリスマスだったからぁ、三年?
翔    アリサさん27でしたっけ?
アリサ   えへへへ
翔    大体、僕はアリサさんが魔女だったこと知らないですし、ほんとに魔法使えたのかもしりませんからね?
アリサ   あーー、また人を嘘つき扱いしてー、何回もいってるじゃない
    あのお笑い芸人とあの女優が結婚したのだってあたしの薬のおかげだって。
    あの芸人が箔つけようと有名女優とひっつきたいってゆーから?
    ほんとはあんまりこーゆーの乗り気じゃなかったんだけど、
    その、店のツケもたまってたし、ギャラもよかったし。
翔    ふーん
アリサ   効果切れたらすぐ離婚したし!
翔    そーですね
アリサ   信じてない!
翔    いや、例えそうであっても、魔女がそんな事大っぴらに言うもんですかねぇ?
アリサ   そりゃね、現役の時は守秘義務がありましたし。ばれたら消される可能性もあったわよ?
    でーもー廃業しちゃったら、信じてもらえないし、ほんっとだーれも構ってくれない!
翔    そんなもんですかねぇ
アリサ   魔法使えなくなったらね。そんなもんよ。みんなすーぐ手のひら返すから。
    今まで散策媚びへつらってたのに、使えないってわかったら、そりゃ酷いもんよ…
翔    なんか実感のある言い方ですね。
アリサ   だからあるわよ!あるに決まってるじゃない!
    ねえ、そんなにあたしの苦労話が聞きたいわけ?いくらでもするわよっ、うちくる?
翔    いえ、そんな誘いにはのりませんよ。
アリサ   相変わらずつれないの。そんなんじゃモテないわよ?
翔    お客様に手をだすわけにはいきませんから。
アリサ   うそくさっ、そんなこと思ったことないでしょ?
翔    そんなことないですよ?
    まあ、それに、…彼女いますから。
アリサ   ああ、知ってる〜、この前お店から帰るときみた〜、かわいいじゃない、なんか小動物みたいで。
翔    え、みたんですか!
アリサ   しょーさん♡って、お店おわるの待っててでてきたところで腕組んできたでしょ?
    うわーあざとかわいいって。
翔    あざとくないですって、素直でかわいいんです!
アリサ   ふぅーん、でも付き合ってまだ一か月もたってないわよね〜
翔    なんで知ってるんですかっ
アリサ   わかるわよ、それくらい。
翔    ストーカーですかっ
アリサ   違いますぅ、ただの追っかけ。
    で?やったの?
翔    は!?
アリサ   あー、まだなんだー
翔    そんなこと、言えません!
アリサ   ふぅーん。まいいや。
    まだ付き合って間がないし、やってもないのに、どんな女かなんてわかるもんじゃないでしょ?
    夜になって、ベッドに入ったら獣かもしれないじゃない?
翔    そんなこと…
アリサ   そおだ!昔の知り合いに媚薬たのんだげよっか?獣になっちゃうかもよ?
翔    いりません!
アリサ   おこってるしー
翔    そうやってすぐ魔法に頼るのもどうかと思いますけどね?
アリサ   うわー、真面目。
    でもね、魔法なんてなくても、そうなったら、そうなっちゃうんだから。
    大事なのは、そのきっかけがあるかどうか。あ、違うか。きっかけを作れるかどうか。
    きっかけさえ作れればけっこうなるようになっちゃうんだから。
翔    そうなんですか?
アリサ   勢い、大事よ
翔    はあ…
アリサ   はーあ、なんかつまんない。帰るわ。また愚痴りにくるから…
翔    あ、はい。
アリサ   あ、ゴメン、ツケにしといて、給料日前だから。
翔    かしこまりました。ええと、明後日ですね。
アリサ   もう、そんなことばっかり覚えてなくていいから。またね。
翔    はい、おまちしてます。

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