隣の芝さんはアオイ

(となりのしばさんはあおい)
初演日:0/0 作者:若宮ハル
【登場人物】
 
  三井 光…高校生、2年1組。美術部で絵が好き。勉強はあまり得意でない。
  芝 葵…光と同じクラス。遺伝子の問題で肌が全て青色。勉強も運動も、何でもできる。
  柳井 奈々…光と同じクラス。ダンス部。調子がいい。
  山田 彩乃…光と同じクラス。奈々の親友。書道部。
  滝沢 正太郎…光と同じクラス。委員長。女子と話すのが苦手。光とは幼稚園からの幼馴染みで、光とは普通に会話が出来る。
   
 
  2年1組の教室、帰りのHRが行われているようで、皆静かに前を向いている。しかし1番後ろの席の光だけは、隣の席の芝を見つめている。芝は真面目そうな普通の生徒であったが、露出している皮膚は全て青色である。
 
  滝沢 起立、気を付け、礼
  全員 ありがとうございました
 
  各々、帰る準備を始めだし、一気に教室は騒がしくなる。友達と話す人、バタバタと教室から出ていく人、荷物の整理を始める人、様々な生徒がいる中、芝の前の席に座っていた奈々が、申し訳なさそうに芝の目の前に立つ。
 
  奈々 …ねぇ、芝さん
  芝  何?
  奈々 一生のお願い!英表のノート見せて!
 
  と手を合わせる奈々に、奈々の隣の席の彩乃が、ため息をついて奈々と芝に近寄る。
 
  彩乃 奈々、それ何回目の『一生のお願い』なん?
  奈々 だってさ〜ヨコセンの授業、滅茶苦茶眠くない!?催眠術やろ〜
  彩乃 いや、奈々が英語嫌いなだけやん
 
  と言う彩乃を、奈々は完全に無視し、芝に向かって再び手を合わせる。
 
  奈々 芝さん!お願い!
 
  芝、優しく微笑む。
 
  芝  いいよ
  奈々 やった〜芝さん大好き〜
  彩乃 ごめんね芝さん〜毎回毎回
  芝  こんなノートでいいなら
 
  と芝、奈々にノートを手渡す。奈々、それを受け取りニコニコと笑う。
 
  奈々 いや〜芝さんのノート、超キレーだから―!
  彩乃 そりゃ、芝さんのノートだもん。綺麗だろうね
  奈々 授業の重要ポイントとかまとめててくれてるの!もうね!めっちゃ分かりやすい!
  彩乃 じゃあ、奈々の英表の成績も上がるはずやね
  奈々 そ、それとこれとは別問題!
  彩乃 うわ、逃げた逃げた
  奈々 芝さん、ノート明日返すね!
 
  と奈々、ノートを鞄の中に入れる。
 
  芝  うん
 
  奈々、少し考えて気まずそうに芝の方を見る。
 
  奈々 …やっぱ明後日でも良い?
 
  と言う奈々に、彩乃大きくため息。
 
  彩乃 奈々〜
  芝  いいよいいよ、明後日ね
  奈々 ほんとありがと〜!じゃ、またね
 
  と奈々、鞄を手に取り帰ろうとする。彩乃もそれにつづく。
 
  彩乃 バイバーイ
  芝  ばいばい
 
  すると、いつからいたのか、奈々の後ろに滝沢が立っていた。モジモジと所在なさげな滝沢。手には何やら用紙を持っている。奈々と彩乃に見つめられ、目が泳ぐ滝沢。奈々、それを見てニヤリと笑い、滝沢の肩をボンボンと叩く。
 
  奈々 おっ!委員長滝沢君じゃないですか〜!提出プリントはちゃんと昼に出しましたよ〜芝さんに〜
  滝沢 え、あ、それは、うん…その…
  彩乃 奈々〜滝沢君いじめないの〜
 
  と彩乃、滝沢から奈々を引き剥がそうとする。
 
  奈々 いじめてないよ〜ね!滝沢正太郎君!
 
  と奈々、滝沢の背中をドンと大きく叩く。滝沢、びっくりしてビョンと飛び上がる。
 
  滝沢 は、はぃっ!そうでしゅ!
  奈々 ほら〜
  彩乃 『ほら〜』じゃないの、滝沢女子苦手って分かってて、からかうとか可哀相!ほら、帰るよ!
  奈々 え〜
  彩乃 『え〜』じゃない!
 
  と彩乃、奈々を引きずり帰ろうとする。奈々、観念して引きずられる。
 
  奈々 じゃあね〜滝沢君〜バイバーイ!
  滝沢 あっ、う、うん
 
  彩乃、教室の扉に手をかけるが、何かを思い出したようにぱっと振り返り、光の方を見る。
 

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