だから世界は美しい

(だからせかいはうつくしい)
初演日:0/0 作者:烏村そらまめ
吉田 マサキ(高2)
底辺高校、楓高校に通う。成績は学年最下位。いじめられっ子。

吉田 ユウタ(高2)
マサキの双子の弟。超有名進学校、紅葉高校に通う。成績は学年一位。性格が悪い。

吉田 母(43才) 
ユウタにメロメロ。最近白髪が増えたことを気にしている。

鈴木 モモカ(高2)
底辺高校 楓高校在学。友達もそこそこ多く、勉強、スポーツもそこそこできる。教師などからの信頼も厚く、面倒見が良い。しかし実はリストカット症候群。

三浦 ミツキ(高2)
楓高校のヤンキー。いじめっ子のリーダー。吉田の双子の幼なじみ。本当は家族思いの優しい人。

マリア
自称2人目のサンタクロース。世界中の子供の情報が載っている魔法のノートを持っていて、不幸な子供にプレゼントを渡す仕事をしている。

三浦 ヨウコ(10歳)
 ミツキの妹。心配症。

マリアその2
 タイムパラドックスにより生まれた二人目のマリア。

生徒A ミツキの取り巻き。
生徒B ミツキの取り巻き。
生徒C ミツキの取り巻き。
生徒D ミツキの取り巻き。 
第一章
小さなテーブルに正座で向かい合う母とマサキ
母  :国語29点、理科32点、社会41点、英語23点そして数学…18点。
1学年203人中の203位…。はぁ、何なのこの成績。弟はかの有名進学校のテストで校内偏差値がいつも1位だっていうのに、なんでお兄ちゃんはこんなにできが悪いのかしら。
マサキ:えへへ…(頭をかくしぐさ)
母  :笑い事じゃありません!
マサキ:は、はひぃっ

 間

マサキ:でもさ、前回より国語3点上がってるじゃん?他の教科は下がってるけど…。
母  :はぁ、もう高校生なんだから進路とかよく考えなさいよ?

 母、憐みの目をマサキに向け、はけようとする。と、そこにユウタが学校から帰ってくる。

母  :あらぁ、ユウちゃんお帰り♡(猫なで声)
ユウタ:ただいま母さん。あ、そうだ、俺今年も部活の大会でまたレギュラーになったから。
母  :まぁユウちゃん、すごいわぁ♡
ユウタ:別にすごくなんてないさ。当然だよ。
マサキ:本当はすごいと思ってるくせに(ぼそっ)
母  :あ、そうだ!ユウちゃんのレギュラー入りのお祝いに今日はごちそうにしましょう!
ユウタ:ありがとう、母さん。じゃあ俺何か手伝うよ。
母  :まあ、なんていい子なの!じゃあ米をといでおいてもらえるかしら。お母さんその間に夕飯の買い物に行ってくるわ♡
ユウタ:うん、分かった。気をつけてね。
 母はける。ユウタがマサキに近づく。
ユウタ:兄さん、また最下位だったんだって?
マサキ:…そーだよ。悪いか?
ユウタ:悪いも何も、かわいそうだなーって。
マサキ:(怒ってユウタの襟首をつかむ)あんまり調子乗んじゃねーぞ。別に、お前の方がたまたまちょっと勉強が出来て、ちょっとスポーツができて、ちょっと顔が良くて、うう…
ユウタ:なに?わざわざ俺のことほめてくれたわけ?ほんと俺ってすごいよな、兄さんよりなにもかも優れている。
マサキ:僕には…
ユウタ:ん?(挑発)
マサキ:ぼ、僕にはなあ!お、お前とちがってモモちゃんっていう超かわいい彼女が居るんだよ!モモちゃんはな、別に絶世の美女というわけではないが、料理も出来るし、頭もそこそこいいし、優しいし、かわいいし、なによりぼくのことめっちゃ大事にしてくれる超いい子なんだからな!
ユウタ:ふーん?モモちゃんってあの鈴木モモカ?モモカも堕ちるところまで堕ちたな(笑)
マサキ:…んだとぉ!?
ユウタ:(急にまじめな顔になって)兄さん、忠告しておくけどさ、他人のことをまるで自分の事のように話すのはやめておいた方がいいよ。もしそれが兄さんにとっての唯一の救いだとしてもね。そうじゃないと、モモカもすぐ兄さんのそばを離れて行っちゃうよ。
マサキ:…え?(手が緩む。その隙にユウタが逃げる)
ユウタ:あ、そーだ。兄さん米といでおいてね。
マサキ:は?それはお前が任された仕事じゃ…?
ユウタ:優等生にお手伝いなんかしている暇ないの。兄さんみたいな劣等生はせめて俺みたいに社会の役に立つような人間の奴隷にでもなるべきだ。
マサキ:…っ!
ユウタ:そいじゃ、よろしくー
ユウタ逃げるようにはける
マサキ:ふざけんなよ、弟のくせに。僕だって、僕だって努力してるんだよ。あんなやつ、消えちゃえばいいのに…。

