Defend・K・nighT

(ディフェンド・ケィ・ナイト)
初演日:0/0 作者:MaRu
Defend・K・nighT

【登場人物】
●アスカ(♀)主人公。女子高生。
●バーク(♂)夢の掃除屋。悪夢を消すのが仕事。
●レノム(♀)夢の世界の女王。
●トウマ(♂)レノムに従う騎士。
●ノイザ(♀)音楽家。狂ったギタリスト。
●マズル(♀)乱射魔。飲んだくれ。
●メリー(♀)羊飼い。臆病。
●ジャブ(♀or♂)おちゃらけ道化。神出鬼没。
●デスト(♂)無口の大男。災いを呼ぶ。

【OP】

 真っ暗な夢の中。女王レノムがいる。
 後から登場したのは、女王に従う騎士トウマ。

レノム  首尾はどう?トウマ
トウマ  万事滞りなく、順調であります。陛下
レノム  そう、それは良かった…。終わらせなさい
トウマ  はっ!

 トウマは剣を地面に突き刺す。ガラガラと音を立てて崩れ落ちていく夢の世界。

レノム  まだまだ…まだ終わりは遠いわ…!!!

 女王の鋭い眼光はずっと向こうを睨みつける。
 暗転。


【第1章】

 舞台上に照らしだされるアスカ。

アスカ  大丈夫…私はできる…練習通りにやればいいだけ…毎日このために練習してきた…! ………。何を練習してきたんだっけ?

 開幕前のベルが鳴る。

アスカ  ベルだ!さぁ深呼吸!自分を信じて、胸を張って、顔を上げて!

 幕が上がる。そこには多くの観客…はなく、ジャブが一人。

ジャブ  イエ〜ィ!!待ってました〜!!
アスカ  あれ………何コレ…??誰もいないじゃん
ジャブ  こっち向いて〜アスカ〜!こっちこっち〜!
アスカ  …どうも…
ジャブ  きゃ〜!!「どうも」だって〜!!

 アスカに近寄っていくジャブ。

ジャブ  どうも!どうもどうもどうも!!
アスカ  え、なに?
ジャブ  え、なに??
アスカ  誰ですか?
ジャブ  誰ですか??
アスカ  あなたに聞いてるんですけど
ジャブ  あなたに聞いてるんですけど!
アスカ  …はい?
ジャブ  はい??
アスカ  何なの?
ジャブ  何なの??
アスカ  マネしないでよ!
ジャブ  マネしないでよ!!
アスカ  マジ何なの!?超ムカつく!!
ジャブ  アッハハハハハ!あんたの顔超面白い!!
アスカ  はぁ!?どっか行って!
ジャブ  どっか行って!!
アスカ  マネすんな!
ジャブ  マネすんな!!
アスカ  どっか行け!!!

 アスカはジャブにカバンを投げつける。ジャブはそれをキャッチ。
 あれこれ物色するジャブ。

ジャブ  お?おぉ??お〜♪
アスカ  ちょっと、何してんの!?
ジャブ  も〜らい!!

 ジャブ、カバンを持って退場。

アスカ  ちょっと!待って!待ってってコラ!!ドロボー!!!

 アスカ、ジャブを追って退場。

 場面切り替わって、牧場。メリーが一人たたずんでいる。

メリー  1匹が2匹…2匹が3匹…3匹が4匹…

 そこへ駆け込んでくるアスカ。

アスカ  ドロボー!誰か…警察呼んでー!

