家日記
・登場人物・
妖精:”家”の妖精的な存在。気まぐれで自由人(舞台上はふらふら動き回る)。憎めない性格をしているが嫌味が的確だったり、ふわふわして掴めない性格。歴史に詳しい。スポーツに憧れがある。
弟:小学5年生。京太郎くん。ピーマンが嫌い。わんぱく。
姉:高校3年生。由紀子ちゃん。学校には通っておらず、家に引きこもっている。
母:年齢は40歳。パートで働きながら家事をする。怒ると怖い。
父:42歳。企業に勤めるサラリーマン。家を買ったのは25歳の時。



【場面1】
♪鳥のさえずり。朝の予感。
机が舞台の中央に一つ。その机を取り囲むように三つ椅子が置いてある。
基本的に「家の妖精」は真ん中、客席に顔を向ける形で席に座る。
ストーリーは常にリビングで進行する。朝から、夜までの流れ。
リビングの中央にはテーブルと、椅子が4つ。その1つに、
「家(の妖精的な存在)」が座って、トランプタワーを作って遊んでる。
フライパンを叩く音。

母はフライパンとおたまを片手に一つずつ持ち、上手より登場。
下手に向かって怒声をあげる。

母   はーやーくー!起きろ!!!

すぐさま母は上手より退場。
少し間があって、下手より弟が入場。

京太郎  ふぁあ。
妖精  おはよう。
京太郎 おはよう。
妖精  今お母さんが朝食を準備してる。
今日は京太郎の嫌いなピーマンと野菜の炒め物だって。
京太郎   えぇ。やだなぁ。
妖精   好き嫌いは駄目、ってまた怒られるよ。
京太郎  だって、美味しくないのに食べる意味がわからないよ。
妖精  バランスよく食事を摂らなきゃ。僕にはよく理解できないけれど、「健康第一」っていうだろう?
京太郎   健康ねぇ。あんな不味い食べ物で、健康。
大体、ピーマンが身体に良いなんて聞いたこともないけど。
妖精   僕だってよく知らないけど、うちではね、お母さんの言うことは絶対なの!
そう決まってるから仕方ないでしょう。あ、じゃあ1ついいことを教えてあげる。
京太郎  え、何??
妖精  君のお父さんも、ピーマンが嫌いだった時期があるんだ。
京太郎    え、お父さんが!?!?
妖精     そう。最近は美味しそうに食べてるけど、実際はどうなんだろうねぇ。
京太郎     知らなかった。
妖精  知らないことはなんでも聞いて?(ドヤ顔で背広を強調して)
僕、こう見えて今年で18歳だから。
京太郎 もう18歳?おねぇちゃんとほぼ一緒だね。
妖精  そうだよ。しかも、自分で言うのもあれだけど、物凄く賢いんだ。
京太郎  えー、そうは見えないけど??
妖精  18年前から、今日までに起こった出来事ならなんだって覚えてる。
記憶力がいいんだ。

妖精は、1つ咳払いをする。

妖精  えー、君のお姉さんが生まれた年のニュースを読み上げます。
「2000年3/4、日本でplaystation2を発売。5/7、プーチンが大統領に就任。
7/23、タイガーウッズが全英オープンに優勝。史上最年少のグランドスラム達成。
サッカーアジアカップがレバノンで開催され、イチローが日本人初の野手メジャーリーガーとなる。」
まだまだありますけど?(超ドヤ顔)
京太郎   へぇ。
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