りんごとわたし。

(りんごとわたし。)
初演日:2018/3 作者:岡崎美加
Story1『はじまりのりんご』
神様…冴えないヤラレ系キャラ。完全に舐められている。
アダム…パリピ系。ちゃらい。ちょりーす☆
イブ…インスタ系女子。不思議ちゃん。

【アダムと神様が言い争っている声とパシャリというカメラ音の音響。
明転すると、アダムと神様は言い争っており、イブは一人で自撮りをしている】
神様:禁断の果実、食べたよね?
アダム:食べてないっす
神様:食べたよね?
アダム:だから!!食べてないっす!!
神様:何でほんとのことを言わないの!!
アダム:だって食べてないものは食べてないっすもん!!
神様:あー!もう、いい!!アダムに聞いた僕が間違ってた!!イブ!イブ!!(イブの方に歩いて行く)
イブ:(自撮りしていて)あ、可愛く撮れた〜☆きゃは☆見てみてあっく〜ん!(するりと神様を交わしてアダムの元へと駆けよる)
神様:え?僕のことガン無視?
アダム:どれどれ?…んー、イマイチじゃない?
イブ:えー?可愛くなーい?
神様:おーい…
アダム:そんなに可愛くないかな
イブ:えっ、ひどーい!ばかばか!あっくんのばか〜!もう怒ったんだから!アングリーなう(ぱしゃり)
神様:どんな状況下でも自撮りはするんだ…
アダム:そう言われたってそんなに可愛く撮れてないもん
イブ:あ、また言った〜!ひどいよひどいよ!!もうあっくんなんてしらなーい!(ぷいっ)
アダム:…だって…さ、本物のイブの方が何千倍も可愛いから…
イブ:あっくん…!!
アダム:イブ…
神様:あの…ちょっと…僕もいるのにそういう空気出さないでくれる…?
イブ:仲直り、なう☆(ぱしゃり)インスタアップしなきゃ〜☆
神様:そう、それだよ!!(ずずいっと近寄る)
アダム:うわ、びっくりした!
神様:だから!!君達!!食べたよね!?僕があれだけこっぴどく食べてはいけないと言ったりんご…食べたよね!?
アダム:しつこいっす!食べてないっすよ!!
神様:いーや!絶対食べた!!
アダム:なんすか!!証拠はあるんすか!?
神様:ある!!
アダム:ほう!じゃあ見せてもらおうじゃないか!俺達がりんごを食べたという、その証拠ってやつをな!!
神様:ええっ!?何で急にタメ口なんだよ!!
アダム:あっと…へへ、すみません。正直、神様のこと敬ってもなんともないんでタメ口出ちゃいました☆
神様:敬ってないの!?もう、そういうのは心にしまっておいてよ!わざわざ口にしないでよ!傷つくじゃない…(傷ついたポーズ)
イブ:傷心(きずごころ)ナウ(ぱしゃり)
神様:イブも勝手に写真撮らないでくれる!?そして、傷心(きずごころ)って何!?傷心(しょうしん)のこと!?
アダム:はは、まあ落ち着こう?ね?
神様:ほら!!また!タメ口!!神様に、タメ口!!
アダム:もう神とかアダムとかイブとか、そんなの関係なくなーい?
神様:関係なくないよ!!
アダム:はは。まあそれよりほら?神っちが言ってる
神様:神っち!?
アダム:俺達がりんごを食べたっていう話〜?証拠でもあるの〜?なかったらやばいよこれー名誉棄損で訴えられちゃうやつだよ〜?
神様:それだよ!!
アダム:んー?
神様:まず、君達が喋れるようになっていることだよ!!君達は一週間前まで何も話すことはできなかっただろ!!何故なら「言語」というものを知らなかったからだ!!禁断の果実を食べて知恵をつけたからだろう!?
アダム:ぎくっ…
イブ:どきっ…
神様:そして、君達は一週間前から突然服を着始めた!一週間前までは裸だったのに!これは裸は恥ずかしいという羞恥心…即ち知恵がついたからだろう!!
アダム:ぎくっ…
イブ:どきっ…
神様:どうだ?これでも、まだ、シラを突き通すつもりか?!
アダム:え、え〜…!どうだったかなァ…俺達もう昔からぶいぶい言わせてたっていうか〜…服とかも〜…別に着ないと恥ずかしいから着てるとかじゃなくておしゃれの為に着てる訳で…
イブ:そうだそうだ〜!
神様:ほう?