 メリーに衝突するアスカ。

メリー  痛ッ!
アスカ  あっ…すみません
メリー  羊が逃げた…
アスカ  あの、カバン持った変な人来ませんでした!?向こうから追って来たんですけど!
メリー  さぁ、わからないわ。どうかしたの?
アスカ  カバン盗られたんです!あのわけわかんない人に!あっ、そうだ!警察に電話…ッ…ケータイカバンの中だ!!うわぁ〜…!!
メリー  あなた…もしかしてアスカ?
アスカ  え、はい…そうですけど。どうして名前…?
メリー  ここの住人はみんなあなたを知ってるわ。ここはあなたの夢の中だもの
アスカ  夢?…これ…私の夢なの??
メリー  えぇ
アスカ  え、夢って、こんなにハッキリしてる!?
メリー  夢はみんな、見ている間はそんなものよ
アスカ  そっか…はぁ〜でも良かった〜!カバンの中サイフとか定期とか入れてたから…夢で良かったぁ〜…ってかどんな夢だよ!
メリー  私はメリー。この牧場で羊飼いをしているわ
アスカ  え?あぁ〜そうですか…
メリー  ゴホン…自己紹介をされたら、自分もするのが礼儀よ
アスカ  あっ、すみません…アスカです。羊は飼ってません
メリー  飼ってない?あなた、夜寝るとき羊は数えないの?
アスカ  羊なんか数えなくても眠れるでしょ?
メリー  そう…悲しい時代になったのね…
アスカ  あっ、そうだ!どうせなら案内してよ!私の夢を!
メリー  案内?それはやめた方がいいわ。ここにも長く居ないほうがいい
アスカ  どうして?
メリー  それは…

 そこへ現れる掃除屋バーク。

バーク  危ない!伏せろ!!

 突然世界が歪み始める。光を失い、崩れていく世界。

メリー  バークさん、これは…!
バーク  あぁ、残念だがこの夢もおしまいだな
メリー  そんな…私の牧場が…!
アスカ  なに?何があったの?
メリー  私の牧場が…あなたの夢の断片が消えたのよ
アスカ  消えた!?夢が消えたって!?
バーク  さぁ、仕事の邪魔だ。悪いがどいてくれ
アスカ  待って!何する気?
バーク  仕事だって言ったろ。夢の後片付けだよ
アスカ  勝手に片付けないでよ!
バーク  邪魔するなよ!
アスカ  あんた誰!?
バーク  お前こそ誰だよ?
メリー  彼女は…アスカさんです
バーク  アスカ?………アスカって、まさか…
メリー  夢の持ち主です
バーク  そうか…残念だったな
アスカ  これ、私の夢なんでしょ?どうして勝手に消されなきゃならないの?
バーク  俺が消したんじゃねぇよ。俺の名はバーク。消された夢を片付けるのが仕事だ
アスカ  バーク…?夢食いのバク!?
バーク  バクじゃねぇ。バークだよ。仕事の連絡が入ってここに来た
アスカ  連絡って、誰から?
バーク  お嬢ちゃん、俺らには守秘義務ってのがあってな、クライアントの情報を他人に教えちゃいけねぇんだわ
アスカ  はぁ?夢の持ち主は私でしょ!?クライアントも何も、私が一番偉いんでしょ!?
バーク  ごちゃごちゃうるせぇな!
アスカ  あんたでしょ!ごちゃごちゃわけわかんないこと言ってんの!
バーク  なんだとお前!?
アスカ  なに!?やる気!?
メリー  まぁまぁ二人とも!
アスカ  もういい!わかった!私起きる!
メリー  アスカ?
アスカ  こんな変な夢だったら、起きちゃえばいいんじゃん!夢だって、消えたらまた眠ればいいんじゃん!頭いい〜私!

 眼を覚まそうとするアスカ。力んでみたり、あちこちつねったりする。

アスカ  あれ…?起きれない………何で??
メリー  バークさん…!
バーク  (首を横に振る)
メリー  アスカ、あなたが起きることができないのは、体が熟睡しているからよ
アスカ  どうやったら起きられるの?てか…なんかだんだん心配になってきた!今日何曜日!?いま何時!?学校は!?
メリー  私たちにあなたを起こすことはできないわ
アスカ  そんな!どうしよう…
バーク  あいつのところに行ったらどうだ?あの騒音娘のところ
アスカ  騒音娘??
メリー  ノイザさんのところですか?どうして?
バーク  うるさすぎて起きちまうかもしれねぇぞ?
アスカ  誰なの?そのノイザって
メリー  別の夢空間にいる、音楽家の女性です
アスカ  音楽家…
バーク  メリー、連れて行ってやれよ
メリー  そうしてあげたいですが、いま夢空間の間は分断されつつあります。無事にたどり着けるかどうか…
アスカ  ねぇ!あんたも一緒に来てよ!
バーク  はぁ?なんで俺も!?
アスカ  だって、あんた夢の世界に詳しそうじゃん!それに、あんた放っといたら、この夢の世界片付けちゃうでしょ?
バーク  それが仕事だ!邪魔すんな!
メリー  いい考えです!バークさん、一緒に行きましょう!
バーク  メリー、お前まで何だ!
アスカ  よし!多数決で決まり!
バーク  おい!
アスカ  ノイザって人のところに行こう!夢の持ち主の命令だよ!急いで起きないと!

