オズの課金使い
『オズの課金使い』

キャスト:12人(国民1-3と国民4-6を1人2役ずつ担当し、ナレーターとおばさんも誰かが兼任する場合)-17人(全て1人1役の場合)

ドロシー(女):カンザスに住む少女。
子ライオン:オズの国に住むライオン。
オズ(男):オズの国を治める大魔法使い。
西の魔女(女):オズの国の西方に住む悪い魔女。
門番:エメラルドシティの門番。
国民1-8:オズの国の国民。
部下1-2:西の魔女の部下。
おばさん(女、声のみ):ドロシーのおばさん。
ナレーター(声のみ):物語のナレーター。


○カンザス・ドロシーの家

   ドロシーの自室。舞台中央に椅子がある。ドロシーが椅子に
   腰掛け、スマートフォンを操作している。

ナレーター(声)「むかしむかし、と言うにはいささかこの物語は現代的なのですが、まあそこはおとぎ話の定番ですから、あしからず。カンザスの田舎町にある小さな家で、1人の少女がゲームを遊んでいました。」

   明転。

ドロシー「ああああああ!負けたあ!」
ナレーター(声)「彼女の名前はドロシー。おじさんとおばさんと一緒に、この家で暮らしています。」
ドロシー「やっぱり新しいキャラほしいなあ…。でももうジェムないから、ガチャ引けないや…。」
おばさん(声)「ドロシー!お夕飯できたわよ、降りていらっしゃい。」
ドロシー「でも課金はなあ…お金ないし…。」
おばさん(声)「早くしないと冷めちゃうわよ!」
ドロシー「はーい!」

ナレーター「その時、強い風が吹きました。」
ドロシー「えっ、何この音?きゃっ、キャアアアア!」

   ドロシー、退場。暗転。


○オズの国・小さな村

   こぢんまりとした村。右端にはドロシーのいる家が落ちている。周りを
   国民1、国民2、国民3が囲み、手を取り合い喜んでいる。
   明転。ドロシー、家から出てくる。

ドロシー「ふう、びっくりしたあ…どこここ?」
国民1「英雄様だ!」
ドロシー「へっ?」
国民2「英雄様!」
ドロシー「ほっ?」
国民3「我々を悪しき東の魔女からお救いくださり、ありがとうございます!」
ドロシー「えっ、どういうこと?あたしが英雄?」
国民1「ええ、あなた様こそが我々の英雄です!その家で空を飛んできて、東の魔女をぺちゃんこにしてくださったんですよ!」
ドロシー「あー…なるほど。竜巻で飛ばされちゃったんだ、あたし。」
国民1-3「英雄様!英雄様!ありがとうございます!」
ドロシー「お気持ちは嬉しいんですけど、あたしたまたまここに落ちただけなんですよね。」
国民2「偶然悪しき魔女を滅ぼすとは、やはりまことの英雄様は格が違う!」
国民3「どうか、その尊きお名前をお教えください!」
ドロシー「ど、ドロシーですけど…。」
国民1「ドルフィン様!オズの民をお救いくださり、ありがとうございます!」
ドロシー「いやドロシーです!」
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