魔王軍入隊面接の巻
『魔王軍入隊面接の巻』

キャスト:6人

エレオノーラ(女):世界征服を企む魔王。優美と怠惰をこよなく愛する。武器は魔法の杖。
ロバート(男):エレオノーラの側近。怠け者の上司を支え続ける苦労人。武器は剣。
ジャック(男):エレオノーラの執事。上司と同僚の攻防を見守っている。武器は銃。
ジュリエット(女):魔王軍に志願したシスター。穏やかで慈悲深い性格。武器は聖書(魔道書)。
ノエル:魔王の打倒を狙う勇者。華麗な言動で魔王軍から憎悪を集める。武器は剣。
ナレーター:ナレーター。

0幕 プロローグ

エレオノーラ(声)「控えるがよい!我が名は大魔王エレオノーラ!」
ナレーター(声)「数年前、突如として現れた魔王を自称する者――『エレオノーラ』。」
エレオノーラ(声)「いつの日かこのまかり間違った世界を正し、統べる者である!」
ナレーター(声)「世界征服を宣言した彼女に、人々は恐れおののいていた。明日にも魔王の侵攻が始まるのではないかとーー。」

1幕 魔王城・事務室

   舞台中央に2脚の椅子と電話の置かれたテーブルが、端にはティーセッ
   トの乗ったカウンターがある。中央の椅子にロバートが座っている。端
   のカウンターにはジャックが立っている。

ナレーター(声)「ここは街外れの、深い深い森の奥。魔王とその手下たちが住むお城があります。」

   明転。

ロバート「いえ、決して怪しい者ではございません。我々はれっきとした財団法人『魔王エレオノーラ軍』でして、世界征服事業のためぜひとも御社様にご出資いただきたく---あっ、お待ちください!お話だけでもどうか!」
ジャック「どうでしたか?」
ロバート「聞くの?それ。」
ジャック「…やめときます。察し付いたんで。」
ロバート「賢明な判断だよ。聞いたところで僕の機嫌が悪くなるだけだからね。」
ジャック「どっからどう見ても不機嫌ですよ、ロバートさん。」
ロバート「だって!このままじゃ世界征服どころか、僕ら破産だよ?何件あたっても出資したい人はいないし、入隊希望者も来ないし…。」
ジャック「魔王の世界征服に協力したい人の方が珍しいと思います。」
ロバート「…いや、そうなんだけど。ここまで見つからないと、さすがにへこむじゃん…。」
ジャック「これでも飲んで、元気出してください。」
ロバート「ありがとう、いただくよ。---まったく、こんな状況だってのに、あの人はどこをほっつき歩いてるんだか…。」

   エレオノーラ、入場。

エレオノーラ「たっだいまー!」
ジャック「お帰りなさいませ、エレオノーラ様。」
ロバート「エレオノーラ!また街に行ってたのかい?これでもう13日連続じゃないか!」
エレオノーラ「あらロバート、ご苦労様!ふう、つっかれたー!」
ロバート「疲れたって…よく僕の前で言えるよね、それ。」
エレオノーラ「ジャック、お茶ー!」
ジャック「はい、ただいま。」
エレオノーラ「わー、もうできてるの?さっすがあたしの執事、格が違うわね!」
ジャック「ありがとうございます。」
ロバート「ちょっと、ジャックもあんまり甘やかさないでよ!」
エレオノーラ「んもー、ロバートったらガミガミうるさいんだから!あんた小姑みたいよ?」
ロバート「小姑言うな!まったく、きみのために一生懸命働いてたっていうのに…。どうせまた遊んでたんだろ?」
エレオノーラ「ちょっと、遊んでたとか聞き捨てならないんですけどー。今日はれっきとした『マオカツ』しに街に行ってたのよ?」
ジャック「マオカツ…と言いますと?」
エレオノーラ「魔王活動!」
ジャック「なるほど。」
ロバート「あ、そう。それで、一体どんな活動をしたんだい?来たる大戦争に備えて、武器屋で爆買いしてきたとか?それとも、世俗文化調査のためにディスコで踊り狂ってきたのかな?」
エレオノーラ「ぎくっ。」
1/7

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム