三寒四温
三寒四温
めぐる季節のお話

演出等は話の大筋やテーマに影響を与えない限り演出家さんの自由にやって頂いて構いません。

1.樹(いつき)…物語の主人公、2年前に恋人を交通事故で無くしている。演劇サークル所属。現在大学生。
2.秋奈(あきな)…伊吹のかつての恋人、2年前に交通事故で死亡、天真爛漫
3.冬香(ふゆか)…秋奈の双子の妹、家や周囲ではいつも姉と比べられていたためかなりコンプレックスを抱いている。
※秋奈と冬香は同じ役者、ジャケットの色とかで差をつけるといいかも
4.春子(はるこ)…樹の大学の同級生、樹に片思い中。シャイな性格。
5.夏月(かづき)…樹の親友、2年前の事故以来、何かにつけて樹の面倒をみる。兄貴分的な。
6.母親…秋冬姉妹の母親きつめの性格、いわゆる教育ママ。

Prologue 春

放課後の教室

秋奈「ねえ、樹はさ、将来…どういう生活を送るの?」上目遣い
樹「どうしたんだよ、急に…そうだな、卒業して、就職して、結婚して、幸せな家庭を持って、幸せな老後をすごす…かな」
秋奈「ふーん、案外普通だね。」
樹「うるさいな、悪いかよ。」
秋奈「悪くはないけど…部活が大好きな樹のことだから、そっち方面に進むのかと思ってたよ。」
樹「そりゃあ、演劇は好きだけど…でもそれで食っていこうなんて思えるほど才能なんてないよ。」
秋奈「でも、私は好きだな。樹の演技。」
樹「そりゃあどうも。秋奈はどうなんだよ。」
秋奈「私は…まだわかんないや。」
樹「なんだよそれ。」
秋奈「ねえ、それより…さ。」
樹「なんだよ。」
秋奈「例え…例え、私と、樹がお互いにどんな道に進んでもさ、私がずっと隣にいていい?」
樹「…あたりまえだろ、ばか。」
秋奈「バカとはなんだ!バカとは!」樹と秋奈で喧嘩というかじゃれあい

Scene1 冬の訪れ
観客を不安にさせる音(衝突音、救急車)
ファミレス風のセット

夏月「ところでさあ、次の台本なんだけど。」
樹「…」思いつめた顔
夏月「なあ、どうしたんだよ樹、さっきから浮かない顔して。」
樹「あぁ、ごめん…そろそろだなあって思って。」暗い調子で
夏月「何が?」
樹「秋奈の二周忌。」
夏月「ああ…悪かった、気づかなくて。」
樹「いいんだよ、それより何の話なんだっけ。」
夏月「だから、次の公演の話。俺としては春子の書いた脚本、いいと思うんだけど…」
樹「ああ、あれな。正直、春子があんなに書けるとは思ってなかったよ。」
夏月「ああ、俺もあいつにあんなに長い文章が書けるとは思っていなかった。」
樹「それはちょっと馬鹿にしすぎじゃないか…」

春子、来店

春子「お待たせー、今日、電車が混んじゃってて…」
夏月「噂をすれば、だな」
樹「おはよう、今ちょうど春子の台本がいいじゃないかって話をしてたんだ。」
春子「本当!?私も手ごたえは感じたんだけど、あんまり自信がなくて…」
樹「うん、ラブコメってうちではやったことないけど、役者の持ち味をそれぞれ生かせる感じでいいと思うよ。」
春子「やった!!うれしい。」恋する乙女
夏月「樹も賛成してることだし、みんなも多分やりたがるだろ。次の公演は春子の台本で行こう」
樹「そうと決まればさっそく練習だな。」
1/7

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム