Good-bye My Life

(グッバイマイライフ)
初演日:0/0 作者:梓間ヒサト
【登場人物】
・川村悠斗(かわむらゆうと、男)
・瀬戸泉(せといずみ、男)
・ヤマ(女)
・ユノ(女)
・先生(男女不問、脚本上では男)
・看護師(男女不問、脚本上では女、表記は看護)
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 〈開幕〉

 【シーン1】夢の中
 〈スポット1〉上手、ヤマを照らす

ヤマ「お前は毎日無駄な日々を過ごしている」

 〈スポット2〉下手、ユノを照らす

ユノ「お前は、自分の命を大切に思っていない」

 〈スポット3〉中央、悠斗を照らす

悠斗「なんの話だよ。っていうか、お前ら誰だ」
ヤマ「僕たちはライフエクスチェンジャー。命の交換者だ」
悠斗「命の交換者?」
ユノ「死にたいと思ってる奴。自分の命を大切にできない奴。お前みたいに、無駄な日々を過ごしてる奴の命と、生きたいのに生きられない。そんな人の命を交換する」
悠斗「はぁ? なんだよそれ。そんなことできるわけねぇだろ」
ヤマ「できる。僕たちの仕事は、そういうものだ」
悠斗「まぁいいや。そうだとして、なんで俺の前に現れるんだよ」
ユノ「お前は毎日を無駄に過ごしすぎている」
ヤマ「授業を面倒臭がり」
ユノ「人と関わることを面倒臭がり」
ヤマ「未来に希望を見いだせず」
ユノ「また何もしない今日を過ごす」
ヤマ「お前の毎日は無駄の連続だ」
悠斗「……うるせぇよ」
ヤマ「いや、『自分で無駄と自覚している日々』の連続か」
悠斗「……。だったらなんだ」
ヤマ「言っただろう? 僕たちは命の交換者だ」
ユノ「その命、未練がないなら、引き取ってやってもいい」
悠斗「命を、引き取る?」
ユノ「生きたいと思ってる他の誰かに、お前の寿命を譲渡するんだ」
悠斗「それは……」
ヤマ「今すぐにとは言わない。ちゃんと考えるんだな」

 〈スポット1・2〉フェードアウト、消灯

悠斗「おい、待てよ! なぁ、俺は……」

 〈スポット3〉消灯
 
 【シーン2】学校
 〈明転〉

 苛々しながら歩いてくる悠斗

悠斗「あーもう、なんなんだよあの夢。最近あればっかりだ」

 先生が走ってくる

先生「おーい、川村!」

 悠斗、立ち止まり振り返る

悠斗「なんだよ」
先生「先生に向かってその口の利き方はないだろう?」
悠斗「はいはい。で、何?」
先生「ちょっと頼みがあるんだが」
悠斗「断る」

 歩いていこうとする悠斗を先生が引き止める

先生「ちょちょちょ。内容くらい聞いてくれよ」
悠斗「どうせロクでもないことなんだろ? 嫌だよ」
先生「そう言わずに、な?」
悠斗「いーやーだ」

 悠斗歩いていこうとする

先生「さっきの授業、お前寝てたよなー。知ってるか? 居眠りしてると授業出席したことにはなんないんだよなー。
   川村、これ以上授業休んだら留年決定なんだけどなー。あ、先生と一年長く一緒に過ごしたいー? 嬉しいなぁー」
悠斗「わかった聞くよ! 聞けばいいんだろ! 聞くだけだからな!」
先生「わー嬉しい」
悠斗「気持ち悪い。さっさと言えよ」
先生「(咳払いして)おつかいを頼まれてほしい」
悠斗「はぁ? おつかい? 子供じゃあるまいし」
先生「瀬戸のところにだ」
悠斗「は? 瀬戸ってなんだよ。誰?」
先生「お前なぁ……。クラスに一人いるだろ。ずっと休んでる奴。瀬戸泉」
悠斗「あー、そういえばいたような。そんな名前だったんだ。なにあいつ。不登校?」
先生「入院してるんだ」
悠斗「入院? 入院って、クラス替えしてからずっと来てないじゃん」
先生「ずっと入院してるんだよ。小学生の頃からずっと入退院を繰り返してるんだそうだ」
悠斗「で、その瀬戸のところに何しに行けばいいわけ?」
先生「授業の資料を届けてほしい」
悠斗「そういうのって委員長の仕事じゃねぇの?」
先生「委員長は今文化祭の準備で忙しい。他の生徒もだ。そこで、真面目に参加する気がなくて暇してるお前に行ってもらうことにした」
悠斗「なにそれ嫌味? まぁ、いいけど」
先生「じゃあ、頼んだぞ」

 先生、持っていた封筒を悠斗に渡す

 〈暗転〉

 【シーン3】病室
 〈明転〉

 ベッドに寝ている泉
 悠斗が入ってくる

悠斗「失礼しまーす」
泉 「……誰?」
悠斗「お前が瀬戸泉か? なんだ、女子だと思ってたのに、男かよ。ま、いいや。俺は川村悠斗。一応、お前のクラスメイトで、おつかい頼まれてきたんだ」
泉 「ありがとう」

 悠斗、泉に封筒を渡し、去っていこうとする

悠斗「じゃ、俺はこれで」
泉 「え、待って!」
悠斗「なんだよ」
泉 「もう、帰っちゃうの?」
悠斗「だって用は済んだし」
泉 「あの、お礼に何か買ってくるから、待ってて。ジュース、何がいい?」

 泉、ベッドを降りようとする

悠斗「いいよ、そんなもん」
泉 「でも」
悠斗「寝とけよ、病人なんだから」
泉 「でも……」
悠斗「なんだよ」
泉 「寝てても薬飲んでも、良くならないから……。だから、いい。起きてても変わらない」
悠斗「おい瀬戸」

 悠斗、歩いていこうとする泉を引き止める

悠斗「悪かったって。礼とかいいから、ちゃんと寝てろよ」
泉 「寝るのはもう飽きたよ」
悠斗「羨ましいことで。俺は寝ても寝ても寝たりないんだけどな。最近変な夢ばっか見るし。いいから、ベッドに戻れよ」

 泉、渋々ベッドに戻る

泉 「……夢、って?」
悠斗「あ?」
泉 「さっき、『変な夢見る』って言ったから」
悠斗「あー、別に人の夢の話なんか面白くないだろ」
泉 「僕も見るんだ、変な夢。毎回同じ内容なんだ。だから、川村くんの夢も気になる」

 悠斗、少し考えてから、近くの椅子に座る

悠斗「二人組が出てくるんだ。そいつらに、『お前は毎日を無駄に過ごしている』って説教されんの」

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