救済の日

(きゅうさいのひ)
初演日:2018/10 作者:岡崎美加
救済の日。(仮)

会田 勇作(マカロン/島田 達哉)
キャンディー(導師 芙蓉)
クッキー(宮原 柚香)
宮原 灯
導師(声のみ)

【第1場:プロローグ】
導師(声のみ):罪とは記憶の中にある。何故ならば、己とは記憶によって作られるものだからだ。故に、その罪も全て、記憶の中にある。だから、今こそその記憶を消し去り…魂を浄化するのだ。今こそ立ち上がれ、同志たちよ。救済の日は近い…!この世界に…救済という名の祝福を!

【第2場:記憶】
明転。
〇アジト
 舞台にはソファーが一つあるのみ。ソファーの上で眠っている勇作。

勇作:うっ…
クッキー:マカロン…?目覚めたんだな!!
勇作:ここはどこ…?
クッキー:ここは私たちの隠れ家だ。
勇作:隠れ家…?体が痛い…!!
クッキー:無理をするなマカロン。お前は体にいくつか銃を受けた形跡があるんだ。まだ安静に
勇作:銃!?痛い…頭も痛い!!僕は…僕は誰なんだ!?!なんでこんなに傷だらけなんだ!?
クッキー:…ひとまず落ち着け。順を追って話す。まず、お前の名は
勇作:思い出せない…何も…何も思い出せない…!!
クッキー:マカロン…!?とりあえず、人の話を聞け!!
勇作:怖い…!!怖い…!!誰だ君は!!
クッキー:お前…私のことも覚えていないのか?!
勇作:知らない!!
クッキー:私はクッキーだ!
勇作:クッキーってなんだよ!?僕をどうするつもりだ?!
クッキー:ひとまず落ち着けマカロン!!傷口が広がる…!!
勇作:ああああああああーーーー!!マカロンってなんだよおおおおおおおお!
クッキー:くっ…(ポケットからスタンガンを出すと勇作に押し付ける)
勇作:ぐっ
クッキー:すまない。(電話を掛けるモーション。)クッキーです。…マカロンが目覚めました。記憶喪失みたいで…薬が効いているのかと。……ええ…ひどく錯乱しておりまして…一旦、スタンガンで気絶させました。…え?…しかし、キャンディーは導師の…いえ、わかりました。失礼します。
(暗転)

【第3場:作戦】
(明転するとキャンディーもいる。)
キャンディー:マカロンの調子はどう?
クッキー:しっかりと記憶を失っている。
キャンディー:そうなんだね…演技の可能性は?
クッキー:演技?いや、それは流石にないと思う…。びっくりする位錯乱していたし
キャンディー:そう…クッキーにも何も変なこととか言ってこなかったのかな?
クッキー:クッキーってなんだよと言われた。
キャンディー:その位かな?
クッキー:そうだな。あとは特に。
キャンディー:そっかそっか…あ、それで例のことは導師様から聞いてる?
クッキー:ああ。でも、キャンディーはそれで良いのか?
キャンディー:それが導師様の指示だったら私はそれに従うだけだよ
クッキー:でも、お前は…導師の7番目の妻だろ?
キャンディー:うん!だから導師様のお役に立てるならなんだってするよ、私。
クッキー:流石だな
勇作:ん…
キャンディー:しっ。それじゃあ、よろしくね?
クッキー:(こくっと頷く)

