re:無人駅
緞帳が上がる
後ろ向きの健作にスポット
健作、受験票と前を何度か確認する
落胆した後、スポットの外へとはける

暗転
電車の走る音
音楽FI

(電車内)

健作、電車の座席に座ってスマホを見ながらイヤホンで音楽を聴いている
琴海、上手側から出てくる
健作を見つけると隣に座る
荷物を自分の横に置いてから健作に口パクで話しかける
健作は音楽を聴いているので気が付かない
琴海、健作の肩を叩く
健作はイヤホンを片方だけとる

音楽の音量を下げる

琴海 「今日は良い天気ですね」
健作 「はあ?…そうっすね?」

健作、怪訝そうにしながらイヤホンを戻そうとする
琴海、その手を掴む

琴海 「ねえ、君は淵健作君だよね?」
健作 「ええ、まあ…そうっす、けど…?
琴海 「私は琴海!秋月琴海!教養科目とか、けっこうたくさん健作君と同じ授業受けてるんだけど…」
健作 「はあ…?」

健作、ポケットからオーディオを取り出しとめる

音楽 CO

健作、もう片方のイヤホンも外す

琴海 「知らない、よね…」

琴海、残念そうにうつむく

健作 「なんか…すいません」
琴海 「仕方ないよ、だって健作君ってばいつもイヤホンしてスマホ見てるんだもん」

健作、持っていたスマホを見てから鞄にしまう
琴海、その様子を見て笑う

琴海 「ねえ?やっぱりここはつまらない?」
健作 「はい?」
琴海 「君、都会から来たんでしょ?こんな田舎に来るなんて珍しいね?」
健作 「別にいいだろ、どうでも」
琴海 「たしかにうちの学部は珍しいし、まあ来たくもなるか」
健作 「たいして珍しいことなんてしてないだろ」
琴海 「課題多いよね〜、もうへとへとだよ〜」
健作 「あの、用件は何ですか?」
琴海 「え、ごめんもしかして忙しかった!?単語テストの勉強とかする!?」
健作 「いや、そこまで勤勉な学生でもないすけど…その、面倒くさいっていうか」
琴海 「君と話してみたかったの!都会の話教えて?」
健作 「何で俺が、都会の話なんて…そんなに気になるなら自分で行けば良い」
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