  暗転

 場所は屋外。モモカがそっぽを向き、マサキがなだめている

モモカ:いきなりキスするなんてマサキくんの変態!なに考えているのよ!
マサキ:い、いやあ、だってそういう雰囲気だったし…
モモカ:だってじゃないわよ!キモチワルイ。

モモカ、ぶるぶる〜のポーズ

マサキ:モモちゃ…
モモカ:もういい!マサキくんなんて知らない!別れる!

モモカ、振り向いてマサキをビンタ。そのままつっけんどんにはける

マサキ:くっそ。折角今年は彼女とクリスマス一緒に過ごせるかと思ったのに…!あの恩知らずめ。僕が居なければあいつは今頃どうなっていたことか。…あんなやつなら付き合わなければ良かった。モモちゃんなんて消えてしまえばいいのに…。

  暗転

場所は屋外。マサキとミツキを取り囲む男子生徒(生徒A〜D)。マサキの右頬には湿布。

ミツキ:おい吉田ぁ、金出せよ、金!

 マサキ、黙って財布を差し出す。ミツキ、中身を確認して舌打ち。

ミツキ:二千?こんなはした金じゃ何もできねーじゃねーか。
マサキ:…
ミツキ:おい、お前俺らのことなめんじゃねぇぞ。
マサキ:…
ミツキ:あ?なんか言えよ。
マサキ:…
ミツキ:もっと持ってんだろぉ!!(マサキの腹を殴る)
マサキ:かはっ!(イメージ的に吐血)
ミツキ:あ?なんか言ってみろよ。
マサキ:…ないです。
ミツキ:あん?聞こえねえよ。
マサキ:…持ってないです
ミツキ:ああん?!もっかい言ってみろ!
マサキ:ごめんなさい、持ってないです…

ミツキがマサキに腹パン。マサキが地面に這いつくばる。取り巻き、あざ笑う
 そこにユウタが通りかかる。

マサキ:ユウタ、た、助け…ぐふっ

 マサキ、ミツキに顔面を蹴られる。
 ユウタ、マサキをちらっと見るも、無視して帰る。

ミツキ:ははは、弟に無視されてやんの(笑)
生徒A:え、さっきの吉田の弟なの?紅葉高の制服着てたけど。
生徒B:え、お前知らないの?あいつ吉田の双子の弟だぜ。やばいよな、兄は底辺高校の底辺だっていうのに弟は俺らでも知っているような進学校の生徒。

 一同、笑う。

ミツキ:なっさけないなぁ!

 ミツキ、盛大にマサキを蹴飛ばす

マサキ:だ、誰か、助け…モ、モモちゃ…

 ミツキ、再び蹴飛ばす。

ミツキ:あーあ、とうとう女の子の名前出しちゃったな(笑)かっこわる。
生徒C:ていうかこの人この前振られたんじゃなかった?
ミツキ:あ、そーなの…?やっぱり遊ばれてただけだったんだな。

 マサキ、ミツキの足首にしがみつく。

ミツキ:あ?なんだよ。
マサキ:あ、遊ばれてなんか…モモちゃんはそんな子じゃ…(蹴られる)
ミツキ:うっぜーんだよ!とにかく、明日までに金用意しておけよ。
マサキ:…

ミツキと取り巻き、ケラケラ笑いながら去る。

 間

 マサキ、ぴくぴくしながら起き上がる。

マサキ:くそっ!なんだよ、あいつ。昔はよく一緒に遊んでいた仲なのに。モモちゃんのことまでバカにしやがって…!あんなやつ、消えちまえばいいのに…。

  暗転

 場所は吉田家。マサキの左目には眼帯。マサキ、棚の引き出しのなかの母の財布から金を盗ろうとする

母  :なに、してるの…?
マサキ:あ、いや、これは…
母  :それ、母さんの財布よね…?
マサキ:……
母  :…なにしてんのよこの泥棒!!!!
マサキ:ち、ちがうんだ!
母  :泥棒の言うことなんか聞きたくないわ!出て行きなさい!

 マサキ、家を追い出される。

マサキ:なんだよあのクソババア!僕のことなんか何にも知らないくせに、なんだよ、なんだよぉ!もうあんな母親、消えちまえばいいのに…!

  暗転



面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。


ホーム