冬劇祭

(とうげきさい)
初演日:0/0 作者:ひげむら
冬劇祭

茉莉(まつり)、杏、梨央、3号(男、演劇部OB)


 幕上がる
 控室。ロッカーがあり、空いている。
 大道具、小道具が少々。
 梨央にサス
梨央「・・・。」
 梨央、うつむいている。しばらく無言。パッと客席を見る。めっちゃ笑顔。
梨央「状況把握。」
 暗転
 明転
 ロッカー閉まっている。
 茉莉、登場。携帯をいじっている。
 そのまま、携帯をいじる。
 急に客席を見る。
茉莉「君は言葉だけで、その人の自殺を思い留まらせることはできるか。」
 茉莉、客席の反応を見て、また携帯に目を落とす。
 茉莉、急に立ち上がる。
茉莉「君は言葉だけで、その人の自殺を思い留まらせることはできるか。」
茉莉「・・・・。」
茉莉「留まらせることはできるか。」
茉莉「なんか違うな。んー。」
 茉莉、ダイナミックに動きながら
茉莉「君は言葉だけで、その人の自殺を思い留まらせることはできるか。」
茉莉「・・・・。これじゃ藤原達也だな。んー。もうひとひねりしたいな。」
 杏、入ってくる
杏 「すみません!遅くなりました!」
茉莉「あ、おはよー。」
 杏、先生がいないことを確認。
杏 「梨央は?」
茉莉「さぁ、まだ来てないみたい。」
杏 「あー良かった。」
茉莉「珍しいね、遅刻なんて。」
杏 「先生、怒ってた?」
茉莉「あぁ、あのヒゲ?なんか顧問の打ち合わせがどーたらって言って、どっか行った。」
杏 「ばれてない?」
茉莉「多分ね。」
杏 「あー良かった。」
茉莉「声、出しとく?」
杏 「そーだね。」
茉莉「ってかさ、思わない?何でうちら2年連続で1番なの?うちらくじ運なさすぎじゃね?」
杏 「でもさ、うまいとこのあとにやるの嫌じゃない?」
茉莉「そーだけどさ、上演一発目はさすがになー。声も出ないし。」
杏 「お客さん、もう入ってる?」
茉莉「さっき覗いてきたけど、そーでもないよ。」
杏 「そーなんだ。良かったぁ。」
茉莉「ま、うちらなんて、そんなもんでしょ。」
杏 「いや、私ね、正直、その・・・。」
茉莉「わかってるって。でもそれ梨央の前で言ったらダメだからね。」
杏 「わかってる。」
茉莉「なんつーかな。熱いんだよ。梨央ってさ、ざ・演劇部じゃん。」
杏 「あ、いや、それはいいんだけどさ、その。」
茉莉「何?」
杏 「今回の本ってさ・・。」
2人「暗い!!」
 2人笑う。
茉莉「あのヒゲが悪いんだよ。顔も暗いが本も暗い。」
杏 「だから結婚できない。」
茉莉「うわ。毒吐いた。私はそれはよー言えんわ。」
杏 「でも、茉莉もそう思わない?」
茉莉「それはね。ってかさ、声、出しとこーよ。」
杏 「うん。」
 茉莉、杏、発声練習を始める。
茉莉「杏さ、2年やっても声小さいよね。」
杏 「だって私、裏方志望だもん。これじゃ詐欺だよ。3人とも出ろとかさ。」
茉莉「ま、しゃーないしゃーない。」
杏 「あ、ねぇ。昨日梨央が言ってたの分かった?」
茉莉「あぁ、昨日のあれ?」
杏 「うん。」
茉莉「んー。わかんない。」
杏 「梨央、怒るよ。」
茉莉「梨央の演出は厳しいからなぁ。」
杏 「どうするの?」
茉莉「でもさ、自殺しようとしてる人に会ったことないもん。分かる訳ないじゃん?」
杏 「それは確かに。なんだろ。夏は楽しかったんだけどなー。」
茉莉「何?」
杏 「梨央さ、なんか最近、必死じゃない?」
茉莉「あ、ちょっと引いた?ねぇ、引いたんでしょ。」
杏 「引いてない引いてない。」
茉莉「本当は?」
 杏、ちょっとのポーズ
茉莉「だよねー。なんか梨央必死すぎてさ、あーぁ。なんだかなぁ。」
杏 「・・・・。」
茉莉「ちょっと台本、目通しておく?」
杏 「うん。」
 2人、台本に目を通す。
 杏、おおきく深呼吸する。
茉莉「あれ、ひょっとして緊張してる?」
杏 「・・・。」
茉莉「ビビりだなー。」

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