指切狂想

(ゆびきりきょうそう)
初演日:2018/7 作者:穂村一彦
公演時間:25〜30分

登場人物;4人(男1女3)全員高校生。制服姿。

シュン:男。ノイローゼ気味
メ グ:気が強く、怒りっぽい
赤 坂:おどおどしている。争い事が苦手
黒 崎:不気味。オカルトが好き

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(無人の部室。メグと赤坂が入ってくる)

メ グ「……(きょろきょろしながら入ってくる)」
赤 坂「お邪魔しまーす……」
メ グ「ねえ。誰もいないの?」
赤 坂「おかしいね。夜7時にオカルト研の部室って言ってたのに……」

(黒崎、その後ろにシュン、入場)

黒 崎「お待たせ」
赤 坂「ひっ!」(後ろから突然呼びかけられて驚く)
メ グ「シュン? あんたも黒崎さんに呼ばれたの?」
シュン「あ、ああ、俺は呼ばれたっていうか……」
黒 崎「待って。無駄話よりも先に用件を済ませましょう。もうこんな時間なんだし」
メ グ「こんな時間って、こんな時間に呼び出したのは、あんたでしょ?」
黒 崎「しかたないでしょ。そう決められているのよ。
    1つ。儀式は必ず日が暮れてから行わなければいけない」
メ グ「儀式?」
黒 崎「続けるわね。
    1つ。儀式は必ず3人以上で行わなければいけない。
    1つ。儀式のあいだ、決してコインから手を離してはいけない。
    1つ。こっくりさんの言うことは全て真実……決して疑ってはいけない。
    ……以上よ。何か質問はある?」
メ グ「…………あのさあ」
黒 崎「なに?」
メ グ「もしかしてだけど、私たちを呼び出した理由って、こっくりさんをやるため?」
黒 崎「そうよ」
メ グ「ばっかじゃないの!? こういうのはさ、小学生がやるもんでしょ?
    私たちもう高校生よ? つきあってられない」
赤 坂「私も……怖いのは、ちょっと苦手かな……」
メ グ「帰りましょ」
赤 坂「う、うん」
シュン「……待ってくれ」
メ グ「どうしたの?」
シュン「俺が黒崎に頼んだんだ。こっくりさんをやりたい。協力してくれって」
赤 坂「シュンくんが?」
メ グ「なんで……シュンって、オカルトとか好きだっけ?」
シュン「お前は心配じゃないのか? ……スズナのこと」
赤 坂「あ……」
メ グ「……もちろん、心配に決まってるよ。もう一週間だもんね……。
    でも、だからって……
    スズナが今どこにいるか、こっくりさんにきいてみようっていうの?」
シュン「そうだ」
メ グ「あのねえ」
シュン「もうこれしかないんだ! 繁華街、町はずれ、山、海……
    この一週間あらゆる場所を探した。でも見つからない……
    スズナはいま一人ぼっちで、きっとおびえている。俺たちに助けを求めてる。
    俺はスズナと約束したんだ。ずっとスズナと一緒にいるって……!
    それなのに、俺は何もできない。何も……何も……!」
メ グ「……(ため息)これ、どうしても三人以上必要なの?」
黒 崎「ええ。絶対よ」
メ グ「他にいなかったわけ? オカルト部の部員とか」
黒 崎「オカルト研究部の部員は私一人だけよ」
メ グ「……わかったわよ。一緒にこれ、やればいいのね?」
シュン「協力してくれるか!?」
メ グ「シュンがそこまで言うならね」
赤 坂「うん、ちょっと怖いけど……私も入る」
シュン「ありがとう! じゃあ黒崎! 頼む!」
黒 崎「ええ……ではみんな、この机を囲んで。10円玉に指を置いて。
    さぁ、私のあとに続いてちょうだい。
    こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください」
全 員「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください」
黒 崎「もしおいでになられましたら『はい』へお進みください」
全 員「もしおいでになられましたら『はい』へお進みください」
黒 崎「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください」
全 員「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください」
黒 崎「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください」
全 員「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください」

メ グ「ほら、何も起きないじゃん。もう手、離してもいい?」
黒 崎「まだよ。まだ続けるわ」
メ グ「無駄だって。こんなのいくらやったって……」
シュン「あ……」(10円玉が動く)
黒 崎「動いた……!」
シュン「……『はい』……」

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