アダム:いや〜、ほら!あれっすよ!!俺、マジ神様のことリスペクトしてるんで!!それで神様の真似を始めてみたっていうか…あ、じゃあ脱ぎましょうか!?ね?!脱いだら満足なんすよね!?こんな服なんか着てるから、羞恥心がとか疑われてるんすよね!?(服を脱ごうとし始める)
神様:ちょわー!?何何!?何で脱ごうとしてるの!?
アダム:疑われる位なら…こんな服など、いらぬ!!
神様:えー!?何その男気!?
イブ:ハッシュタグ、服などいらぬ(ぱしゃり)
神様:イブも何撮ってるの!?
アダム:で!?どうするんすか!?神様!!俺が脱いで、そしたら満足なんですか!?ええ!?
神様:ぜ、全然満足なんてしないよ!むしろ不快だよ!!
アダム:でも、服を着てるから知恵がついたなんて妄想する訳でしょ!?
神様:い、いや…妄想してる訳じゃ…
アダム:それならこんな服など…脱ぎ捨ててくれるわー!!
神様:やめろー!!ま、まずい!!神パワー発動!!はーっ!(手を天井にばっと掲げると暗転になる。)
【暗転の中声だけ聞こえ、ムーディーな曲が流れ始める】
アダム:ふんーっ!!
神様:やめろー!やめてくれ!頼むから服を着てくれ!
アダム:何を言ってるんすか!!一週間前までは舐めるように俺の全裸見てた訳でしょ!?
神様:見てないよ!!そんな不埒な目でなんて一切見てないよ!!
アダム:ほら!じゃあ見ればいいじゃない!気が済むまで!!さあ!!
神様:や、やめ…ちょ…何で君のイチモツ元気になってるの!?
イブ:元気、なう(ぱしゃり)
神様:やめなさいイブ!撮るんじゃありません!!
アダム:さあ!見ろ!!
神様:わかった!!わかった!!服の件では君達をもう疑わない!!疑わないから服を着てそれをしまえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
【音楽大きくなっていき、C.O.それと共に明転。】

神様:もう、やだ…何で僕がこんな目に…
アダム:神っちが俺らを疑うからっしょ〜ww
神様:疑ってる訳ではなく…はァ…もうこうなったら仕方ないな…(懐を探り始める)
アダム:何何―?慰謝料的な感じ?ちょっとの額じゃ俺ら納得しないよ〜?
イブ:ちょっとじゃ、駄目(ぱしゃり)
神様:そんなの払う訳ないだろ!むしろこっちが慰謝料請求するよ!!なんでこんなに状況的な証拠が揃ってるのに認めようとしないんだ…!はぁ…仕方ない…本当は素直に罪を認めて欲しかったんだけど…どうやら君達には悪い知恵までついてしまっているようだからね…(スマホを出し始める)
アダム:ス、スマホ…?ま、まさか…神っち…
神様:周りの神様達にすすめられてね…らくらくスマホだけど…一通りのことはできるんだよ、これでも。
アダム:ま…まさか…
神様:その、まさかだよ…君達がりんごを食べた決定的な証拠が…これだーーーーー!!
アダム:ぐ、あぁぁぁぁァあああああああ!!
イブ:そ…それは…イブがインスタにアップした…
神様:そう…『禁断の果実、なう』だ!!
(神様、客席にスマホを見せつける。音響が一瞬鳴りやみ、ストップモーションでアダムとイブきめっきめのポーズをする。一瞬の空白の後また音楽が流れ始める。それにより時の流れが戻る)
アダム:油断したーーーーーーーーーーーーー!(床になだれこみ)ぶっちゃけ、神っちは情弱だからばれやしないって…油断したー!!
神様:ねえ!何でちょいちょい悪口挟んで来るの!?
イブ:うえーん…ごめんねあっくん…イブがインスタにアップしたばっかりに…
アダム:いいんだイブ…俺もなんだかんだノリノリで撮ってたから…
イブ:あっくん…
アダム:イブ…
イブ:あっくん…ラブラブなう(ぱしゃり。2人またしてもめっちゃ決め決めポーズで)
神様:全然懲りてないよね君達
アダム:こうなっては仕方ない…最後の手段だ、イブ!!
イブ:ハッシュタグ最後の手段(ぱしゃり)
神様:またよからぬことを考えてるんだけど…
(アダム、イブに耳打ちする。イブ、こくこく頷く)
アダム:…やれ、イブ!!