 張り切って駆けていくアスカ。

メリー  バークさん…言わなくていいんですか?
バーク  …いい
メリー  アスカさんのことを思うなら、本当のことを…
バーク  俺がいいと言ったらいいんだ!!
メリー  …ッ!
バーク  …行くぞ。ノイザの部屋に向かおう

 暗転。


【第2章】

 闇の中に、レノムとトウマが入ってくる。

レノム  あとどれくらいなの?夢の世界の断片は
トウマ  申し訳ありません。私にはわかりかねます…人間の中にどれほどの夢が存在するのか
レノム  そう…そうでしょうね
トウマ  お役に立てず、申し訳ありません!
レノム  お前は十分にやっているわ。能力のある男はこの程度で動じないものよ
トウマ  はっ!
レノム  行くわよ。今夜中にすべて終わらせる
トウマ  …陛下。お聞きしたいことが
レノム  何かしら?
トウマ  やつが動き出していたとしたら、いかがなさいますか?
レノム  動き出していたとしたら?…いいえ、やつは動き出すはずよ
トウマ  では…
レノム  放っておきなさい。どうせ何もできはしないわ。もしも私たちの前に立ちはだかるようなことがあったら、その時は、消えた夢の断片たちと同じ末路を辿らせてやりなさい
トウマ  …仰せのままに…!

 場面切り替わり、ノイザの部屋。

バーク  ノイザ!いるかー?
メリー  ノイザさーん!?
バーク  いねぇな
アスカ  ねぇ、ノイザさんてどんな人?
バーク  とにかく変わった女だ。音楽家と言うより、音の狂信者だな
メリー  会ってみればわかるわ

 ビクビクしながら現れるノイザ。

ノイザ  バーク!?その声はバークなの!?
バーク  そうだ!掃除屋のバークだ!
ノイザ  あぁ、バーク!嫌、嫌よ!お帰りになって!私の世界はまだ消えたりしないわ!お帰りになって!
バーク  違う!掃除しに来たわけじゃねぇ!
メリー  お客さんを連れてきたんです
ノイザ  お客さん?
アスカ  あの人がノイザ?

 息を整えるノイザ。

ノイザ  ごめんあそばせ。取り乱してしまって…。夢の世界が不安定なの。私の心も不安定になってしまって…。今、お茶を入れますわ
メリー  あっ、どうぞお構いなく!
ノイザ  いいえ、お客様はおもてなしするのが礼儀ですわ。礼儀知らずな女だと思われてしまっては、私自身を下げることになってしまう。どうぞお座りになって
メリー  じゃあ…
アスカ  お言葉に甘えて

 ノイザはお茶の準備をする。

アスカ  普通の人じゃん
バーク  油断するな
アスカ  ノイザさん、音楽家なんですよね?専門は何ですか?
ノイザ  あら、音楽に興味が?
アスカ  はい!
ノイザ  あら!それなら仲良くなれますわ!私も楽器を嗜んでおりますの!
アスカ  何をやってるんですか?ピアノ?ハープ?
ノイザ  エレキを
バーク  …
メリー  …
アスカ  …エレキ?
ノイザ  えぇ、何かおかしくて?
アスカ  えっと、ジャンルは?クラシック?ジャズ?
ノイザ  パンクロックを少々
アスカ  ぱ、パンクロック…
ノイザ  何かおかしくて?
アスカ  ちょっと、イメージと違うな〜って…

