かごめかごめ

(かごめかごめ)
初演日:2018/7 作者:そよ風
かごめかごめ 
舞台中央、薄暗い雨音の中、男1が座っている。
しばらくすると男2、女1、女2がやってきて男1を取り囲み、かごめかごめを歌い出す。

男2、女1、女2 かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った うしろの正面だあれ?
明転とともに雨音も消える

男1 マコト?
女1 残念でした〜。正解は私ホノカでした。
男2 これで3連敗だな。ユウヤ弱すぎ。
男1 うるさいな
女2 センスない
女1 確かに
男1 うるさいよ。そこまで言わなくてもいいだろ
男2 それにしても普通3連敗もするかね
男1 仕方ないだろ。分からないものは分からないんだよ
女2 負け犬の遠吠え
男1 うっ…
男2 よーし、じゃもう一回戦と行きますか。
女1 おー
男1 ちょっと待て。まだこれやるの?
女1 何よユウヤ。不満でもあるの?
男1 そりゃああるよ。大体なんでかごめかごめをやるのかまずはそこだろ。
男2 いつもテレビゲームだとつまんないからだよ。たまにはさ昔懐かしいゲームをするのもいいかなって思ったから。
女1 あとついでに補足すると、今現在ユウヤは家賃未払いで電気止められてテレビつかないからっていうのもあるね。
女2 貧乏人
男1 言い返せない…
男2 バイトは?
男1 先月辞めたよ。小説に集中したかったから。
男2 へえ。じゃあ今現在進行形で無職なんだ。
男1 失礼な。駆け出し小説家と呼べ。大体人の部屋に勝手に来て、仕事の邪魔しないでくれるかな。
女1 仕事って、この原稿白紙なんですけど。
男1 それは…
男2 まあまあ。そう言うなって。こいつ昨日講談社に原稿持って行ってボロクソに言われたんだってさ。
男1 おいやめろよ。俺結構傷ついてるんだぞ。

女2 机の上にある原稿を見つける。

女2 原稿ってこれ?
男1 あっちょっと!
女1 んー?『黒ヤギと白ヤギのドロドロ愛憎劇』なにこれ?
男1 白ヤギが愛憎に駆られて黒ヤギを殺す話だよ。
女2 変なの。
男1 えっ
男2 だろ〜。世界観がよくわからないよな。大体いまの時代に文通って…
男1 お前たち凡人には俺の小説の良さなんか分からないんだよ!
女2 そんなんじゃ一生売れない。
男1 うっ…
女1 うわ〜。はっきり言われた。
男1 だから今こうやって次の原稿書いて、リベンジしようとしてるんじゃないか。それなのにお前らときたらいきなりうちに押しかけて原稿の邪魔しやがって。
女1 だって休日家にいても暇なんだもん。でもさそう言いながらユウヤだって私たちと一緒に遊んでるじゃない。
男1 それは、あえて遊びに興じる事で、想像力を高めてるんだよ。そうやって作品のクオリティをあげようと…
女2 今のユウヤ今までで一番カッコ悪い。言い訳がましい。
男1 えっ
女1 来たー!毒舌のプロ、マユ先生の渾身の一撃!これはユウヤ選手もノックアウトでしょうか。
男1 しないから!心には刺さったけどさ。
女2 無職一直線
男1 そこまで言います? 
女1 おおっとダメージはかなり大きい模様です。いや〜どう思いますか解説のマコトさん。
男2 あと2、3発食らえばKOでしょう。ユウヤ選手のメンタルは豆腐並み。一方マユ選手の口の悪さは天下一品。これはもう勝負は見えてるでしょうね。
女1 なるほど。ユウヤ選手いつまでこの攻撃に耐えられるんでしょうか。我々非常に楽しみです
男1 しつこいな!別にKOなんてしないし。とにかく…
男2 ハイハイ。わかってるよ。
男1 分かってくれたならいいけど
男2 慰めて欲しいんだよな
男1 ん?いやいや違うから。俺は
男2 みなまで言うな。分かってる。俺たち一丸となってボロボロになってるお前を元気付けるからさ。
男1 分かってないから。俺は原稿の邪魔されたくないから、静かにしてくれと言ってるんだよ。
男2 分かってる分かってる。みなまで言うな。
男1 もうみなまで言ったわ。とにかく今から集中するからお前らは静かにしておいてくれよ。
女1 りょーかい

男1 机に向き直る

女1 それにしても、ユウヤってほんとマユに頭上がんないよね
男2 そりゃあ、口の悪さじゃマユちゃんに勝てるやつなんていないだろ。
女1 的確に相手の心をえぐりにくるよね
男2 それにしてもさ、ユウヤもなんか言い返せばいいのに
女1 あれですよ。彼生粋のドMだから、あえて言い返さないんだよ

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