イブ:(力強く頷き神の元へ行く)食べてないですぅ〜ですですぅ〜信じて欲しいのですぅ〜ですですぅ〜
神様:ちょ…何これ…
イブ:色仕掛けなの〜☆なのなの〜☆
アダム:どうっすか!!なんだかんだ言っても理性ふっとびそうなんじゃないんすか!!イブのハニートラップに!!よ、このスケベ!変態!ドM!!
神様:何だよ!その流れるような悪口!!
イブ:ね、お願いお願いおねがーい!!見逃して〜vV
アダム:どうっすか神っち!!イブのあまりの可愛さに、ゆる、す〜…?
神様:訳ないだろ!!悪いけど僕にはこんなの通用しないよ!!
アダム、イブ:(びっくりした表情で後ずさる)
神様:何!?その反応!?
イブ:(神様をぱしゃり)ハッシュタグ…枯れている
神様:枯れてないよ!だからちょいちょい悪口やめろ!
イブ:てへ☆
アダム:こうなったら仕方ないな…今度こそ本当の最後の手段だ…
神様:えー、まだ続くの?!何しても無駄だからね!?
アダム:イブ、泣き真似をするんだ!泣き真似を!涙は女の武器!!必殺泣き落としだー!!
イブ:わかったよ、あっくん!!えーん、えんえんえーん!(似非臭く泣き始める)
神様:えー…何この茶番…思いっきり泣き真似しろのくだりから聞こえてんだけど…
アダム:ああ、可哀想なイブ!こんなに泣き腫らして…!ちらっ(神様を見つめる)
イブ:ちらっ…
アダム:ちらっ…
イブ:ちらっ…
神様:えー!?何何?!何なのそのチラ見!!
アダム:無言の圧っす
神様:全然無言じゃないじゃん!ちらちら言ってるじゃん!
アダム:無言だと神様位の鈍感野郎だと気付かないかと思って効果音いれてみました。優しさっす
神様:し、自然と悪口…と、とにかくね!!君達がふざけてアップしたこのインスタの写真…一部の神様達からは反感を買って、もう大炎上しちゃってるんだよ…!!
アダム:ふざけて撮ったいいね目的の写真が大炎上…!
イブ:でも、やっぱり誰からもいいね来ないと寂しいもん。あれ?私のこと、興味ない?みたいな…炎上してもなんでも、皆から注目浴びたい
神様:ちょっと、僕にはその感覚はわからないな…
アダム:神っちは枯れてるから…
神様:だから、枯れてないって!で、…君達には悪いけど、罰を科せることになりました。
アダム:そんな!!ちょっとした悪ふざけなのに!?
神様:もう神様の世界では決まったことだから…
アダム:えー!!どんな…どんな罰っすか!?変顔ツイートするとかっすか!?
イブ:それとも痛い痛いポエムっぽい日記の投稿!?
神様:そんなソーシャルネットワーク絡みの罰じゃないよ!!それに、もっと重いよ!!
アダム:あんまり重い罰は嫌っす!楽な罰がいいっす!!
神様:虫がいいな君達は…!まずはアダム!君には労働の罰を与える!!
アダム:労働―!?
神様:そして、イブ!君には産みの苦しみを与える!!
イブ:うみのくるしみ?!…ってなぁに?
アダム:ああ、イブ…君はほんとにバカ可愛いよ
イブ:てへ☆
神様:このバカップル共め…。そして!そんな2人には!!共通してこの楽園…エデンからの追放を言い渡す!!
アダム、イブ:えー!!
神様:僕もそこまで重い罪にするのはって抗議したんだけど、聞き入れてもらえなかったんだ…ごめんね…
イブ:やだやだやだ!!イブ、ずっとエデンにいたい!!
アダム:そうっすよ!!俺達、りんご食ったから知ってるんすよ!!ここのエデンがいかに素晴らしい所かってことをね!!
神様:僕だって君達と離れるのは心苦しいけどさ…
イブ:やだやだやだやだー!!だって、エデンから出たらインスタもツイッターも出来ないじゃん!!電波入らないじゃん!!
神様:そこ!?
イブ:そんなのやだよー!!
神様:もとはと言えば君達が食べちゃ駄目って言った禁断の果実を食べるからでしょ!挙句の果てに禁断の果実、なうとかインスタにアップするし!!
アダム:それは、反省してるっす
イブ:ハッシュタグ反省(2人で決め顔でぱしゃり)
神様:ほらー!!全然反省してないじゃん!!何アップしてるんだよ君達!!(電話音)あっと!?…はい?え!?(その間に2人めっちゃ自撮りを始める)…はい、申し訳ございません…その件に関しましては現在両名に申し送りをしておりまして…え?あ、はい…そうですね…いえ、そんなことは…!!………も、申し訳ございません!!早急に…!早急に追放しますので…!!(電話を切る)うわー、ほら!他の神様達から怒りの電話来たじゃん!ってまた自分撮りしてるし!!なんなの君達!!ねえ!!
