無知子と正子
登場人物
?正子…大人な女性。無知子の知らないことならなんでも知っている。
?無知子…純粋無垢な女の子。知らないことがたくさんある。

二人劇。天真爛漫、無垢な女の子と成熟した大人の女性。
名前は無知子と正子。
夜の世間が寝静まった時間。あるいは、早朝の世間が起床する前。
二人並んでスマホ画面上の映像を観ている。


♪喧噪(国会)BGMがスマホから流れ出す。
NA「ろくに答弁も出来ない政治家が、ここに足を運ぶんじゃない!」
NA「やらなければならないことがたくさんある中で、
今その討論を本当に行うべきでしょうか?」
NA「今ここで私たちがすべきは討論ではない!答弁だ!
質問の回答は事前に考えてくるべきではないか?」
NA「ありえないだろ!!」
NA「確かにとおりかもしれません。それにつきましては、私も反省すべき点だと自覚しております。
しかし、私は代表として、この会に意味を持たせなければなりません。
決してこの場所に口げんかをしにきたのではありません。」
NA「国の代表として、今の発言を恥ずかしく思いませんか?」

無知子  ねぇ。
正子   なにぃ?
無知子  この人達また口喧嘩してるけど、何がそんなに不満なのかしら?
正子   あぁ。これは口喧嘩じゃないよ。国会っていう、
この国の今後を決定するための大切な会議なんだ。
無知子  国会?
正子   そう。国民に選ばれた代表達が集まる会議。
この国に住む全員から注目されているんだよ。
無知子  そうなんだ〜。じゃあどうして怒っているの?この国をよくするための会議でしょ?
正子   怒っているわけじゃないよ。ほら、私達もよく「今日のご飯を何にするか」決めるときに意見交換するでしょ?それと一緒。
無知子  そうなんだ!でも、私たちの話し合いはすぐに落ち着くのに、どうしてこの人達はなかなか決まらないんだろう。
正子   …じゃあさ、私がカレーが食べたい。けど無知子はチャーハンが食べたかったとする。
無知子  うん。
正子   家にはカレーも、チャーハンも作れる材料があるのに、
私が「どうしても食べたいから」って、勝手にカレーを作り出したら、無知子はどう思う?
無知子  絶対に許さない(思い切り怒りの感情をこめて)
正子   そ、そういうことよ。
無知子  …どういうこと?
正子   私が勝手にカレーを作り始めて、無知子は嫌な気持ちになったでしょう?
つまり、全員の意見を納得のいくようにすべて取り入れるなんて不可能だってこと。
無知子  そうなんだ。やっぱり正子はすぐに正解を教えてくれるから大好き!
正子   ありがとう。
無知子  んー。でもなぁ、、。思いついた!じゃあさ、カレーとチャーハン両方作っちゃえばどうだろう!
正子   いやそれは…

無知子は勝手に冷蔵庫をあさり始める。

無知子   卵と、ニンジンと、ネギとじゃがいもと…
正子    勿体無いよ。新しい野菜を買って補充しなきゃいけないじゃない。
無知子   買えばいいでしょ!好きなモノ、作って食べようよ!
      「自家製チャーハン〜カレーソースを添えて〜」みたいな高級レストラン風のご飯作ろうよぉ!
正子    チャーハンにカレーって本当に合うの!?
無知子   美味しい物×美味しい物=超絶美味しい物に決まってるじゃない。
やってみなきゃわからないよ!
正子    試してみるのにもコストがかかるのよ。折角の材料無駄にしないの!
無知子   今日の為にこの材料があるんだよ。安心して。綺麗に平らげてあげるわ。
正子    うちにそんな実験料理してる程、お金に余裕は無いの!
無知子   そうなの?
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