 ノイザの淹れたお茶をいただく三人。

三人   ブッ!!(吹き出す)
ノイザ  あら、テキーラはお嫌い?
アスカ  この人変な人だ!!!
バーク  な!?わかったろ!?
メリー  あ、の、ノイザさん!お願いがあるです!得意の音楽で、アスカを現実世界に戻してほしいんです!
アスカ  そ、そうなんです!お願いします!
ノイザ  あら、どういうこと?
バーク  つまり、お前の爆音で、こいつを起こしてほしいのよ
ノイザ  …残念だけど、私には音を奏でられないの
アスカ  え!?
メリー  どうしてですか?

 ノイザはエレキギターを持ち出す。

ノイザ  この子…私の相棒ですわ
アスカ  あっ!私のと同じやつだ!
メリー  同じって、アスカもギターを?
アスカ  そう!私も軽音部だったから!…!…そうだ…軽音部だったんだ、私…。どうして忘れてたんだろ…?
ノイザ  いつもだったら、この子も一緒に吼えてくれるはずなのに…

 エレキギターの弦をかき鳴らすノイザ。何度弦を弾いても何の音もしない。

ノイザ  音が鳴らなくなってしまったの!!いつもはこんなことにはならないのに!!
アスカ  音が鳴らないなんて…
ノイザ  これもきっと、あの女王のせいですわ!!
アスカ  …女王??
メリー  女王ってまさか…レノム女王?
ノイザ  他に誰がいて?彼女が夢の世界を壊し始めてから、すべてがおかしくなったんだわ!
アスカ  じゃあ!そいつが私の夢を勝手に消してる犯人ってこと!?…そいつに聞けば、私が起きれない理由もわかるかも…!
バーク  ダメだ!!!
メリー  バークさん
バーク  …レノム女王にだけは…関わっちゃダメだ
アスカ  どうして?
バーク  どうしてもだ!あの女王は危険すぎる
アスカ  それでも!女王ならこの夢の世界について詳しいはずだよ!会っていろいろ聞きださないと!
バーク  ダメだ!
アスカ  あんたの許可をもらう必要なんてないし!
バーク  俺の話を聞いてなかったのか?女王は危険なんだ!
メリー  アスカ、レノム女王の噂は私も良く聞くわ。近づかない方が…
ノイザ  それなら、探してみたらいかが?ディフェンド・ナイトを
アスカ  ディフェ…何?
メリー  ディフェンド・ナイト。夢の守護者よ。夢の世界と、そこの住人たちを守ってくれる騎士
ノイザ  女王に近づくならナイトと一緒に行くのが一番ですわ
バーク  実在するかどうかわからねぇやつなんて頼りにならねぇさ
アスカ  実在しないの?
バーク  誰も見たことがねぇ。夢中を掃除して回ってる俺が見たことねぇんだ。噂と噂で作り上げられた架空の存在だ
ノイザ  でも、私は信じてますわ
メリー  …
ノイザ  ナイトでもダメなら…頼めるのはマズルしかいないでしょう
アスカ  マズル?
バーク  おいおい、あんな乱射魔つれて行ってどうするってんだ。それこそ余計話がややこしくなるだろ!
ノイザ  でも頼りになるわ
アスカ  誰なの?そのマズルって
ノイザ  夢の世界一のガンナーですわ。どんな相手にも勇猛果敢!銃を持てば百発百中、天下無双!
アスカ  どこに行けば会えるの?
バーク  おい!本気かよ!
アスカ  私はいつでも本気だよ。たとえ眠ってたとしてもね!
メリー  アスカ、おすすめはできないわ。冷製に考えて…
アスカ  二人はもと居た場所に戻っていいよ。私一人でも行くから
メリー  そんな…
バーク  はぁ〜…とんだ馬鹿だな…。お前一人じゃ何をしでかすかわからん。俺たちも行くぞ
メリー  バークさん!
アスカ  ありがとう!あんた意外といい人だね
バーク  …別に俺は…
ノイザ  さぁ、こちらに来て。近道を教えるわ

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