イブ:インスタ映えする写真を撮りたいの〜☆きゅるん☆(ぱしゃり)
神様:だから、イブ!!撮らないで!そして、載せないで!!(またしても電話音)あ〜!もう、これ絶対怒りの電話だよこれ!!!もう!さっさと出ていって君達!!あんまり長々いると更に大炎上する写真をアップしかねないから君達!!(イブからスマホを取り上げる)
イブ:あ、イブのスマホ…!返して!!返してー!!
アダム:…いこう、イブ
イブ:え!?あっくん…それでいいの?!イブ、嫌だよ!!インスタもツイッタ―もない世界なんて絶対に嫌!!皆と繋がっていたいし、皆から注目浴びたい。皆にイブのこと、見ていて欲しいよ!
アダム:俺だって、そりゃあ嫌だけどさ…
イブ:じゃあ
アダム:でも、正直、この神っち一人ならどうにでもできたと思うけど
神様:またしも悪口…!
アダム:ここまで炎上してしまった以上これ以上ここにいたって肩身が狭いだけさ
イブ:でも、ここから出たらもう電波入らないんだよ!?いいねももらえないしアップロードもできないんだよ!そんなの…寂しい…
神様:えー…そこー?もっとあるでしょ…ここから出たら電波はおろか何もないからね…食べ物も家もありとあらゆるものがないからね…?
アダム:大丈夫だよ、イブ…
イブ:あっく(抗議しようとして遮られる)
アダム:俺がいるから…だから、君は一人じゃない。だってイブ…君といられたらどこにいても俺は楽園だよ。君がいれば俺はそれだけで幸せさ。
イブ:あっくん…
神様:僕がいるというのにいつもお構いなく始まる、突然のラブラブタイム…
アダム:インスタもツイッタ―も…2人でゆっくりつくりあげよう。2人でなら、何でもできるさ…2人ならね。俺には、君が必要なんだ。インスタもツイッターもない世界だけど…俺と一緒についてきてくれないか?
イブ:あっくん…喜んで…!!インスタもツイッターも好きだけど…それよりもイブはあっくんが好きって気付いたよ!!皆が見てくれても、あっくんが見てくれないと意味がない。あっくんがいれば、イブは寂しくなんてないんだね
アダム:イブ…ありがとう。
イブ:あっくん…!
アダム:イブ…!!
神様:おーい…もう出てってくれるかな?
アダム:という訳でお世話になりました。俺達は2人でこれから頑張っていきます。どんなに楽だったとしても永久にここに1人っていうのと…困難あれど大好きな人と2人でいられるの…はたしてどっちが幸せですかね(嘲笑)
神様:えー…何この嫌な感じ…
アダム:神っち、俺達は禁断の果実さえ食べなければ、ずっと楽園にいられたと思うっす。でも、このりんごを食べなければ、俺達はお互いが男で女であることすら知らず、ただぼんやりと毎日を過ぎごしていただけっす。何も始まらなかった。この、好きだという気持ちを知ることもなかった。イブを好きになるまでの平和な日々と、イブを好きになってからの今…どっちが幸せかなんて比べる間でもないことっすよ。
イブ:あっくん、かっこいい…!!一生ついていく!!
アダム:いわば、この禁断の果実は俺達にとって、はじまりのりんごっす。このエデンを追い出されたって、イブと一緒なら全然後悔はないっすよ…!だって、絶対!神っちより俺の方がリア充で幸せだから++
神様:ぐあっ…なんで…なんで最後にそんな僕のメンタルを攻撃していくんだ…
アダム:そんな神っちに、俺からの置き土産っす(懐からりんごを取り出す)禁断の果実、うまかったっすよ!ごちそうさま!
イブ:ハッシュタグ、置き土産
アダム:行こう、イブ
イブ:はーい☆あっくん☆
(2人はけていく)
神様:えー…何この感じ…(スマホとりんごを見て途方に暮れる)はじまりのりんご、か…(りんごを一口かじり、自撮りをして)ハッシュタグ、はじまりのりんご…
駄目だ、全然いいね来ない……イブの言ってた通り、誰からもいいね来ないと寂しいもんだなぁ…炎上してもなんでもいいから注目浴びたい…か。今なら、その気持ちわかる気がする…………さみしい…。僕は、孤独だ…

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