【第4場:目覚め】
勇作:ここは…
キャンディー:目覚めたんだね、マカロン(ぎゅっと抱きついて)ずっと目覚めないからすっごく心配したんだよ!
勇作:!?(怯えながら離れて)誰だ君は…!?
キャンディー:マカロン!?本当に私のことも、覚えてないの!?
勇作:覚えていない!そして、マカロンってなんだ!?
キャンディー:マカロンはあなたのことだよ!そして、私はキャンディー。
勇作:俺がマカロン…?そして、君はキャンディー…?
キャンディー:思い出してくれた!?
勇作:いや……記憶にない…!何なんだ、そのふざけた名前は…
クッキー:コードネームだよ、我々の
勇作:君は、さっきの!
クッキー:ああ。クッキーだ。
勇作:だからなんなんだ!さっきから出てくる、そのちょっとオシャレなお菓子の名前たちは…!
クッキー:質問には答えるからまずは落ち着いてくれ。
勇作:これが落ち着いてられるか。目覚めたら体は傷だらけで自分の名前すら思い出せないんだぞ。そんな状況で「あなたはマカロンよ」と言われる恐怖が君たちにわかるか?!くそ…僕は…僕は何者なんだ!?
クッキー:お前の名前は島田達哉だ。そして、マカロンはコードネームだ。
勇作:島田…達哉…?コードネーム?マカロン…?
クッキー:ああ。そして、ここにいるキャンディーの
キャンディー:恋人だよ
勇作:恋人!?
キャンディー:うん。本当に、何も覚えてないの?
勇作:…覚えてない…
キャンディー:そっか…マカロン、記憶喪失、なのかな…
勇作:記憶喪失!?(頭が痛みだして)っ…!痛い…頭が痛い…!!
キャンディー:無理しないでマカロン
勇作:その呼び方をやめてくれ…!
クッキー:お前の頭部には外傷を見受けられない。一時的な記憶喪失だろう。
勇作:記憶喪失…!?なんで記憶喪失に!?そして、なんでこんなに僕は傷だらけなんだ!?
クッキー:1週間前のことだ。警察が突入してきた時に
勇作:警察が突入!?僕は犯罪者なのか!?
キャンディー:違うよ、マカロン!私たちは犯罪者なんかじゃない!私たちは崇高な理念の元に活動しているの!導師様のもと、この世界を救おうとしているんだよ!!
クッキー:そして、その結果、警察に追われている。
勇作:それを…テロリストというんじゃないのか…?
(暗転)

【第5場:仲間】
(明転)
キャンディー:どう?何か思い出した?
勇作:まだ何も。
キャンディー:そっか…
勇作:ごめんね…恋人に忘れられるのって、きっとツライよね
キャンディー:ううん…私も、わかるから。記憶をなくして怖い気持ち
勇作:え?
キャンディー:以前のマカロンには話したんだけど…3年前から記憶がないの、私も。
勇作:キャンディーも?
キャンディー:うん。それで、その話を前にした時、マカロンがすごく心配してくれて「絶対俺が君の記憶を取り戻してみせる」って言ってくれたんだよ。すごく嬉しかったし…かっこよかったな
勇作:僕がそんなことを。
キャンディー:ふふ…私それでマカロンのこと好きになっちゃって…
勇作:そうなんだ…ごめんね。覚えてなくて
キャンディー:ううん!?だからね、絶対私はマカロンの味方だから…!心細いと思うけど…でも私を信じて、何でも話してね!どんなに些細なことでも良いから!
勇作:ありがとう、キャンディー
キャンディー:ううん。だって私は…あなたの恋人だもん!!
(暗転)

【第6場:灯】
〇警察署の中
 暗転の中、灯の声だけする。
灯:もう、1年も姉に会えてないんです…!…え、いえ…メールは定期的に来てます…けど…でも、以前は月に1回は会ってたのにもう1年も会えてないんですよ?!それに仕事だって問い合わせたら辞めてて!!………いえ!そんな人じゃないです!そんな無責任なことは絶対に…!……事件性がない?!いえ…、そんなこと…!どうか…、どうか姉のことを捜してください!!今までこんなことなかったんです!!お願いします!!もしかしたら、何かの事件に巻き込まれてるのかもしれない!!私、心配なんです、姉のことが…!!………そんな…
(明転)
〇警察署の玄関
 ふらふらと出て来る灯。諭され、事件として扱ってもらえず追い返された。
灯:どうすれば…どうすれば良いの…?(泣きながら蹲る)
勇作:どうかされました?
灯:あ…ごめんなさい(涙を拭い立ち上がる)こんな所を塞いでたら…ご迷惑ですよね
勇作:いえ、それは全然構わないんですけど、どうかしましたか?具合でも悪いんですか?

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