輪廻の果て。

(りんねのはて。)
初演日:0/0 作者:広瀬ヒロ
『輪廻の果て。』脚本:広瀬ヒロ(総合芸術 虹色りきゅ〜る)

魔法使い
人形


舞台奥。
家具が配置された部屋。服や人形が散らばっている。舞台中央にソファ。
人形が板付きできちんと座っている。

人形 ……

  人形は蹴られたり踏まれたり、腕を引っ張られたり。
  しばらく人形の一人芝居が続き、人形の動きが止まる。
  あたりはしんとする。

人形 ……

  人形はだらんとしている。
  初めに座っていたソファからずり落ち、床にへばりつく。



人形が板付きでソファにだらんと座っている。

人形 ……

  魔法使いが舞台奥中央窓パネルから入ってくる。

魔法 おやおや。かわいそうな人形。人間の子どもたちに今日もたくさん傷つけられたんだね。
魔法 昔とは全然違う姿になってしまったものだねぇ……(小声)
人形 ……
魔法 ずっと見て見ぬふりをしておったが、さすがに少々手を貸してやることにしてやろう。今日は綺麗な満月だ。私の力も強大なものになっておる。

魔法 そうだ、この少年の人形に命を吹き込むのはどうだろうか。私もずっと一人でな、暇をしておったのじゃ。そうだそれがいい。友達になってもらおう
少年 ……
魔法 反応してくれないのは寂しいなぁ。ではさっそく。

魔法使い、舞台奥を歩き回り、人形の斜め後ろ(舞台奥側)に立つ。

魔法 月夜のもと、強大なものとなる我が力。この尊き儚い非力な人形に救いの手を差し伸べたまえ。

   魔法使い表情を緩ませる。

魔法 命をもった少年にな〜れっ♪

   あたりは静まる。
   魔法使い不安になる。
   人形、客席側に向ける。目をぱちくり。

人形 ぁ……、ぅ…あ、え
魔法 おう、よかったよかった。ひっさしぶりに強大な魔法を使ったから失敗したのかと思ったぞ
人形 あ…、ぁあ、あ……ぇ
魔法 ん、少年。人の言葉は分かるだろ。あ、あれか。急に動けるようになってびっくりしているのか。なにあわてる必要はない。ゆっくりゆっくり自分の体に慣れるといいぞ
人形 あなたは……。初めて見る顔
魔法 私。千年ほど前に大陸中を騒がせた偉大なる魔法使いだよ。今は力が衰えてひっそりと暮らしている
人形 あの……、なんで僕を助けてくれたの
魔法 一人で生きてると暇なのじゃ。一緒に話し、笑いあえる相手がほしかったのだ
人形 だから……なんで僕

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